大学からとんぼがえり

ポケモンのことについてつらつらと。

【ガッシュTCB】脱法ゼオンH魔物破壊

 

 シャドバ2始まりましたね。どうもゆっけです。リセマラの結果ララミアたくさん来たのでAFネメシスを使っていますが、初代シャドバで御旗ロイジだった自分としては相手の盤面に合わせてプレイングを細かく変えるのが難しくてなかなかグループが昇格していきません。ポケカやってても思いましたが、僕はゲーム中のプレイングが下手くそで、勝てる時は構築段階で考察が済んでて既に各対面の動きが決まっている場合だけだなあと感じます。それはそうと言われればそれまでだし、各対面の動きなんてのは対戦通じて学んでいけよというのもマジでそうなんですが、選択肢が多く、効かせられるアドリブの多さに強さが出るネメシスのようなデッキはマジで向いてないなあと思います。だからこそ、他のTCGと比較してゲーム中のプレイングより構築時点での考察が重要でかつドローという運要素もないガッシュカードにハマったのかもしれません。

 ということで久々になりますが今回はガッシュカードの新魔本です。今回は結構納得いく構築にするまで時間がかかってしまいましたが、その分面白いものになったかなと思います。

 

 

 

 

コンセプト

 今回のコンセプトのスタートは銀の魔本を入手したところです。

 メルカリで割と安く売ってたので即購入してしまいました。レアな魔本かつ未開封品だったので使うにも使えずしばらく放置していましたが、せっかく買ったのに使わないのももったいないなということでついに開封。使うからにはこの魔本に合った良い構築を考えたい…ということで考察を始めました。銀の魔本を使うからには、やはりメインに据えたいのはゼオンです。また、ガッシュカードの魔本もこれで9冊目となり、構築の種類も既存の種類の多くを網羅してきました。しかしまだ触れていないジャンルも僅かですが存在します。その辺りも上手く盛り込めるような構築にするのも今回の目標の一つです。

 

 

ギミックの詳細

どのゼオンを使うのか

 まずは数多く存在するゼオンのカードの中で、ギミックの中心となるゼオンを決定していきましょう。まず候補として目をつけたのが以前から何回か紹介したゼオンS《絶望へのスタート》です。

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 「場にある」効果で相手の耐性を無効にする非常に強力なカードです。魔物破壊との相性は抜群で、このゼオンがいれば問答無用で相手の魔物を捨て札にできます。相手視点このゼオンを無効にし続けるためには、ステイ効果による無効化を撃ち続けるか、ゼオンSのように「場にある」効果で無効にするしかなく、対策は難しいです。この点を評価して魔物破壊とゼオンSのコンボを軸に構築を考え始めました。

 ただこの魔物破壊+ゼオンS、確かに強力ではあるのですが組んでみると色々問題が見えてきました。1番の問題はゼオンS単体で効果が完結していないという点です。魔物破壊を組み合わせて初めて本領を発揮する効果であるため、単体では効果を持たないに等しいです。効果自体は強力ですが、やはり場に出すだけで強いロックができたり、耐性を付与できる他の魔物と比較するとやや見劣りします。S魔物であるという点も大きなデメリットであり、効果で呼び出すことができず直接魔本から場に出す必要があるため、展開がやや困難です。また、ゼオンにはVS魔物が非常に多いのも厳しい点です。VS魔物による除去は場に出すだけでよく、アクションの隙もありません。そのためフライング・ビートの効果使用後VS魔物を出されれば、防ぐ間もなくゼオンが除去されてしまいます。S魔物はそのルール上捨て札から直接場に戻すことはできず、魔本を経由して場に戻さなければならないため、VS魔物が多いのはかなりのデメリットです。破壊されたゼオンSを再び盤面に戻すとなると、進化元のゼオンを再度用意してその上で再び魔本から直接ゼオンSを出さなければならず、かなり大変です。ウォンレイSやキャンチョメSが優秀なのは、S魔物でありながら場に出た瞬間から破壊耐性を持つ故だと再確認しました。

 つまりゼオンSを強く使おうとすると、破壊効果を持つカードの採用、ゼオンSを守るための耐性付与を盤面に置く必要があります。S魔物であるゼオンSを立てながらこの盤面を作るのはかなりハードルが高いです。破壊効果を持つカードも、魔物の効果であれば大体ゲーム中1回の制限があるため複数枚の採用はできません。VS魔物ならその制限こそありませんが、メタを外すと使えませんし、やはり魔物の枠を圧迫します。イベントカードで破壊を通そうとすると、コストの重さが気になります。術での破壊もありますが、このゲームにおいて術を撃つという行動は相手にアクション権を先に渡すことであり、その隙は大きいです。そこで、なんかいい破壊効果を持つ魔物いないかな〜と思ってカードリストを眺めていると、このカードと出会いました。

結局ファウード編でしか出てこなかった謎の髪のやつ

 同じくゼオンであるためゼオンSとの共存はできませんが、性能自体は面白そうです。H(ハイド)魔物とは場に置ける3体の魔物のスペースとは別の場所に裏向きで起き、アクションによって表に返して魔物のスペースに出す魔物です。裏向きの際は場にはいないものとして扱うため、あらゆる効果を受けず、場の魔物の数にもカウントされません。このゼオンHの効果《ファウードへの誘い》の優秀な点は、表向きになったと同時に相手の魔物を破壊することができる点です。多くの破壊効果を持つ魔物は場に出す→効果発動で2アクション必要ですが、H魔物であるゼオンHは裏向きで場に出ている際はあらゆる効果を受けないため、実質1アクションで即座に効果を使うことができます。また、「場にある」効果であるためジャマーを受けないのも優秀です。

 そして最も優秀な点は、この手の破壊効果にありがちなゲーム中1回の制限が無いということです。「は!?いやテキストには『ゲーム中に1回だけ使える』って書いてあるじゃん!」と思った方、実はガッシュカードにはゴールドリストと呼ばれるものがあります。ガッシュカードは途中から大幅なルール変更が行われ、旧ルールから真ルールへと移行しました。移行の際、旧ルールで刷られたカードテキストを真ルールへと対応させるため、このゴールドリストをもって読み替えとし、これが一番正しいものとして扱うというルールが存在します。なんとこのゴールドリストにおいて、ゼオンH実物のカードテキストにはあったゲーム中に1回だけ使えるという文言が消えているのです。ゴールドリストを一番正しいものとして扱うルールを遵守するなら《ファウードへの誘い》は制限無く何回も使えることになります。また、仮にゲーム中1回の制限が無いとすれば、この効果はターン中ですら何回も使うことができます。基本的にガッシュカードにおいては同ナンバーのカードで同ターン中に効果を複数回発動することはできません。しかし「場にある」効果は例外です。「場にある」効果で指定されたタイミングで発動するものについては、同ターン中でもそのタイミングさえ来ればその度に効果を発動できます。何らかの方法でゼオンHを複数回場に出すことができれば、その回数分相手の魔物を捨て札にできるということです。

 つまりゴールドリスト上でゼオンHは、H魔物であるが故に裏向きの状態では全く効果を受けず、表向きになったと同時に相手の魔物を破壊でき、「場にある」効果であるためジャマーも受けず同ターン中に何回でも効果を使える、ということになります。明らかにぶっ壊れです。一応フォローを入れるとすれば、H魔物はS魔物同様効果で場に出すことはできないため、序盤から効果によって呼び出して使ったり、捨て札になった場合は一度魔本に戻してからでないと使えないデメリットがあります。また《ファウードへの誘い》の効果で相手の魔物を捨て札にした後、相手は新たに魔物を好きなページから出すことができるため場の魔物の数自体は変わらないことになります。これらのデメリットを考慮すればゲーム中1回の制限がついていると弱すぎるし無くなってもおかしくない…いやおかしいな…。実はガッシュカードには、ゴールドリストの誤りが疑われるカードが数枚存在しており、このゼオンHもまたその1枚です。しかしこのカードゲーム、既にサービス終了しているためゴールドリストの誤植かどうかなんていうのはもう確認する術が無いのです(マジでどうなってんだこのカードゲーム)(どうかしているのはカードゲームではなくサ終したカードゲームでルールの穴を突こうとしている異常者ワイ)。ルール上は確かにデメリット効果が消えてるけど、明らかにおかしくね!?ということでタイトルに「脱法」がつきました。もし読んでくださっている方が実際に対戦する場合は対戦相手の方に確認してから使うようにしてください。以降はこの脱法が仮に通るとしたらという前提で考察を続けます。

 

目指す盤面

 ゼオンHを強く使うにあたって組み合わせたい要素を以下に列挙します。

ゼオンHの回収

②呼び出しを封じる効果

③高嶺清麿《王になれ》の採用

④破壊耐性の無効化

 ゼオンHを繰り返し使う前提において、①の回収要素は必須です。まず候補に上がるのはバディオス《空輸》《回収》です。

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 MPを1払うことによって場の魔物を魔本に戻すことができます。ゼオンHを表向きに出した後、次の自アクションで《回収》を使い魔本に戻すことで、再び《ファウードへの誘い》を使ったりハイド状態でゼオンHを待機させることができます。ちなみに「飛行状態」というのは、相手の場に「飛行状態」の魔物がいない時、自分の「飛行状態」の魔物の効果はジャマーされないという状態のことです。お互いに「飛行状態」の魔物がいないとジャマーできないよ〜って感じです。バディオスは《空輸》によって自らを含めて「飛行状態」にできるので、確実に《回収》を通すことができます。他の候補としてはイベントカード「退くぞ!」が挙げられます。

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 イベント権を切る必要がありますが、バディオスと組み合わせることで複数体の魔物を捨て札にすることができます。細かい差ですが、仮にゼオンHが効果発動の隙を狙われて石板状態にされた場合、石板状態の魔物を効果によって選択できないので《回収》で戻すことができません。しかし「退くぞ!」は対象を場の魔物としているのではなく、場のカードを対象としているため石板状態になった魔物でも魔本に戻すことができるメリットがあります。

 ゼオンHで魔物を捨て札にしても、自身の効果で更なる魔物を展開されては場の魔物の数は減っていきません。②の項目はゼオンHを強く使うなら組み合わせたい要素です。呼び出しを防ぐという行為は、効果発動後の隙を狙われてVS魔物でゼオンHが処理される展開も防ぐことができるため、ゼオンHを守ることにも繋がります。まず候補に上がるのは以前からちょいちょい紹介しているアポロ《自由人》でしょう。

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 「場にある」効果で相手の他ページ利用を封じることができます。ロップス《かう!》によってステイ・スタンバイ効果解除もできるため優秀なコンビです。また、その他の候補としてはイベントカード「仲村マリ子」があります。

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 イベントカードである点、同ターン中のみのステイ効果である点でアポロに劣りますが、0コストで撃つことができ、ジャマーも受けない点が優秀です。魔物の枠も圧迫しないので、他のカードとの組み合わせを検討しどちらを採用するか決めるべきでしょう。

 魔物破壊を軸にするデッキなら③の《王になれ》との組み合わせは必須レベルです。《王になれ》をどう捨て札にするかについては、手駒ループ魔物破壊の記事でも考察しましたが、今回の候補はガッシュ・ベル/ゼオンガッシュ・ベル《出会い》です。

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 前者のメリットはキース《歓喜の歌》対面でも、《王になれ》をつけることができればほぼ確実に後攻1ターン目のスタートフェイズに《王になれ》を捨て札にすることができる点です。デメリットとしては置き物としては効果が強くない点、ゼオンと場に共存はできないため退かす手段が必要な点(ここはバディオスの《回収》でもいいかもしれません)です。

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 後者のメリットは先攻を取れた場合、《王になれ》を巻き込んで捨て札になりながら展開もできる点です。先攻1ターン目からデモルト《咆哮》や魔界学校の校長に繋いで魔物破壊も可能です。また、《出会い》の効果は「捨て札にして好きなページの魔物を出す」ではなく、「捨て札にする」と「好きなページの魔物を出す」がそれぞれ独立しているため、どちらか片方を選んで使えるのも地味に優秀な点です。相手が《王になれ》を採用していそうな場合は最速でガッシュ諸共捨て札にすべきですが、そうでない場合は純粋に展開要員として使えます。デメリットとしては相手に先攻を取られた場合、先攻1ターン目で効果が腐ってしまうという点です。しかし、《出会い》採用で後攻を取った場合は《王になれ》が捨て札に行くのは後攻のバトルフェイズ、ガッシュ・ベル/ゼオンで《王になれ》を捨て札に送る場合は後攻のスタートフェイズで、正直ほぼほぼ捨てるタイミングは変わりません。一方で先攻を取れた場合、展開も可能な《出会い》の方が遥かに優秀です。ということで今回は《出会い》を採用することにしました。

 ここまでお膳立てしても、相手の場にウォンレイ《愛のために》やキャンチョメSがいればゼオンHの破壊効果は通りません。そこで④で示したように何らかの方法で相手の耐性を突破する必要があります。最も手っ取り早いのは効果の無効化ですが、まず候補として上がるのはステイ効果による無効化です。これについては種類が豊富で最も手軽に使えるのは「およしになっておとのさま」でしょう。しかしステイ効果はチェリッシュやリーヤVSザルチムを代表としたステイ解除にどうしても弱いです。ステイ解除と耐性持ちが場に並ぶと、どう頑張ってもステイ効果では相手の耐性を突破できません(だからこそゼオンSは強いのですが)。ステイ解除まで考慮するなら「場にある」効果で無効化したいのですが、ここで候補に挙がるのがカルーラ《薔薇の戦士》とマレーネ・ヤネンツ《カルーラのクグツ》です。

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 以前ビブリオコントロールの記事でも紹介したカードですが、レイラ《堕ちたものね》やエルザドル《気高き目》のように「場にある」効果で相手の「場にある」効果を封じられる強力なカードです。このカードによって相手の「場にある」効果での耐性を無効にすることができます(魔物の効果のみなので注意が必要ですが)。耐性を使ってこない相手に対してもこのロック効果は強力です(実はH魔物の効果は全て「場にある」効果なのでミラーにも強いです)。通常なら石板魔物3体を場に並べる必要がありますが、マレーネと組み合わせることで石板魔物2体でもカルーラの効果を使うことがでが、ゼオンHとの共存が可能になります。2体目の石板魔物はどうするの?という疑問をお持ちの方もいるかもしれませんが、実はバディオスが石板魔物なのでその2体目になります。

 以上に示した候補の中から使えそうな組み合わせで盤面を作ります。カルーラはバディオスとしか共存できないため、必然的にバディオス+「仲村マリ子」+カルーラか、もしくはバディオス+アポロ+「およしになっておとのさま」の2択になります。前述の通りステイ解除+耐性持ちが盤面に並ぶと、こちらのステイ効果による無効化は通りません。「仲村マリ子」もステイ効果ではありますが、こちらが解除される分にはまだマシで、確実に通したいのは破壊効果の方です。ということで相手の耐性を確実に無効にしやすいバディオス+「仲村マリ子」+カルーラの組み合わせの採用にしました。

 

 

構築

 序盤は《王になれ》を捨て札にしつつ、テッド《ファイティングポーズ》やキース《歓喜の歌》、ガッシュ・ベル《伝導のエレメント》に屈しない展開をできるようページを組みました。ゼオンHを出すページ以降はバディオスで現在のページに戻して繰り返し出す都合上ページを開ける必要があるため、場に出すカードを見開きに必ず1枚は入れています。

  ページ数   ページ数  
スタート     1 ガッシュ・ベル《出会い》
攻防 2 アース《修正する力》 3 高嶺清麿《コンボ》
攻防 4 ロード《悪しき力》 5 高嶺清麿《王になれ》
防御 6 魔界学校の校長 7 ココ《旧友の叫び》
攻撃 8 1人拷問ゴッコ 9 バディオス《空輸》《回収》
攻撃 10 カルーラ《薔薇の戦士》 11 マレーネ・ヤネンツ《カルーラのクグツ》
防御 12 ゼオンH《ファウードへの誘い》 13 カードバトルforGBA
攻防・めくり 14 人工呼吸 15 マレーネ・ヤネンツ《カルーラのクグツ》
攻防 16 仲村マリ子 17 トイバルカン
攻防 18 仲村マリ子 19 バルカン三代目
攻防 20 仲村マリ子 21 ビッグ・ボイン
攻撃 22 僕の王様 23 フライング・ビート
防御 24 ティオのパンツ 25 バルカン四代目
攻撃 26 僕の王様 27 ツー・ライティング・アイ
防御 28 およしになっておとのさま 29 ツー・ライティング・アイ
めくり 30 手をつないで… 31 モルト《咆哮》
攻防 32 ゼオ・ザケルガ    

 

各種カード解説

 前項で紹介しなかった採用カードについて解説します。

・ロード《悪しき力》

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 《王になれ》を最速で捨て札にするべくガッシュを序盤から採用していますが、ガッシュを序盤に採用する上で最も困るのは相手のスタートが《伝導のエレメント》だった時です。こちらが先攻ならば《出会い》からデモルトで処理可能ですが問題は後攻の場合です。《出会い》でガッシュが自主退場できないため、伝導対策としては定番となるフライング・ビートなどからのVSガッシュでの伝導処理ができません。VSガッシュ以外で伝導を処理する方法として手っ取り早いのはゴーレン《悪夢》による石板状態付与ですがこれも後攻では使えません。後攻でも伝導に対応する駒としてこのロードを採用しました。相手のターン中でも使えるのがとても優秀です。無効化をゲーム中ステイさせるため、後攻を取ったとしても伝導を無効にすることでこちらの後攻1ターン目も問題無く展開できます。

・ココ《旧友の叫び》

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 序盤の除去効果としては範囲も広く、イベントカードであるためアクションの隙もない「黒い覇道」の方が基本的には優秀です。しかし、ロードやカルーラで封じられるのは魔物の効果のみなので、ウォンレイ《愛のために》と一緒に採用されがちなリィエン《呪いの床》が場に出てしまうと、《呪いの床》自体がパートナーのついている魔物やそのパートナーが捨て札にならない効果を持っているためこちらの破壊効果が通らなくなってしまいます。《旧友の叫び》は相手の耐性を貫通してパートナーを除去できるため相手の《呪いの床》も除去可能です。他の除去効果と違って対象がパートナー限定ですが、序盤で除去したい対象が明確に決まっているためあまり問題ではありません。もちろん場に出すアクション後に相手の「黒い覇道」などによって《旧友の叫び》が除去されるリスクもありますが、それを差し引いても優秀であるため採用に至りました。

・トイバルカン

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 完成後のこちらの盤面の弱点はマレーネです。パートナーカードであるが故に除去されやすく、除去されればカルーラによるロックも解除されてしまいます。除去の対策としてシンプルなのは回収手段を用意する、現物を複数枚採用することです。しかしゼオンHを繰り返し使う都合上展開後は極力魔本のスペースを毎ページ作る必要があります。片方のページは「仲村マリ子」が埋めているため、回収手段はイベントカードであることが多いので噛み合わず、現物の場合は除去されなかった時にページが空かず困ってしまいます。ということでページを空けつつマレーネを守れるトイバルカンを採用しました。

・ビッグ・ボイン

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 有名なのは他のMJ12の効果を封じる方のビッグ・ボインですが、今回はそちらではなく他のMJ12を除去する方を採用しました。MJ12は簡単に場に出せるため空きページを作るカードとしては最適です。こちらのMJ12を場に出すだけでなく効果を通すため、相手のビッグ・ボインをこのカードで除去します。ビッグ・ボインが封じられるMJ12はビッグ・ボイン以外なので、このカードの効果は問題無く通ります。除去効果は「黒い覇道」やパートナーの効果によるものが多いですが展開後は構築の都合上それもできないため、MJ12でありながら相手のビッグ・ボインを除去できるこのカードは今回の構築においては優秀です。

・ツー・ライティング・アイ

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 遥か昔、初めて作ったデッキに採用したカードです。今回は簡単に空きページを作ることができるカードとして採用しました。初めて採用した時は気づきませんでしたが、このカードの地味に優秀な点は相手のターンでも攻撃ができるところです。ターンの初手アクションで使うことで相手の魔本や盤面に圧をかけることができます。MP消費も無いのでお手軽です。

・ティオのパンツ

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 ゼオンHを場に出す前に魔本破壊で除去されると、上級ページに行くまでゼオンHが使えません。これを防ぐために採用。理想はモモン《逃げの一手》ですが魔物の枠が無かったためこちらの採用に。

・手をつないで…

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 「人工呼吸」ではゼオンHを回収できないので、アクションの隙を狙われてゼオンHが捨て札に行った時のケアのため採用。上手く使えば相手の除去の後再びゼオンHで魔物破壊ができます。

・ゼオ・ザケルガ

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 最終ページの術を撃つアタッカーになれるのがゼオンだけなので、必然的に採用。ゼオンには作中最大術であるジガディラス・ウル・ザケルガもあり実際カード化されているのですが、かばえない効果を評価してこちらの方を採用。原作では改心するまではバオウをガッシュが引き継いだことを恨み、研鑽を重ねてジガディラスを習得したというのに、カードではバオウに酷似した存在しない術を持たされ、しかも性能としてはジガディラスより有用という、あまりに尊厳破壊すぎるカードです。しかしあくまで性能をもって採用を判断するのがカードゲームの定めなので…。

 

想定するターンの動き

・1〜3ページ目

 後攻を取った時、相手の初手が《歓喜の歌》もしくは《伝導のエレメント》の場合使うページです。《ファイティングポーズ》や《歓喜の歌》などのステイ効果はアース《修正する力》で解除します。解除後に高嶺清麿《コンボ》でページをめくって4〜5ページ目に向かいます。実は相手ターンでもページをめくって展開できるカードは地味に珍しいです。

・4〜5ページ目

 先攻の場合は基本的にめくってこのページからスタートします。《王になれ》は場に出さえすれば後は捨て札に行くだけ(魔物をバウンスされる場合、魔物は魔本に戻りますがついているカードは捨て札になるため、どの行動を取られても基本的には捨て札に行きます)なので、場に出すことが何よりも重要です。初手アクションで《王になれ》を場に出します。相手もまた《王になれ》を使ってきそうなら、《出会い》によって展開し先に《王になれ》を捨て札にします。相手の場に厄介な魔物がいる時も早めに展開してデモルトや校長で除去します。優先的に除去したいのはチェリッシュやリーヤVSザルチムを始めとしたステイ解除効果を持つ魔物、パートナーであるココ《膠着》でこちらの展開を阻害してくるゾフィスなどです。

・6〜7ページ目

 先攻を取った場合の後攻1ターン目想定のページです。相手の展開を校長や《旧友の叫び》で妨害します。ここであまり展開しすぎると次のページ以降で魔物を退かせずに展開できなくなるので、校長はタイミングを見て出します。

・8〜9、10〜11ページ目

 「1人拷問ゴッコ」で展開するページです。あまり無いパターンですがロードの効果が使わずに余った場合はバディオスで回収し、効果を使い終わったデモルトは「1人拷問ゴッコ」の捨て札にする効果で場を空けながらめくり、カルーラとマレーネを展開します。

・12〜13ページ目

 ここをめくられるとゼオンHを場に出すことができず負けてしまいます。ほぼ全ての攻撃とめくり効果を止められる「カードバトルforGBA」をゼオンHと同じページに配置し、確実にゼオンHを出せるようにします。ゼオンHさえ出せればこのページのやりたいことは完遂です。

・14〜15ページ目

 ここまでのターンでバディオスやカルーラを除去された時のためのページです。「人工呼吸」で捨て札から回収します。カルーラを除去されている場合は同時にマレーネも除去されているので、同じページにマレーネを置くことで再び盤面を作ります。マレーネを出すことができればページが空くので盤面によってはゼオンHを使ってもいいかもしれません。どこも除去されていなければスタートフェイズでめくります。

・16〜17、18〜19、20〜21ページ目

 怒涛の「仲村マリ子」連打ページです。やることはシンプルですが、アクションの順番が大事です。《ファウードの誘い》と《回収》は連続でアクションしたいため、あらかじめ見開きのカードは場に出してページを空けます。《ファウードの誘い》は同一アクション内で破壊→呼び出しの効果が発生するため、ゼオンH使用前に「仲村マリ子」は使います。見開きのカードか「仲村マリ子」どちらを先に使うかは盤面次第ですが、マレーネを除去されると厳しいのでトイバルカンだけは初手アクションで出した方がいいかもしれません。

・22ページ目以降

 基本的には16ページ以降と立ち回りは変わりませんが、ここから上級ページなので「僕の王様」が使えるようになります。バディオスやマレーネが除去された場合は「人工呼吸」を、ゼオンHが除去された場合は「手をつないで…」を、相手の場に厄介な魔物がいれば「およしになっておとのさま」を、それ以外の場合は「仲村マリ子」を、というような感じで「僕の王様」からイベントを撃ち分けます。

 

弱点およびそれに対するプレイングと改善点

・魔本めくり

 繰り返すようですがH魔物は効果で場に出せないので、ページを飛ばされてしまうと場に出せずコンセプト崩壊します。「カードバトルforGBA」のページでは安心ですが、問題はそれ以降です。《回収》で魔本に戻した直後のアクションでめくられた場合、魔本をもどすためのカードは入れていないので負けになります。盤面にめくり効果を持つ魔物やパートナーがいれば、ゼオンHでそれを除去すれば問題ありません。しかしめくり効果を持つイベントカードはほぼ対策のしようがありません。本気で対策するなら、そもそも魔本をめくるイベントカードは攻撃ターンしか使えないことが多いので、相手の攻撃ターンにはゼオンHを魔本に戻さないプレイングが求められます。ただ防御ターンでもめくれるカードはわずかながら存在する(例:「怖いのは一緒」)ため、これも完全な対策とは言えません。正直ウォンレイ《愛のために》が存在する環境で、効果によってめくる行為自体があまり強くないのであまり考慮する必要も無いと言えば無いです。わざわざイベント権使って1枚めくるくらいなら普通にかばえなくしたり連続で攻撃した方が遥かに強いので…。とはいえモモン《エロザル》などの魔本めくりを匂わすカードが出てきた場合はイベントカードによるめくりを警戒して《回収》を使うタイミングは考えた方がいいかもしれません。

・無効化

 ステイ解除を採用していないため相手のステイ効果による無効化がやや厳しいです。耐性持ちとステイ効果による無効化が並ぶと、カルーラの効果が止まれば相手の耐性も復活するので面倒です。ただこちらの魔本破壊は毎ターンやろうと思えばできるため相手視点毎ターン止め続ける必要があります。一応それができるカードも存在はします(ゼオン《泰然自若》、マルス《裏切り》など)。ただ消費するMPも馬鹿にならないので相手がいつかは息切れします。また盤面でアクションによって発動する無効化はやはり場に出た瞬間が最も大きい隙なので、そこを逃さず除去できれば《王になれ》で蓋もできるのでこれを目指します。「僕の王様」から撃てるステイ解除効果を持つイベントカード(「ベリーメロン」「おおーーっ!!」など)を採用しても良かったのですが、今回は枠の都合で不採用にしました。

・ワンキル

 前回ワンキルを作ってみたところ、思ったより決まるということが判明したため仮想敵として考慮する必要が出てきました。相手に先攻を取られた場合、ワンキルを止める手段があるとすればロード《悪しき力》のみです。相手の術の使用自体を止めることはできないので、ワンキルのギミックを看破してピンポイントでクリティカルな部分をロードで止める必要があります。例えばバベルガワンキルならかばうを封じるブラゴ《容赦なし!》の効果を封じれば、相手の4回攻撃を場の魔物でかばい切ることができます。また前回紹介したペンダラム・ファルガワンキルならパティ《涙のリグレット》を封じれば5回攻撃を盤面で捌くことができます。大体の場合かばうを封じてくる効果をロードで封じれば盤面で受け切れることが多いですが、逆にロードが封じられればほぼ負けです(ワンキルに採用されやすいキャンチョメ《あふれる希望》にはパートナーとして当ブログ準レギュラーの《必死のフォルゴレ》がいます)。早めにロードを出してしまっては相手の効果でロードの効果を封じられたり、逆に待ちのプレイングをするとアクションの順番によってはロードによる無効化も機を逸してしまうことがあります。確実にロードの無効化を通すためには、プレイングの精度が要求されるでしょう。

・レイラ《本物の力》

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 ロックが強いガッシュカードにおいて、「相手の効果にかかわらず使うことができる」もしくは「『魔物の効果を使えない』ときにも使える」効果はかなり強いです。前者はチェリッシュ、後者は今回も採用しているアースが例に挙げられますが、このレイラも後者に属するカードです。全てのロック効果を無視して効果を使えるため、耐性持ちと並ぶとゼオンHの効果が通りません。ひとたび盤面が完成すると石板状態付与以外で突破する手段はないので、盤面が完成する前に除去を通す必要があります。

 

 

おわりに

 H魔物、石板魔物とこれまで使ってこなかったギミックを一同に使える構築に仕上がったので個人的には満足です。特にガッシュスタートで伝導、テッド、キース対面をどうケアするかを考えるのが今回非常に悩みましたが、それなりの形に収まったのも悪くないかなと思います。正直初手の展開はチェリッシュ+《あふれる希望》以上のものは無いだろうと思っていたので、それと張り合える展開にできたのは嬉しいですね。

 これでいよいよガッシュカードも本格的にネタが尽きてきました。あと組むとしたら何回も言ってますがウォンレイ+レイラの構築かなあ。ファウード魔本や、MJ12+ナゾナゾ博士の12枚めくり魔本も手を出していないジャンルとしては存在しますが、あまりにロマン砲すぎて再現性も強さも無いので組む気がしません。最近対戦もできていないのでインスピレーションも無いです。かの羂索も「私から生まれるモノは私の可能性の域を出ない」と言っていますし、やはり自分で考察を深めるだけでは限界がありますね。ということで誰か対戦してくれ…頼むよ…。

 ちなみにポケモンカードですが、サーナイトブルンゲルとかいうデッキが出てきたせいでモチベが地に堕ちました。それがなければフライゴンアーボックは結構味してたのでもうちょっと擦ってたと思います。いつまで強いねんサーナイトはよおらんなってくれや。ガッシュカードのデメリットはサ終したこと、それ故にプレイヤーも入手可能カードも少ないことだけだと思ってましたが、やりこんでいくとドローに左右される他のTCGがアホらしくなってくるのも大きなデメリットですね…。ボス2連打とか、オーキス2連打やられるとどうしても2度とやらんわこんなクソゲーになっちゃいます。この辺を上振れとして割り切れたり、逆に原因追及にモチベを振れる人がTCGには向いてるんでしょう。

 次の記事は新しいガッシュカードの記事か、ポケモンカードか、棚の奥にしまいこんでるアニマルカードゲームの記事になるんじゃないかと思います。ここまで読んでくださってありがとうございました、それでは〜〜〜〜〜。

 

 

【ポケカ】フライゴンex④

 

 映画「サンダーボルツ*」を観てきましたが何か物足りないな…と思っていたら変身シーンが無いせいだと気づきました。やっぱヒーローは変身してなんぼですね。どうもゆっけです。シティリーグシーズン4に参加してきました。やっぱり3-3でした。今回は完全にポケカにかける時間が足りていませんでした。デッキとしては面白いものができたかなと思って報告の意味も込めて更新です。

 

 

 

 

フライゴン

 フライゴンex収録からCL福岡まで一貫してコントロール寄りのフライゴンを使ってきましたがいまいち勝ち切ることができずにいました。前回の記事でも述べたように抜本的な改革が必要と思い、今回のシティリーグでは今まで触っていなかった毒軸のフライゴンを持っていこうと考えました。

 毒軸の利点としては当然先攻ワンキルです。現在の環境では進化デッキは後攻を取りやすく、じゃんけんの結果に関わらず進化デッキ対面では先攻を取りやすくなっています。先攻を取りたい相性のデッキがそのまま先攻を渡してくれやすいというのはワンキルにとってはかなり追い風です。フライゴンが低火力故に相手にしてキツいドラパやサナ、リザなどの進化デッキに対してはそもそもワンキルでポケカさせずに勝利を目指せるという点でフライゴンと好相性です。

 進化以外のたねポケモンex主体のデッキに対しても、毒軸ならフライゴン自身が優位に立つことができます。フライゴンの最高打点はストームバック130点とそれ単体ではルールを持たないポケモンすら落とせないこともある貧弱さです。しかし毒軸では火力アップ手段が豊富にあります。毒状態で+10、くさりもちで+40、モモワロウの特性「もうどくしはい」で+50、相手のポケモンが悪タイプでなければ危険な密林で+20と最大で合計120点ダメージアップ可能で、ストームバックのダメージが250点まで伸びることになります。環境に存在するほぼ全てのたねポケモンexをワンパンで処理することが可能です。

 つまり、進化デッキに対しては毒ワンキルで、たねポケモンex主体のデッキに対しては火力アップさせたストームバックで、理論上は全対面優位に戦えるという寸法です。めちゃくちゃ嘘くさいですね。

 

ブリジュラスexとの差別化

 毒軸と組み合わせるとすればやはり最もメジャーなのはブリジュラスexでしょう。実際少し前の環境では毒軸と組み合わせたブリジュラスがちょこちょこ入賞していました。ブリジュラスも進化デッキに弱いものの、たねポケモンexに対してはメタルディフェンダー220点でワンパンできることからかなり強く出ることができます。そういった意味では毒軸と組むのも合理的です。またブリジュラスはフライゴンと異なり1進化であるため進化のハードルが低く、特性「ごうきんビルド」によってエネルギーも自身で補給できるため進化から攻撃までスムーズに繋がります。これらの点だけで見るとフライゴンよりもブリジュラスの方が優秀な相方という評価になりそうです。毒軸と組み合わせる相方として、フライゴンはブリジュラスとどう差別化できているかということについて述べていきます。

ポケモンチェックでのきぜつが可能

 メタルディフェンダーは220点の火力によって、毒によるバフ無しでもたねポケモンexをワンパンできる強力なワザです。しかしそれこそが逆に裏目となり、キチキギスexの「さかてにとる」やアンフェアスタンプなどのきぜつをトリガーにした効果を相手に使われてしまいます。フライゴンのストームバックの最大合計ダメージは250点ですが、あくまでワザのダメージはくさりもちによる+40後の170点です。残り80点はポケモンチェック時に追加されるので、きぜつをトリガーにした効果を相手に使わせないという点も非常に優秀です。

②ストームバックとモモワロウの相性が最高

 ブリジュラスと比較した時に最も強い点はここにあります。まずストームバックでベンチに下がることができるため、モモワロウで毒ダメージを増やしつつ裏呼びを要求することができます。またワザを撃つ時点ではフライゴンは毒状態ですが、ベンチに下がった時点で回復します。ブリジュラスは当然バトル場に居続けなければならないため、危険な密林がある場合は2回のポケモンチェックで60点削れてしまい、1進化でありながらHP300というアドバンテージも薄れてしまいます。さらに、フライゴンの場合2回目のポケモンチェックまで考えるとダメージ量も馬鹿にできません。2体目のモモワロウを用意できていれば、バトル場のモモワロウを倒されたとしても2体目のモモワロウで毒を増やすことができ、250+80=330となりワザを受けたポケモンに入れ替えを要求することができます。

 

 この2点で十分ブリジュラスexとの差別化はできていると考え、早速構築を考えました。

 

構築

3行ぴったリストで芸術点加算

 ということで組んでみた構築がこちら。採用理由について解説します。

フライゴンexライン…2-1-2

 そもそもワンキルが決まれば使わない上、モモワロウやスボミー、ガチグマアカツキexなど代打のアタッカーは豊富なので最低限の採用枚数に。

・モモワロウ…2

 ワンキルのパーツではありますがワンキルする際は1枚あれば十分かつサーチ手段は豊富に揃えているため、他のサーチしにくいカードに枠を譲る形で最多限の採用枚数に。ワンキルが決まらないたねポケモンex相手でもポケモンチェックごとに80点乗るのは強力で、相手のポケモンが逃げられなければ先2でサイド2枚稼ぐことも結構あります。

・アラブルタケ…2

 モモワロウと同じくワンキルのパーツではありますが、スタートした場合ポケモンいれかえもしくはラティアスexが必須になってしまうため、最低限の採用枚数に。ポケモンであるが故にトラッシュからの回収も可能なのでこの枚数でも困ることは少ないです。

メタモン…2

 5枚目以降のネストボール的な役割。先1のみとはいえ置けるネストボールなのは非常に偉く、そもそもワンキル前提なら先1でゲームが終わるためデメリットはあまり気になりません。

・ガチグマアカツキex

 もはや常連カード。このカードもまた毒軸との相性が非常に良く、最大で310点のダメージを出すことができ、サーナイトexもワンパン可能です。

スボミー

 相手に先攻を取られた場合後攻での強い動きがないため、とりあえず雑に強い動きとしての採用。毒と組み合わせると危険な密林と合わせて80点のグッズロックになったり、自主退場することでガチグマの起動を早くしたりと器用な動きも可能になります。

・イキリンコex…2

 初動でほぼ必ず使うためサイド落ちまでケアして2枚の採用。

・キチキギスex

 ドローソースとしては貴重な存在であるので当然採用。

ラティアスex

 フライゴンが毎ターンワザを撃つため、またアラブルタケをバトル場に縛られると厳しいため潤滑油として採用。後述のシャリタツとの相性も非常に良いです。

・シャリタツ

 ストームバックの特性上、ほぼ毎ターンバトル場に出ることができます。シャリタツがバトル場に出れないということはモモワロウが生き残っているということでありそれはそれでアドです。サーチ枚数はポケギア3.0より少ないですがその代わり場に置いておける点が優秀です。

・ネストボール、ハイパーボール…4

 ワンキルの成功確率にも関与するサーチカードなので最大枚数採用。

ふしぎなアメ…3

 ゼイユや「イキリテイク」で巻き込む可能性を考慮し、3枚の採用に。

・夜のタンカ、すごいつりざお

 ふしぎなアメ同様に展開中にシステムとなるポケモンを巻き込んだり、バトル場できぜつしたモモワロウを回収するため両採用。エネルギーの採用も最低限なのですごいつりざおの対象は慎重に選びます。

ポケモンいれかえ

 ラティアスを採用しているとはいえ、シャリタツをバトル場に出してサポートを探したい時や、にげられない状況になった時のために採用。ワンキル時もスタートしてしまったアラブルタケやガチグマを、ベンチ枠の消費無しにベンチに下げれるため便利です。

・シークレットボックス

 これ一枚でほぼワンキルのパーツが揃うため、ACE SPECはこれ以外無いと思います。

・くさりもち…3

 火力アップのため必須カードですが、ワンキルには関与しないカードなので3枚採用。

・ブーストエナジー古代…4

 ワンキルのパーツでありながら先1の場合サーチ手段がシークレットボックスしかなく、またゲーム中も回収手段がないため最大枚数採用。

・ゼイユ…4

 ワンキルのためには必須のカードなので文句なしの4枚採用。

・ペパー…4

 ゲーム中欲しいどうぐが多く、またふしぎなアメのようにピンポイントで欲しいグッズもあるため4枚採用。シクボのおかげで次のサポートにも繋がるためバリューが高いです。

・ボスの指令…2

 ワンキルに失敗した場合ゲーム中最低1回は撃ちたく、また巻き込んでトラッシュする可能性まで考慮して2枚採用。

・ナンジャモ…2

 ワンキルに失敗した場合、流石に手札干渉無しではゲーム終盤キツすぎるためボスと同じ理由で2枚採用。

・危険な密林…4

 ブーストエナジー古代と同様の理由で4枚採用。

・基本闘エネルギー…4

 ラティアスでにげるためのエネルギーは必要なく、ストームバックやブラッドムーンは基本的に1エネでワザを撃つため本当に最低限の枚数採用。

 

実際の使用感

①思ったよりワンキルが決まらない

 まずそもそも先攻ワンキルが決まるのは「先攻を取れている」「相手のスタートポケモンが悪タイプ以外のHP80以下のポケモンもしくは悪タイプのHP60以下のポケモンである」「相手のベンチにポケモンが存在しない」これらの条件が全て揃った時のみです。これが意外と難しい。進化デッキ相手だったとしてもキチキギスやマシマシラなど毒の最大ダメージ80点を耐えるポケモンは多く存在します。特にサーナイトラルトス以外のたねポケモンが結構毒を耐えるHPをしているため実はそこまで有利じゃなかったりします。さらに最近毒による先攻ワンキルがそこそこ決まるということが周知されてしまったため、単純かつ確実な対策として対戦準備の際ベンチにもたねポケモンを置くという立ち回りをされるようになりました。これでは100%ワンキルは決まりません。仮に上記の条件が揃ったとしてもワンキルが決まるのは体感7〜8割くらいで、残りの2〜3割で手札がカチャついて失敗します。単純にワンキル成功確率に先攻を取れる確率と相手のスタートポケモンがワンキルできるHPである確率がかかると考えると、そもそも先攻ワンキルを狙うこと自体ナンセンスな賭けなのかな…という気持ちになります。先1でサイドを取れるということ自体はワンキルが決まらなかったとしても進化デッキ相手には有効ではあるのですが、問題は次項になります。

②ワンキルできなかった後が弱すぎる

 たねポケモンex主体のデッキ対面や、進化デッキに対してワンキルできなかった場合は当然ゲームは続くのですがこの展開になるとあまりに弱いです。キチキギスやラティアス、イキリンコなどシステムとしてサイドを稼がれやすいポケモンを採用しているため2-2-2のサイド進行を通されて負ける展開がかなり多いです。ワンキルに寄せている関係でデッキのスロットがなく、ヨルノズクピジョットexといったシステムを採用できていないのでフライゴンも思った以上に育ちません。せっかく育てたフライゴンも取られると2体目を立てるのはほぼ無理です。一応ガチグマも終盤アタッカーになり、モモワロウも毒によって擬似的にアタッカーになったりスボミーで時間を稼いだりなどもできますが継戦能力の乏しさは否めません。

 

 

ロケット団の栄光」環境へ

 上記の問題を抱えながらも、じゃあコントロール寄りのフライゴンでより良い構築案があるかと言われればそうではないため、ポケカのモチベも湧かないままCL福岡後全く対人戦もせず気づけばガッシュカードのデッキが3つできていました。そんな中で新弾「ロケット団の栄光」が発売されました。強力なカードも多数登場し環境に影響を与えることは確実でした。毒フライゴンに影響がありそうなカードはロケット団のびっくりボムです。

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 コインに左右されますが相手のポケモンにグッズでダメカンを乗せることができます。これによって先1で出せる最大ダメージがコインの表の数×20増えることになりました。実質的に危険な密林の枚数が増えた状態に近く、その分要求が下がりワンキルの確率が上がります。ワンキルできなかったとしてもゲーム中火力アップとしても使うことができる点も優秀です。上記の構築からなんとか枠を見つけて4投しても良いようなカードであると思います。

 新弾で他にも目を引くカードは多数ありましたが、その中で最も注目したカードはロケット団アーボックです。

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 もちろん注目したのはその特性「にらみをきかす」で、バトル場にいるだけでロケット団ポケモン以外の特性を持つポケモンを手札から場に出せなくなります。現環境で特性を持つポケモンを使わないデッキは存在しません。2進化デッキならば1進化もしくは2進化のポケモンが必ずと言って良いほど特性を持ちます。単にそれらの特性を封じるのではなく場に出させないというロックなので、進化デッキに対しては相当強力なロックになります。今までディンルーexやクレッフィ、テツノイバラexなど様々な特性ロックのカードは存在しましたがここまで広い範囲でかつ強力なロックは存在していません。一度先に進化してしまえばロックは関係ないのでは?という疑問もありますがそこはワザマシン「デヴォリューション」による退化で解決できます。

 アーボック自身が1進化、にげるためのエネルギーが2個とフライゴンと組ませるには他のポケモンと比較するとややデメリットが大きいですが、それを補って余りあるメリットがそのロック効果にはあります。アーボック自身も火力の出るポケモンではないことからもフライゴンと組むメリットはありそうです。フライゴンが2進化でありながらさらに1進化のポケモンと組み合わせるとなるとデッキのまとまりが無くなりそうではありますが、最近新しく環境入りしたオーロンゲも自身が2進化でありながらユキメノコという1進化と組んでいます。このことからフライゴンもいけるのでは…?と思い始めました。

 この時点でシティリーグまで2週間を切っており、今から新しい構築を考えた上でプレイングをそれなりにしてから持っていくには非現実的であると理解はしていました。更に毒軸の良いところはワンキルだけならプレイングがほぼ要らないという点です。ポケカのモチベが尽きておりほぼ対人練習ができていないなら、上手くソリティアさえできればプレイングを求められることなく勝つ可能性のあるワンキルは非常に適していると言えます。しかし先1ワンキルは運の要素がかなり大きく、勝ったとしても自分が上手にカードを引けただけという感覚がどうしても拭えず、何がおもろいねんこれ…といった感じであまり面白さを感じられないのが正直なところでした。コントロール寄りの構築はプレイングを求められる代わりにカードゲームとしての駆け引きを楽しめたり、何よりロックを決めて勝つのはカードゲーマーとして至上の喜びです。また毒軸自体は強力ですし、ブリジュラスexとの差別化もできているとは思いますが正直フライゴンと組ませる理由が薄く、これ毒フライゴンって言ってるけど毒の部分が強いだけでフライゴンデッキじゃないな…という思いもありました。

 ということで新たな相棒であるアーボックを引っ提げてシティリーグに臨むことにしました。

 

 

シティリーグ使用構築

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 今までの構築と比較して最も大きな変更点は、システムとなるポケモンを採用していないという点です。システムを採用するメリットはもちろんデッキの動きの安定度・自由度が高まるという点ですが、大きなデメリットとしてデッキの枠を圧迫するという点があります。対面によってバトル場に出すポケモンが変わってくるフライゴンexにとって、必要なカードがサイドに埋まるのはかなり致命的です。サイド落ちのケアとしては必要なカードを複数積むこと、サイドを取り進めることの2つが挙げられますが、フライゴンの貧弱な火力ではサイド進行も遅いため回収もその分遅くなります。ではキーパーツを複数採用すれば良いという話になりそうですが、システムにデッキの枠を圧迫されているためなかなかそうもいきません。また、ヨルノズクピジョットも進化ポケモンであり、相棒となるアーボックも進化ポケモンなので、流石にゲーム中必須で育てる必要がある進化ラインが3つというのは事故を回避できない…と考えてシステムとなるポケモンは不採用にしました。その代わりポケモンやサポートの現物を多く積むことでサイド落ちや事故を回避するコンセプトで構築を組みました。まあ長々それらしいことを書いていますが、結局はオーロンゲやサーナイトも2進化のくせしてシステム採用してない割にはそれなりに回ってるみたいやしフライゴンでもいけるやろ!wという安直な考えです。

偉そうにこんなことツイートしてるくせにね

 

フーディンexとの差別化

 この手の戦法を取るポケモンは大体フーディンexと比較されるのですが、結論から言うとフーディンexの方が優秀です。それぞれの優れている点を比較してみましょう。

フーディンexの優れている点〉

①バトル場を逃す必要がない

 最も優れているのはこの点です。ベンチにいながらワザを撃てるため入れ替え手段に悩んだりする必要がありません。フライゴンと比較して入れ替え札の分デッキのスロットも空きます。またマラカッチのようなにげる行為そのものをロックしてくる相手に対しても、ベンチからワザを撃てる以上そこまで刺さりません。

②進化元が優秀

 ケーシィは特性「テレポーター」によって山札に戻り、ベンチの任意のポケモンと入れ替わることができます。とりあえずスタートはケーシィで、相手のデッキによってバトル場のポケモンを選べるのは非常に優秀です。ユンゲラーはワザ「テレポートアタック」によってベンチに帰ることができ、任意の妨害ポケモンを押し付けることができます。

③意外と火力が出る

 ディメンションハンドばかり注目されがちなフーディンですが、上ワザのマインドジャックも強力です。相手のベンチポケモンの数×30の打点を出せるので、たねポケモンexくらいならワンパンできます。フライゴンと違ってガチグマをわざわざ採用する必要がありません。

④各種超ポケモンと無理なく共存できる

 まずリーリエのピッピexと共存できるため、ドラパに弱点をつけます。弱点をついてくる悪タイプのポケモンexに対しては、ミミッキュで殴りつつ捲りのタイミングでフーディンに進化するという立ち回りをしたいですが、これは基本超エネルギーを共有しているからできることです。逆に相手の耐性を持つポケモンや、バトル場にいることでロックを効かせるポケモンに対してはハバタクカミやクレッフィを置くことでその効果を無効にしつつ殴ることができます。

フライゴンexの優れている点〉

①闘タイプである

 攻撃においては闘タイプであるということはかなり優秀です。キチキギスをワンパンで処理しつつベンチに帰って妨害のポケモンを押し付けたり、テツノカイナexやピカチュウexなどのたねポケモンexも弱点を突いてワンパンできます。フーディンでもバトル場にいればワンパンはできますが相手にベンチを絞られたりすると不可能になります。防御においては、闘タイプであるというよりは超タイプでないという点でややフライゴンが優秀です。環境上位に悪リザとロンゲがいるのでロックを抜けられた後フーディンがワンパンされる可能性が高いです。フライゴンも「カースドボム」を組み合わせればワンパンされますが、フーディンはそれすらも要求できません。

②1エネでワザを撃てる

 ストームバックは1エネなので、手貼り無しからでも攻撃できる点が優秀です。エヴォリューションを撃つ場合、フーディンは何らかの方法でエネ加速しなければ後2で攻撃はできません(多分特性「アカシックセンス」のネイティオと組み合わせることになりそう)。また前項の通りワンパンされた後の復帰のしやすさが大きく異なり、後続に手貼りもしくはやはり何らかのエネ加速が必要です。

 

 頑張ってフライゴンの良いところを挙げてみましたがどう考えてもフーディンの方ができることも多く優秀です。一応今後収録予定で発表されているカードとしてパワープロテインがあり、火力という面での差別化はできますが、それでもフライゴンの方が優秀になることは無さそうです。アーボック使いたい人は大人しくフーディンと組み合わせましょう。僕はフライゴン使いたいのでフライゴン使います。

 

採用カード解説

フライゴンexライン…2-3-3

 エヴォリューションで確実に進化したいのでナックラービブラーバはそれぞれ3枚採用に。中間進化が厚いと後続も育てやすく快適です。これで特性がついてたらなあ…。

アーボック-アーボ…2-2

 当初2-2での採用でしたが、アーボックに進化できるのが早ければ早いほど良いということに気がつき3-3に。2枚ずつだとどちらかがサイド落ちしたり、博士の研究で巻き込んだりすると、後続を育てるのが意外と困難になるのでやや厚めの採用でも良いと思います。強いて言うならアーボックは2枚でも良いかもしれません…ただ素引きできると相当強いので悩ましいところです。

クレッフィ…2

 アーボックが刺さらないデッキにはこいつが刺さるということで1枚増やして2枚採用。ライコ対面とかでこいつでスタートできるとかなり笑顔になれます。実はフライゴンの天敵であるマシマシラに対しても、「アドレナブレイン」を止めるという重要な仕事があります。

・リククラゲ-ノノクラゲ…1-1

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 この構築の納得いってない部分ナンバーワン。アーボックはにげエネが2なのでフライゴンで毎ターン攻撃するためには手貼りのみのエネルギーでは足りません。かといってポケモンいれかえではまず手札に引き込む必要があること、またゲーム中の入れ替えの回数自体は制限されるため、フライゴンの貧弱な火力ではサイドを取り切ることが困難です。バトル場から安定してアーボックを逃がすために採用。サイド落ちすると一気にゲーム展開が渋めになります。とはいえこいつら以外に安定してアーボックを退かす手段が今のところ無いのでしゃーなしの採用です。まあ一応ミミッキュの突破手段ではあるということで…。

・サーチカード

 序盤で必ず撃ちたいのでなかよしポフィンは最大枚数採用。進化先のサーチのためハイパーボールは3枚採用。ネストボールは1枚からキチキギスやガチグマになり、相手の攻撃からの復帰や終盤の詰めに手札コストなしで使える点、序盤の当たりにもなる点を評価し1枚採用。ハイパーボールの4枚目にするか悩みましたが、やはり1枚からキチキギスになるのが偉すぎてネストボールに枠を譲りました。

ふしぎなアメ

 基本的にはエヴォリューションを使ってビブラーバからフライゴンに進化するため使いませんが、あると便利なので1枚での採用。エヴォリューションを撃たない展開になると重宝するため不採用にはできませんでした。

・カウンターキャッチャー

 ビハインドから捲る展開が多いので2枚でも良いかと思いましたが、器用にサイド調整できる構築ではないので1枚採用。手札干渉と同時に使えるのが偉いです。稀にこちらが先に攻撃する展開もありその場合はカウキャよりボスが有用になりますが、とはいえカウキャの2枚目が欲しい展開もそこそのあるので、ここの比率はもう少し悩んで良いかなと思います。

・夜のタンカ、すごいつりざお

 エネルギーの採用も最低限なので後続を回収するためと攻撃用のエネルギーを確保するために両採用。エネルギー転送を使い切った後、タンカによってペパーがエネルギーになるので偉いです。

・エネルギー転送

 エネルギーの現物を最低限の採用にとどめているため、ペパーがエネルギーになる貴重なカード。複数のエネルギーを持ってくる必要もなく、手札コストも痛いので大地の器ではなくこちらを採用しました。

・アンフェアスタンプ

 伝家の宝刀。相手の山札が厚い序盤から強く手札干渉できるカードはこれしか無いため必須の採用。デヴォリューション、クレッフィもしくはアーボックと組み合わせて使い逆転を狙います。

・エヴォリューション…2

 基本的に後1でこのワザを宣言して盤面を整えたいので2枚採用。相手がアーボックに困ってそうな時はアーボックにつけて2回目を撃つのも偉い動きです。

・デヴォリューション…2

 アーボックのおかげで元々高い評価が更に上がったカード。ゲーム中2回撃ちたい場面も少なくないので本当は3枚にしたいです。

・緊急ボード

 リククラゲはベンチにいる時しか効果を発揮できず、そのままバトル場に呼び出されると簡単に相手にターンを稼がれてしまいます。最低限手貼りで逃げられるようにするための採用。入れ替えのために3枠消費してるのめっちゃ不毛に感じますがベンチ1枠で済むのがリククラゲと緊急ボードしかないので妥協での採用です。今後の収録カードに期待。

・博士の研究…4

 最強サポート。採用カードの現物を増やしているため、ある程度思い切って撃っても良くなったのがストレスフリーで素晴らしいです。ワナイダーexデッキ以来初めて採用しているのですが、久々に撃つとこのカードのイカれっぷりを再認識できますね。

・ペパー…4

 序盤はポフィンorエネ転+エヴォ、捲りの際はアンフェア+デヴォのハッピーセットになります。やっぱり1枚が2枚になるカードは強い。

・ナンジャモ…4

 貴重な手札干渉。どうしても巻き込みたくないカードがある場合以外は基本的に序盤では撃ちたくなく、相手にアーボッククレッフィを取らせてサイドを少なくしてから撃っていきたいです。アンフェア後はナンジャモを撃つと相手を助ける可能性もあるので、博士と打ち分けできるようになったのは良い点だと思います。

・ボスの指令…2

 下手にサイドを先行すると相手のカウキャから復帰されがちです。理想なのは相手に取らせてから動き出すことですが、お互い待ちになった場合バトル場のポケモンではなくより相手が大事にしているポケモンを処理したいので、そのための2枚採用。カウキャとの比率は一生悩みのたねです。

・ボウルタウン…2

 グッズロック下でもたねポケモンを展開できる貴重なカード。エヴォ・デヴォのメタとなるジャミングタワー、終盤のガチグマの妨害となるポケモンリーグ本部、ロケット団の監視塔を割れる貴重なカードでもあるので極力1枚は残した状態にしておきたいです。

・基本闘エネルギー…5

 5枚は完全に経験則です。エネルギー転送と夜のタンカ、ペパーによって擬似的に当たりが増えているのでよほど噛み合わなかったり、めちゃくちゃサイドに落ちまくったりすることがなければこの採用枚数でもあまり困りません。

 

採用検討カード

スボミー

 アーボックに枠を譲る形で不採用にしましたが流石にこのカードは採用した方が良かったように思います。後1での最も強い動きはエヴォリューションでありむずむずかふんをそんなに撃たないと感じたこと、また現環境で2進化ポケモンが先2で立つことはそうそうなく立たれたとしてもアーボック+デヴォで充分捲れると判断しての不採用でした。ただ誤算だったのはスパイクタウンジムによってオーロンゲは結構簡単に立つという点と、アーボック+デヴォが思ったよりちょっと大変という点です。スボミーで先2のアメ進化を防げれば、後2でのアーボックが間に合うのでどう考えてもどこか枠を割いて採用すべきでした。

ミミッキュ

 何の妨害も無しにミミッキュを出したとしても、現在の環境デッキの多くはミミッキュに対する解答を持っているためあまり有効ではないと感じました。頂への雪道のようなロックと同時に使うことではじめて真価を発揮するカードであり、そうでなければクレッフィアーボックをバトル場に出している方がよっぽど強いと判断して不採用。

ロケット団の監視塔

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 現レギュ版頂への雪道。こちらの構築ではピジョットヨルノズクも採用していないので採用によるデメリットはほぼありません。ヨルノズクにガン刺さりするカードであり、クレッフィと組み合わせればライコ対面だとほぼ止まってくれます。しかしアーボックと役割が被るのと、相手が割ってくれなければこちらのガチグマが止まってしまうため不採用にしました。ただライコ対面だと割られなければ相手は動いてきませんし、相手が動くためにはどうせ割らないといけないので割られたらその時はガチグマで突っ込むという戦法を取れます。そのため今後はどこかの枠を使って採用したい1枚です。

ポケモンリーグ本部

 ライコ対面のロック札として検討していましたが、ロケット団の監視塔と同じ理由で不採用。ライコは結構簡単に1エネ余計につけられるので、これを採用するくらいなら監視塔の方が良さそうです。

ロケット団のアポロ

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 アンフェアスタンプと同じく、相手の山札が厚いうちから強く手札干渉できるカード。条件がやや厳しく、アーボックを厚めに積んでいるとはいえアーボックとアーボ以外がきぜつした場合には何の役にも立たないカードになってしまいます。ヨルノズクピジョットのようにピン刺しのカードを持って来れる構築なら採用の価値はあると思います。

・まけんきハチマキ

 フライゴンの火力の貧弱さは深刻で、最も重篤なのはマシマシラを倒せないという点です。下手に殴れば「アドレナブレイン」用のダメカンを渡すだけなので対応に困ります。まけんきハチマキで火力をアップさせてワンパン処理しようかとも思いましたが、マシマシラがアタッカーになりうるサーナイトは勇気のおまもりを複数枚積んでおり、これをマシマシラにつけるだけで解決されてしまいます。そのためまけんきハチマキは採用せず、マシマシラに対してはこちらのクレッフィを押しつけて「アドレナブレイン」を使わせないよう立ち回ります。

・モモワロウex+モルペコ

 入れ替え手段候補でした。特性「しはいのくさり」によってにげエネ0のモルペコを前に出して逃げることで、毎ターン攻撃を実現できます。リククラゲと比較して優秀な点は仮にモルペコ以外のポケモンマラカッチなどでにげロックされたとしてもそれをケアできるという点です。ただデッキのスロットを2枠消費しサイド落ちも厳しいというリククラゲとほぼ同じ条件でありながらベンチを2枠消費するという点、キチキギス以外に簡単にサイドを稼がれやすいポケモンを常にベンチに置かなければならないという点から不採用に。にげロックに強いという点も、結局モルペコを捕まえられればそれでおしまいなので…。モルペコを採用せずにキチキギスに緊急ボードを貼って解決しようかとも思いましたが、盤面にエサ2体並ぶのが前提なのも流石に弱いということでやはり不採用。

ポケモンいれかえ

 マラカッチ対策。ただ今回は割り切って不採用にしました。にげロックも結局メタカードの立ち位置なので採用率も不安定です。採用率が明らかに高くなった場合はどこかの枠と入れ替えて採用しても良いかと思います。

マラカッチ

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 相手に使われて厳しいなら、こちらも使えば良いじゃない!ということで採用を検討していましたが今回は見送りました。リククラゲと同時に採用するならにげエネが2個というデメリットも薄くなるので、今後もう少し試してみようと思います。

 

環境デッキに対する立ち回り

・大空洞ライコ

 エンジンとなるのが「ほうせきさがし」と「みどりのまい」で、クレッフィアーボックどちらも刺さりますが逆に言えばどちらかしか刺さりません。基本的にはクレッフィを押しつけつつアーボックを育て、手札干渉を絡めつつどちらを押しつけるか吟味します。序盤クレッフィを押しつけていればヨルノズクが、アーボックを押しつけていれば「みどりのまい」のための草エネルギーが消費されているはずなので、その辺りよく注意してロックしていきます。タケルライコexのワザ「はじけるほうこう」で手札は回復されるので、できれば攻撃と共にアンフェアを撃ちたいところです。サイドを残り2枚まで詰めればガチグマアカツキexで突っ込んでほぼ勝ちです。

・ドラパ

 エンジンである「ていさつしれい」、追加の火力である「カースドボム」をアーボックによって止めることができます。デッキの軸になるのはドロンチなので、早めのデヴォリューションが要求されます。デッキの性質上ふしぎなアメの採用枚数も控えめなので、アメとドラパを揃えられたとしてもデヴォで捲ることができます。こちらのデヴォやアーボックが間に合わずドロンチからドラパに進化されると、ストームバックで削ってからデヴォを撃たないといけないのでやや面倒です。

・リザ(ピジョットorドラパ)

 メインアタッカーである悪リザ、システムであるピジョットが両方とも特性持ちなので、アーボック+アンフェア+デヴォでぐちゃぐちゃにできます。ただ「カースドボム」を採用している場合、サイド枚数をコントロールされてカウキャから復帰される可能性もあり、またボムのダメージと合わせてフライゴンは簡単にきぜつしうるため、取れるならヨマワルサマヨールから取ります。相棒がドラパの場合は早めのデヴォで「ていさつしれい」を止めます。ちなみにミストエネルギーついたら泣くしかないです。

・ロンゲメノコマシラ

 環境デッキの中ではかなり新顔で、対面したのもシティの2戦だけなので正直わかりません。ただオーロンゲも特性を持っているので、基本的にはアーボック+デヴォプランです。対面の処理の優先度としては、ユキメノコが最も高いです。マシマシラは確かに強力ですがユキメノコがいなければ飛ばすダメカンも発生しません。オーロンゲやユキメノコを場から消した後マシマシラを殴る場合はクレッフィを使います。相手の展開の補助になり、またアーボックがバトル場にいてもマラカッチを出せる手段になってしまうボウルタウンは極力場に出さずに展開します。アーボックがバトル場にいさえすればスパイクタウンジムでポケモンを持ってくること自体は脅威ではありません。

サーナイト

 こいついつまで環境にいるの…。最近の構築では裏呼びが少ないため、アーボック+デヴォがそこそこ刺さります。しかしマシマシラが相当辛い対面です。ストームバックでギリ倒せないため相手の「アドレナブレイン」のダメカンを渡してしまうことになります。ただ相手の悪エネつきマシマシラの数にもよりますが、相手視点でもHP130のマシマシラだけで倒すのはやや面倒です。1ターンでアーボックを処理するためには悪エネつきマシマシラを3体用意する必要があります。これを揃えられる前に可能な限りマシマシラを処理していくのが目標になります。相手の盤面的にサーナイトへの進化の芽が無くなってきたらクレッフィを出して「アドレナブレイン」を封じるのもありかもしれません。

・ブリジュラス

 ブリジュラス自身が特性を持っているため、アーボックが刺さる対面です。他のデッキのように器用な動きができる構築ではないのでアンフェア+デヴォからの復帰はアンフェアとトップの3ドローで裏呼びを引けていなければかなり時間がかかります。メタルディフェンダーで簡単にキチキギスは取られてしまうため、あまり出さないという点を注意するくらいです。

バチュルバレット

 最も簡単な対面。テツノカイナex、ピカチュウexはフライゴンで弱点を突くことができ、デッキを回すたねポケモンexはクレッフィで止めることができます。そのためフライゴンを育ててクレッフィを投げ続けていれば普通に勝てます。フライゴンexが育たないことが一番の負け筋なのでナックラーを優先して展開し、余裕があればリククラゲを育てます。

ミロカロスリキキリン

 無理対面です。ミロカロスの突破手段が無い上、ワザによって山札から進化できるためアーボックによる妨害が刺さりません。ワンチャンあるとすればひとしきり進化させた後デヴォで手札に戻し、山札からミロカロスが無くなった状態にして殴るくらいでしょうが、ナンジャモやらなんやらでミロカロスを山に戻す手段は多数あるので非現実的です。

 

シティリーグ当日のマッチアップ

・1戦目 ロンゲメノコマシラ 後攻 負け

 じゃんけんで勝ったので予定通り後攻を選択。1人回しでも唯一練習していなかった対面でしたが、オーロンゲ、ユキメノコともに特性を持っているポケモンであるためデヴォ+アンフェアスタンプでの捲りを目指します。順調にエヴォから入ることができましたが、返しのターンでアメからオーロンゲに進化されサイド先行されます。他の2進化のように先2での進化は容易ではないと考えていましたが、スパイクタウンジムの存在もあり他の2進化と比較するとそこまでハードルは高くないようです。できればアーボックを出して進化の要求を上げつつ相手に呼び出し札を消費させたかったですが、一度進化されると盤面への負担が強くリーサルまでのターンが短くなるため、1枚目のデヴォは早期に切らざるを得ません。ということでデヴォ+アンフェアで捲っていきます。アーボックが刺さりサイドも残り1枚まで詰めることができましたが、マラカッチアーボックが捕まってしまいます。ナンジャモもすごいつりざおも使い切ってしまっており、アーボックもバトル場で倒れることができずそのままLOで敗北。スボミーを不採用にしたことで先2でのオーロンゲへの進化を許してしまったこと、マラカッチ対策をしていなかったことが敗因かと思います。マラカッチについてはシティ当日の週の入賞リストを見る限り採用は五分五分で、オーロンゲとマッチする確率×マラカッチが採用されている確率約50%と考えると割り切っていいなと思って入れ替えを不採用にしたのでしょうがないかな…。

・2戦目 ロンゲメノコマシラ 後攻 負け

 まさかの2戦目。展開としてはほぼ1戦目と同じでしたが、1戦目よりはこちらにやや余裕のある展開に。しかし、ビブラーバから進化したフライゴンにすでに90点乗せられており、相手のデヴォによる一掃を回避するために2体目のフライゴンを立てることを強要されます。そのため盤面にクレッフィを置くことができず、また途中裏を呼ぶ余裕があったのですがユキメノコを取るべきところをマシマシラを取ったりと細かいプレミが重なりました。裏を呼ぶシーンではお相手の盤面にはベロバーしかおらず、ここでユキメノコを取りながらクレッフィを押しつけることができていればもう少し展開は違ったかもしれません。最終的には削れたキチキギスを取られて敗北。スボミーを入れていれば先2でロンゲに進化されず後2のアーボックによる妨害が間に合うのでやはりスボミーを抜いたことが敗北に繋がっていますね。盤面の作り方や処理の優先度もわかっていなかったので明らかに練習不足が響いた2戦でした。

・3戦目 バチュルバレット 先攻 勝ち

 先攻を取らされますがクレッフィでスタートできました。先攻を取るならクレッフィスタートが理想で、対面がたねex主体のデッキなら尚更良いです。お相手のスタートがバチュルだったので今回のスタートは理想的です。序盤からナックラーを複数体展開することは叶いませんでしたが、クレッフィで妨害している間に確実にフライゴンを育てることができ、ストームバックでクレッフィを押しつけながら戦います。一応グラビティーマウンテン+トパーズボルトでフライゴンが落とされたり、裏呼びで時間稼ぎされる可能性などをケアしてフライゴンの2体目やボードつきリククラゲまで育てます。最終的にはサイド残り1枚まで詰めた段階でお相手の盤面にストームバックを耐えるポケモンがいなくなり、投了をもらって勝利。勝つべき相性の対面に勝てたのは良かったと思います。

・4戦目 ドラパバクフーン 後攻 勝ち

 お相手のスタートはテツノツツミ。炎エネ手貼りのみで番が返ってきたのでなかなかデッキのタイプを絞れません。ツツミ入りのリザとかドラパとかあるのか…?と思いながらこちらは展開しエヴォリューションまで繋がります。先2でヒノアラシを展開されここでデッキを把握。バクフーンは自身が特性を持たず、マグマラシが展開のための特性を持っているため立ち回りとしてはドラパ対面に近いものを要求されます。バトル場にアーボックを出して妨害しますがテツノツツミを処理できておらず、特性「ハイパーブロアー」でアーボックを下げられた上でマグマラシに乗られてしまいます。返しのターンでデヴォを撃たなければバクフーンにまで乗られて厳しい展開になるのですが、ここでデヴォもペパーも引けません。お相手はバクフーンに進化して攻撃してきますが、進化したのはバトル場だけでした。ストームバックで削りを入れたのち、アーボックでデヴォを撃ちバクフーンを処理しつつお相手の盤面をリセットします。サイドを進めていく中でまさかのドラメシヤが盤面に登場。システムとしての採用かと思いましたが超エネまで見えたためドラパに乗ってくるのが確定しました。徐々にサイドが追いつかれていきますが、お相手が残り2枚の段階で前のドラパにストームバックを当てつつアーボックを押しつけます。サイドは同数なのでカウキャも使えず、アーボックによってテツノツツミも手札からは出せません。ここでアーボックが取られればガチグマが突っ込んで勝ちですがお相手はダメージを負ってないドラパでジェットヘッドを撃ちます。裏呼びが無いことを祈りながら新しいドラパにストームバックを当てて再びアーボックを押しつけたところ、お相手はナンジャモを撃ちつつテツノツツミを場に出すことに成功。特性「ハイパーブロアー」を宣言されます。フライゴンにはファントムダイブで2個のダメカンが乗っていましたが、バディブラストで落ちるには火力アップのポケモンのどうぐもしくはグラビティーマウンテンが必要でありそれが無いことに賭けてフライゴンをバトル場に。お相手の宣言はファントムダイブでした。この時点でデヴォもしくはガチグマ+エネで勝ちですが、序盤なかなか撃てていなかったペパーをここで引いていたのでデヴォでドラパを2体退化させて勝利。お相手の先1の大事故があった上でギリギリの勝利だったのでかなり危ない試合でした。

・5戦目 ブリジュラス 後攻 勝ち

 マリガンでロケット団のびっくりボム入りのブリジュラスであることを確認。こちらのスタートはナックラーだけで、以前よりは数を減らしましたが毒ワンキルの可能性も考慮し、追加ドローで引けたアーボも念の為ベンチに出してワンキルをケアします。お相手の手札は芳しくないようで、先2まででブリジュラスに進化できませんでした。こちらは後2でバトル場にアーボックを送りジュラルドンを1体ずつ処理していきます。お相手はアーボックの妨害を突破できず、後続のジュラルドンの展開もなく投了をもらって勝利。

・6戦目 大空洞ライコ 後攻 負け

 お相手の先1はスピンロトムもイキリンコもなく、オーガポンとホーホーのみというやや渋めの展開。こちらはエヴォリューションから入れますが、ノノクラゲがサイド落ちしていました。展開の中でなかなかフライゴンに進化できなかったり、エネルギーの供給が追いつかなかったりと地味に苦しい展開が続きます。一応アンフェアによる妨害もしましたが、ライコにはワザで手札を増やす手段があるので攻撃しながらでなければサイドレースで追いつくことが困難です。結局妨害も攻撃も上手く噛み合わず敗北。正直これまでの5戦はかなりちゃんと回っていたので6戦目にしてこの回りは致し方ないかと思います。先1のお相手の展開の渋さから考えると、スボミーが刺さりそうな感じはしたのでやはり入れるべきでしたね…。

 

 

おわりに

 何個かフライゴンデッキを作りましたが、今回が一番可能性を感じました。やはりアーボックがこれまでに無い範囲・強さのロックを持っているが故だと思います。しばらくの間相棒はアーボックになりそうです。

 これで今シーズン全てのシティリーグが終わったわけですが、結果は全て3-3と去年と比べると残念な結果でした。まあ去年ができすぎていたといえばそれはそう…。フライゴンGXやデザートピラーのフライゴンを使っていた頃は1-3とか1-4していたためその頃と比べたらマシな結果にはなっていますが、順当にカードパワー通りの結果なんでしょうか。とりあえず来シーズンはフライゴンでトナメ入れるように考察を続けたいですね。

 ガッシュカードは魔本のアイデアも尽きてしまってあんまモチベが湧いてないです。やっぱカードゲームにおいて新弾が出るというのは重要ですね…当たり前ですが…。しばらくポケカもオフシーズンなのでのんびり過ごそうと思います。次はまたガッシュカードの新しい魔本か、自主大会に気まぐれで出たら更新すると思います。それでは〜〜〜〜〜。

 

【ガッシュTCB】ペンダラム・ファルガワンキル

 

 僕は既に公開している作品のネタバレに対して鑑賞していない人間が怒る権利は無い派閥に属しているのでここに書きますが、ガッシュ2最新話良かったですね。ザグルゼムでやりくりしていた頃のガッシュと清麿が戻ってきたようで嬉しいです。また連鎖のライン整えてほしい。どうもゆっけです。8冊目となりますが新しい魔本ができたので更新です。今回の構築はおもしろ寄りです。堅いデッキと一発ネタよりのデッキを交互に作っているの、完全にフライゴンGXの頃とやってること同じだな………まあおんなじようなデッキ作り続けるのも面白くないのでこうなるのは必然でしょう。

 

 

 

 

コンセプト

 今回のコンセプトはずばり、ワンターンキルです。ポケカの毒ワンキルみたいなしょうもないギミックとは違い、ガッシュカードは最初から最後まであらかじめカードの順番を決められるゲームであるため、上手くカードを配置すれば先攻で大ダメージを相手に与えることができます。実際にバベルガ・グラビドンによるワンキル構築も存在します。

 この構築では、5コスト以上で術を使用した場合相手のかばうを封じるブラゴ《容赦なし!》で、シェリー《黒き強い力》によって強化されたバベルガ・グラビドンを撃つことで、かばえない4ダメージを4回与える16ダメージによって相手の魔本を一気に削りきるギミックが採用されています。正直ワンキルするならこのギミックが一番必要パーツも少ないし優秀だと思います。ワンキルしたいみなさんはこのギミックを使いましょう。今回はバベルガワンキル以外にも実用性を限りなく高めたワンキル構築を作りたい!ということで考察を始めます。

 

 

ギミックの詳細

ワンキルに適した術

 ということでバベルガ・グラビドン以外に構築のメインとなる術を検討していきます。求められる性能としては、もちろんダメージが大きいこと、さらに複数回のダメージを与えられるということです。複数回ダメージを与える術はダメージアップと相性が良く、前回使用した「共闘」+ガンズ・バウレン&ガレ・コファルのように使用回数分のダメージを追加で与えることができます。また、大ダメージに対して強い「カードバトルforGBA」は単発のダメージであればほぼ必ず防ぐことが可能ですが、複数回の攻撃であれば一回防がれたとしてもさらに追加でダメージを与えられる可能性があります。いくつか候補がありますので性能を確認していきます。

・ディガン・テオラドム

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 ゾフィス採用魔本であればこの術がほぼ確実に最終ページに選ばれると言っても過言ではないハイスペックな術。3ダメージを4回使えるため12ダメージと決まればほぼ決着級の性能です。しかし4回ダメージを与えるのではなくあくまで4回使うことができるテキストなので、都度コストが必要になります。元のコストは8なのでそのまま使おうとするとかなりのコストが必要です。「新しい熱き何か」などでコスト軽減して使おうにも大抵1回しか使用できず、4回使用できる本来の術の性能を活かしきれません。そのため使うとすればワンターンキルではなく爆速で魔本をめくって最終ページに辿り着き、ワンショットキルを狙う構築になりそうです。実際存在するので紹介します。

・ファノン・リオウ・ディオウ

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 9コストで3ダメージを3回与えるリオウの作中最大術。リオウにはリオウS《いたぶり》や、パートナーであるバニキス・ギーゴー《中の人》によるダメージ追加があるので、リオウ単体の採用でも15ダメージ出せる点が優秀です。バニキスには他にも《ファウードの栄養液》で一気にMP補充する手段もあるのでワンキルの際のMP問題も解決できます。ただリオウSは中級カードであるため通常の魔本めくりでは先攻1ターン目で到達することはできません。また合計ダメージは優秀なものの3回ダメージであるため、他の術と比較すると「カードバトルforGBA」で止まる可能性が高いです。とはいえ自己完結している要素も多く優秀なアタッカーと言えるでしょう。

・ペンダラム・ファルガ

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 5コストで1ダメージを5回与えるパムーンの強力な術。これまで紹介した術全てと比較して総ダメージが最も低いためダメージ強化が必須のカードです。しかしダメージを与える回数が最大であり、ダメージ強化の効率が最も高いです。また回数が多いということは、前述の通り「カードバトルforGBA」を貫通できる可能性が高いということでもあります。総ダメージが低い分これまでの術と比べてもコストが低い点も優秀です。パムーンにはリオウと同様《若さ故の過ち》やパートナーであるシェルビィ《老騎士》によってMP補充を自身で行うことができます。このMP補充は直接MPを増やすわけではなくパムーンにMPカウンターとして乗せるため、相手のMP枯渇の効果を受けないという点が地味に他のMP補充とは差別化になります。一応パムーンにも石版魔物四天王でダメージを上げる方法があるにはありますがリオウSと同様中級カードなので通常の魔本めくりでは先攻1ターン目で到達することはできません。何らかの方法でダメージを上げることが必須になるでしょう。

 

 それぞれ長所・短所ありますが、今回は貫通力の高さを評価してペンダラム・ファルガを採用することとしました。

 

必要な要素

 もちろんただペンダラム・ファルガを撃つだけではワンキルできませんし、なんなら上級術なのでそもそも普通には撃つことすらできません。ということでワンキルするために必要なパーツを考えていきます。

〈必須の要素〉

・任意の術の使用

 上級術を初手から使うには必須のギミックです。まず第一の候補としては「新しい熱き何か」です。

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 任意の術を使えるだけでなくコストを下げることも可能なので採用筆頭候補です。しかしこのカードもまた上級カードなので、効果で任意のイベントカードを使えるナゾナゾ博士《賢者の謀》などとの併用が前提になります。

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 その他の候補としては金色の超呪文が挙げられます。

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 こちらは術の使用のみならず、魔力とダメージの増強も可能です。非バトルの術なのでジャマーもほぼ受けない点も優秀です。しかし中級術なので基本的には初手から使うことはできず、術であるが故に使用法も限定されています。それこそ「新しい熱き何か」から使用するくらいでしょう。コスト軽減の効果が無いことにも注意が必要です。

・ダメージ上昇

 ペンダラム・ファルガはそのまま撃てば5ダメージとワンキルには程遠く及びません。5回使える仕様上ダメージ効率は良いですが、+1で10ダメージ、+2で15ダメージなのでやはりダメージを+2はしたいところです。アタッカーの種類を問わないダメージ上昇効果としてはブラゴ《嘲笑》が候補に上がります。

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 場を空けつつダメージ上昇できるので非常に優秀です。他には前項でも触れた石版魔物四天王や、金色の超呪文がありますがこれらはどちらも中級カードです。また石版魔物四天王はS魔物なので呼び出しも不可能です。先攻1ターン目で呼び出すとなるとほぼ不可能でしょう。

・ダメージ貫通

 そもそも5回攻撃の時点で貫通力は充分ですが、かばわれてしまうとワンキルができません。相手にかばわせない方法として、パティ《涙のリグレット》が候補に上がります。

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 ブラゴ《嘲笑》と同様にアタッカーの種類を問わずターン中相手のかばうを封じます。一応「ナオミちゃん」などのイベントカードで同様の効果を得ることはできますが、イベント権は基本的に「新しい熱き何か」のような強力なイベントカードをに取っておきたいので、イベント権を消費せずかばうキャンセルできるパティは非常に優秀と言えます。

・MP確保

 展開、術の使用のためMPを補充する必要があります。前項の通りパムーン《若さ故の過ちやシェルビィ《老騎士》によってMPを稼ぐことができます。

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 特に《若さ故の過ち》は捨て札にある魔物と同じ数のMPカウンターを0から稼ぐことができるので、前述の「捨て札にする→」魔物の効果と相性が良いです。

・魔本をめくり

 ワンキルを決めるためには必要札が多く、見開きのカード2枚ではとても足りません。そのため魔本をめくるカードを採用し、使えるカードの枚数を増やす必要があります。候補としては、最早常連カードと言っても過言ではないキャンチョメ《あふれる希望》でしょう。

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 「場にある」効果なのでジャマーもほぼ受けず、MP補充も可能です。またパートナーのフォルゴレも優秀であり、《イタリアの英雄》や《テーーン‼︎》などで更なるMP補充も可能です。

・展開

 かなりの枚数のカードを展開する必要があります。「スカイダイビング」でも最大3枚までしか展開できず、またイベントカードであるため「新しい熱き何か」と競合になってしまいます。イベント権を消費せず、また多くのカードを展開できる手段としてミンフェイ・ミミルグが採用筆頭候補です。

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 以前も紹介したカードですが非バトルの術でジャマーを受けにくく、同ターン中の使用の制限もないため複数回ミンフェイ・ミミルグを使うことで必要なカードを展開可能です。

〈あったほうが良い要素〉

・妨害対策

 効果によって他のページからカードを呼び出したり効果を使う以上、相手のアポロ《自由人》が最大の障壁になります。また「このカードを捨て札にする→」を多用するため、相手のココ《膠着》によって魔物を捨て札にする行為を封じられればワンキルは決まりません。さらにアルベール《いくぜレイラ》、パルコ・フォルゴレ《世界のスター》など出したターン中の効果を封じるカードなども脅威です。また、ワンキルのためステイ効果を多用するので当然チェリッシュやリーヤVSザルチムをはじめとしたステイ解除にも弱いです。まずは全てのカードの対策になるゴーレン《悪夢》を採用すべきでしょう。

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 場を空けながら相手の最も厄介なカードを無力化できます。ただゾフィスやキャンチョメに対してはパートナーが着く前に石版状態にする必要があるので注意が必要です。またワンキルを通すにあたって厄介なのが相手のバルカン四代目です。パティでかばえない状況を作ったとしても無条件でかばうことができるため2回分のダメージを吸われてしまいます。除去としては万能なのは「黒い覇道」ですがイベントカードなので「新しい熱き何か」との共存ができません。ここで採用したいのがウルル《やれやれだ》です。

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 除去対象が魔物以外かつ「場にある」効果を持つカードとかなり限定的なので汎用性は高くないですが、バルカン四代目を除去できるのが非常に優秀で、その他前述の厄介な「場にある」効果を持つパートナーも除去可能です。またキャンチョメを採用しているので万能の無効化であるパルコ・フォルゴレ《必死のフォルゴレ》も採用したいところです。

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・イベント確定使用

 展開の多くを非バトルであるミンフェイ・ミミルグで行うのでこれはほぼジャマーされませんが、術を撃つための「新しい熱き何か」をジャマーされればそれまでの展開も全て無意味です。後手ならともかく、先攻1ターン目でも「バンザーイ」や魔物・パートナーの効果で意外とイベントカードはジャマーされます。イベントカードを通すにあたっては相手のジャマーを封じるという方法もありますが、より直接的で広い範囲に対応できる効果を持つキャンチョメ&キッド《うわぁぁぁぁ!》がいます。

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 ジャマーを防ぐことができるのはもちろん、ティオ《守りの陣》のように使用を封じる効果も無視してイベントを通すことができます。ステイ効果なのでチェリッシュなどの解除に弱いですが、ゴーレンによって対策ができています。

 

 

具体的な展開

 ということで実際どのように先攻ワンキルを決めるか解説していきます。それぞれの行動と、行動終了時のMPも合わせて流れを紹介します。使うページはゴーレンとミンフェイ・ミミルグ、めくった先が見開きミンフェイ・ミミルグ2枚となっています。

 

①スタートフェイズでめくってワンキルのページに向かう(先攻1ターン目はめくってもMPは増えません)…MP2

②ゴーレンを出し、効果使用。ミンフェイ・ミミルグでキャンチョメ、パルコ・フォルゴレ《イタリアの英雄》、ブラゴを出す…MP1

③ブラゴの効果を使用。フォルゴレの効果でMP+3、キャンチョメの効果でMP+2し、1枚めくる…MP6

④ミンフェイ・ミミルグでキャンチョメ&キッド、パティ、ナゾナゾ博士を出す…MP5

⑤キャンチョメ&キッド、パティの効果を使用…MP4

⑥ナゾナゾ博士の効果を使用し、「新しい熱き何か」から金色の超呪文を使用…MP3

⑥ミンフェイ・ミミルグでパムーン、パルコ・フォルゴレ《必死のフォルゴレ》を出す…MP2

⑦パムーンの効果でMPカウンターを4つ(この時点でゴーレン、ブラゴ、パティ、キャンチョメで4体)乗せる…MP6

⑨ブラゴ、金色の超呪文の効果で3ダメージ5回、パティの効果でかばえないようになったペンダラム・ファルガで15ダメージ…MP1

 

 全て決まれば相手の魔本を最終ページまで押し込むことができ、ほぼワンキルです。展開の流れとしては一例で、相手の盤面によっては展開の順番を変えつつ《必死のフォルゴレ》のところをウルル《やれやれだ》などにして対応も可能です。攻撃直後のページにはバルカン四代目、後半のページに「カードバトルforGBA」を配置することで相手の最終ページの術をほぼ受け切ることができ、そのままエンドフェイズを迎えることで勝つことができます。先攻1ターン目より後でワンショットを狙う場合はめくりでMPを増やすことができるため、フォルゴレの効果を自分のMP補充ではなく相手のMP枯渇に使って妨害に回すことで攻撃を通しやすくすることも狙えます。

 

 

構築

  ページ数   ページ数  
スタート     1 モモン《逃げの一手》
攻防 2 バンザーイ 3 キャンチョメ《あふれる希望》
攻防 4 ガッシュ・ベルVSティオ 5 アムロ
攻防 6 フライング・ビート 7 アムロ
攻撃 8 ゴーレン《悪夢》 9 ミンフェイ・ミミルグ
攻撃 10 ミンフェイ・ミミルグ 11 ミンフェイ・ミミルグ
防御 12 バルカン四代目 13 ナゾナゾ博士《賢者の謀》
めくり 14 ブラゴ《嘲笑》 15 パムーン《若さ故の過ち
めくり 16 パティ《涙のリグレット》 17 ウルル《やれやれだ》
攻撃 18 金色の超呪文 19 石の呪縛
防御 20 パルコ・フォルゴレ《イタリアの英雄》 21 オラ・ノロジオ
攻撃 22 最後の抵抗 23 キャンチョメ&キッド《うわぁぁぁぁ!》
攻撃 24 ペンダラム・ファルガ 25 ペンダラム・ファルガ
防御 26 パルコ・フォルゴレ《必死のフォルゴレ》 27 カードバトルforGBA
攻撃 28 僕の王様 29 パルコ・フォルゴレ《イタリアの英雄》
めくり 30 わたしのブラを離しなさい 31 新しい熱き何か
攻防 32 ペンダラム・ファルガ    
各種カード解説

 デッキが8個目ともなるとほぼ既出のカードばかりになってきました。初出のカードを紹介します。

ガッシュ・ベルVSティオ

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 ガッシュ・ベル《伝導のエレメント》を除去するために採用。ガッシュを含むVS魔物なら正直何でも良いのですが、今回はこちらを採用しました。理由をつけるとするなら、ティオには術・パートナー共に防御に優れており後攻を取った際ワンキル前に除去可能ならしておきたいということが挙げられます。また効果もそこそこ汎用性があり、相手のMPが6以上になった時MPを0にできます。相手の盤面にガッシュもしくはティオがいる前提ですが、こちらのようにワンキルしようとしている動きに対してMPを0にすることで妨害も可能です。

・ペンダラム・ファルガ

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 ワンキル時に使う方と違い、5回使用によって連続ダメージを出す術です。ワンキルで使わないならこの5回使用の方が優秀かと思います。「最後の抵抗」との相性も抜群で、0コストで10ダメージというガンズ・バウレンやガッシュ・ベルVSリオウもびっくりのコスパになります。

 

想定するターンの動き

 既に紹介したワンキルの動き以外について解説していきます。

・1〜5ページ目

 対面がテッド《ファイティングポーズ》、ガッシュ・ベル《伝導のエレメント》もしくは後攻の時使うページです。確定で先攻を取られるテッドの場合はもちろん先攻ワンキルは不可能です。また伝導をケアするだけなら2ページ目からワンキルに入れるよう配置しても良いのですが、後攻を取った場合やそれこそ相手がテッドスタートの時に完全に裏目になってしまいます。これらの状況に対応するためのページです。対面テッドの場合、相手は確実に先攻を取った上で撃ちたいイベントカードのある場合がほとんどです。そのため初手から使える「バンザーイ」でイベントをジャマーします。対面が伝導の場合、キャンチョメでページをめくった後ガッシュ・ベルVSティオで除去します。そのまま盤面に残しておくと展開の邪魔になるのと、キャンチョメはワンキルの際魔本をめくるという役割があるため、アムロンで2体とも回収します。

・6〜7ページ目

 このページも基本的には使いません。先攻取った上で対面が伝導だった時、やむなくこのページを使うといったところです。伝導を採用している構築は大抵2体目も採用しています。2体目が出てきた場合は前のターンにアムロンで戻したガッシュ・ベルVSティオをフライング・ビートで再び場に出して除去し、アムロンで魔本に戻します。自分のターン開始時に伝導が場にいないという状況を確実に作りたいためこのようなページ構成です。

・8〜11ページ目

 ワンキルのページです。前項で紹介した通り動きます。ゴーレンのみ現物をこのページに配置していますが、これは《自由人》対策です。先攻を取れず後攻からワンキルを狙う場合、先攻1ターン目でロップスと《自由人》を揃えられるとゴーレンを呼び出すことすらできなくなってしまいます。今のページから直接出すことでロップス諸共《自由人》を無効にし展開します。それ以外の妨害が揃っている場合は先にパティとウルルもしくは《必死のフォルゴレ》から出して、展開の障害となるカードを除去・無効化します。

・12〜13ページ目

 ワンキルが決まっていれば相手は最終ページです。相手の攻撃を確実に防ぐためバルカン四代目を出します。

・14〜17ページ目

 めくりページなので使いません。次のターンにむけてMPを補充します。

・18〜19ページ目

 金色の超呪文はこの手のプロモカードにありがちなゲーム中1回の制限がありません。めくってMPを確保した後、再び金色の超呪文からペンダラム・ファルガを撃ちます。このページを使っているということはゲームが続いているということであり、相手の魔物も展開されているということになります。厄介な魔物を石版状態にしたり、こちらの魔物を石版状態から回復させるために「石の呪縛」を使います。「石の呪縛」はスタンバイさせるだけでも強力な効果なのでとりあえず使い得です。

・20〜21ページ目

 22ページから「最後の抵抗」による攻撃のターンなので、ここをめくり飛ばされるのは避けたいところです。《イタリアの英雄》でMP確保しつつオラ・ノロジオで相手の攻撃を無効化します。バルカン四代目と「カードバトルforGBA」は貴重な防御手段なので極力温存したいです。

・22〜25ページ目

 キャンチョメ&キッドでジャマーされない状況にしつつ「最後の抵抗」を使用し、24〜25ページのペンダラム・ファルガを0コストで10回使用します。

・26〜27ページ目

 《必死のフォルゴレ》は既に使っている可能性が高いですが、余っている場合は妨害に使用します。次のページ以降めくられると魔本をもどす手段も無くなるので、「カードバトルforGBA」で防ぎます。

・28〜29ページ目

 「僕の王様」から「わたしのブラを離しなさい」を使用し、24〜25ページ目に戻って見開きのペンダラム・ファルガで攻撃します。このターンだけでも全ての行動を通そうとすれば11コスト必要なので、無理にコストをかき集めて10回撃つ必要はないと思います。まあ6回でも撃てればガンズ・バウレンと同じなので充分です。《イタリアの英雄》はお互いのMP、魔本の残りページ数を考慮して妨害に切るかこちらのMP補充に切るか判断します。

・30〜31ページ目

 めくりページなので使いません。《賢者の謀》から使う「新しい熱き何か」と、「僕の王様」から使う「わたしのブラを離しなさい」をここに配置します。

・32ページ目

 ワンキルに使用するペンダラム・ファルガの方が魔力は高いため、最終ページに配置します。

 

 

弱点およびそれに対するプレイングと改善点

 基本的にワンキルが通れば勝てる前提の構築なので、ワンキルを妨害してくる展開が厳しいです。前項でも述べた通り、ゴーレンと《必死のフォルゴレ》で妨害しつつワンキルを通すように構築を組んでいます。これらでも対策が難しい弱点について列挙します。テッドと伝導については重複するため省略します。

・キース《歓喜の歌》

 《歓喜の歌》を解除する方法は非常に限られており、実用性があるのはチェリッシュやリーヤVSザルチムといった相手の効果に関わらず使える解除効果です。これらのカードを使って《歓喜の歌》を解除する場合、ワンキルするにあたって場に残る点が問題になります。魔本のスペースやコストを考えるとアムロンを撃ちながら《歓喜の歌》下でワンキルを決めるのはほぼ不可能と判断しました。場を埋めないステイ解除としては何度か紹介したアース《修正する力》があります。このカードもまた魔物の効果が使えない時にも使用可能で、かつジャマーされないという優秀な効果を持ちます。しかし解除できるのは術・魔物の効果・パートナーの効果の使用を封じる効果のみで、イベントカードについては解除できません。そのため《修正する力》を使っても「新しい熱き何か」を使えずワンキルにはやはり届きません。ということでキース対面ではワンキルを諦め、1ターン目を渡してからワンショットを狙います。一応相手の妨害を越えるためのカードは色々用意しているのと、ターン経過とともに相手も魔本をめくっているので、15ダメージでワンショット可能なはずです。

・ステイ効果による無力化

 《歓喜の歌》が厳しいのにも繋がりますが、ステイ解除の効果を持つ魔物を採用していないため相手のステイ効果による無力化が辛いです。ごくたまにある2〜3ページ目に「およしになっておとのさま」が入っている構築だと完全に詰んでしまいます。特にパムーンに対して術使用不能のステイ効果をかけられるとかなり苦しい展開になります。最近チェリッシュを採用している魔本ばかり作っていたのでいざいなくなると偉大さを痛感しますね…。

・魔界学校の校長

 自分・相手のターンを問わず初手から魔物破壊できるカードはおそらくこのカードのみです。厄介な効果は《必死のフォルゴレ》で止める予定ですが展開終了後にフライング・ビートなどからこのカードが飛んできてパムーンが取られるとかなり厳しい展開になります。フライング・ビートなど展開系の効果を持つカードが相手の場に出た場合、先に《必死のフォルゴレ》を構えておく必要があります。

 

 

おわりに

 テッド、キース、伝導、初手およしなど止まる条件はそこそこありますが、それ以外ならほぼワンキルが決まります。作る前は止まる条件結構あるせいでまああんま決まんないだろ…って思ってましたが実際作ると思ったよりハードルは高くなく、ガッシュカードにおけるワンキルはネタじゃないなと感じました。今後魔本を作るときはワンキルもケアして作ろうと思います。

 毎回言ってそうな気がしてきましたがいよいよネタが尽き始めてきました。前回も述べたようにゼオンSとか、ウォンレイ+レイラとか、石版魔物とか、気になるテーマはあるにはあるんですが大体先人が良いデッキ作ってるんで二番煎じになりがちです。ただ劣化のデッキ作っても面白くないので何とか新規性を見出しつつ構築を考えていくとどうしても時間がかかってしまいますね。論文書くときもみんなこんな感じなのかな。まあこのデッキもバベルガワンキルの劣化といえばそうなんですが、ギリ攻撃回数の多さで差別化できているということでなんとか許されたい………。そろそろガッシュカードを始めて1年が経とうとしていますが、この間手に入れた銀の魔本にふさわしいデッキを1年の集大成として作りたいところです。

 ポケモンカードはCL以来全くやってませんが、シティがそろそろ近いので次はその記事になりそうです。何故か結局いまだにサーナイトが強い環境のようで全くやる気が起きません。なんかロケット団のカードはたくさん出ましたがトレーナーのポケモンはもう出ないのでしょうか。正直もうフライゴンexしんどいから早くキバナのフライゴンex来てくれ……頼む……。ということでまた次回の記事で。それでは〜〜〜〜〜。

 

 

【ガッシュTCB】ウォンレイビートダウン

 

 Switch2が配信にて発表されている最中、discordで初心者の方にどのタイミングでなら石版ロックをぶつけて良いかについて議論を交わしていました。どうもゆっけです。抽選応募の条件は余裕で満たしているとはいえスプラ3ですらほぼやらなくなった俺が果たして買う意味あるのか…いやでも買わない理由も無いな…スプラ4出るかもしれないし…。今回はタイトル通り新しい魔本ができたので更新です。ちなみにポケカのモチベは完全に無くなりました。環境が激変して2進化がもう少し息しやすくなるか、新規のフライゴンが収録されたらやると思います。

 

 

 

 

コンセプト

 今回のテーマはずばり、ストレージにウォンレイSが眠ってるのはもったいないので使おう」です。

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 一番最初に作ったデッキであるブラゴビートダウンに入っていたカードではありますが、石版状態の強さを知りキャンチョメSに枠を譲る形でデッキから抜けていったカードです。単体性能としてはかなり強いのに使ってないのもったいなさすぎにつき今回はウォンレイSを中心にデッキを考えていきます。またもうひとつの目標は、「突然の石版状態付与や魔物破壊に屈しない」ということです。最近ギミックの面白さを求めるばかりで、最低限のケアはしているものの突然のデモルト《咆哮》による魔物破壊やゴーレンでなくとも「石の呪縛」による石版状態付与で盤面を崩されて苦しくなったり負けてしまうこともぼちぼちありました。ここらでもう一度堅いデッキを作ってみようということで考察を始めます。

 

 

ギミックの詳細

ウォンレイSの性能の再確認

 ウォンレイSは「場にある」効果で自分のMPを枯渇から守り、自分の場のカードを破壊から守り、自分の魔本のページをめくりから守ることができます。1枚でここまでメタを張れるカードはそれこそほぼ同じ効果を持つウォンレイ《愛のために》を除いて存在しません。ウォンレイSが場にあるだけで攻撃以外に勝ち筋を見出しているコントロールデッキのコンセプトを全て否定し、ビートダウンの土俵に持ち込むことができます。

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 同じ効果を持つウォンレイ《愛のために》と比較すると、S魔物であるという点で大きく劣ってしまいます。カードの効果によって呼び出せないため、効果やスタートフェイズの処理によるめくりで12ページ目に早く辿りつく必要があり、進化元であるウォンレイも別途用意しつつそのウォンレイを守る必要があります。これは自身とリィエン《呪いの床》(このリィエンに限るわけではありませんが採用されるとすればほぼこのリィエンでしょう)を場に出すだけで守りが成立する《愛のために》と比べるとかなり手間がかかってしまいます。しかしながら一度ウォンレイSが場に出てしまえばウォンレイSの方が優秀な点は多いです。S魔物であるため進化元の効果も使うことができ、《愛のために》と異なりリィエンがついているかどうかは効果の発動に関係はないため《呪いの床》以外のリィエンを自由に使うことができるという2点です。《愛のために》はメタとして有力なゾフィス《偽りの言葉》やココ《旧友の叫び》によってリィエンを除去されて効果を失ってしまいますが、リィエン無しで効果を発揮できるウォンレイSなら関係ないところも良い点です。ウォンレイSをメインに据えるならこれらの利点を活かして構築を組むべきでしょう。

 またキャンチョメSと比較するとウォンレイという魔物は攻撃術を多く持ち、1枠でメタとアタッカーを両立できるという利点を持ちます。ブラゴビートダウンで例えるならキャンチョメSとブラゴをウォンレイであれば1枠で担えるということです。またキャンチョメSと異なり魔物とパートナー以外のカードも守ることができ、MP枯渇や魔本めくりにも耐性があるためこちらのプランを通しやすいという利点もあります。ただキャンチョメSと同様に効果を封じられると守りが崩れてしまう点や、キャンチョメSなら防ぐことができる石版状態付与も防ぐことができません。ウォンレイで魔本を組むなら石版状態付与をどう防ぐかという点が最大の壁になるでしょう。

 

目指す盤面

 ということで最終的に作りたい盤面を考えます。満たしたい要素として前項で述べた通り、

①石版状態付与への耐性

②効果の無効化への耐性

 この2点です。①についてはイベントカードでの対策を取るとすれば「目を開けて」が採用候補でしょう。

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 ジャマーされないという効果をカード自体が持つため、イベントカードを使えないという状況でなければほぼ確実に石版状態から復帰することができます。しかしイベントカードであるせいで防御ページをこのカードに割かねばならず、構築の自由度は下がってしまいます。またゴーレン《悪夢》やディオガ・ゴルゴジオは相手のターン中しか飛んできませんが、スタンバイさえさせておけば任意のタイミングで飛んでくる「石の呪縛」に対しては「目を開けて」は無力です。そのため可能な限り盤面で石版状態付与をケアしたいところです。盤面でケアするとすればブラゴビートダウンでも採用したキャンチョメSが採用候補になりますが、ウォンレイSとやや効果が被る点や、S魔物を2体採用するとなると魔物の枠が圧迫されたり展開が難しいなどのデメリットもあります。ジャマーで石版状態付与を対策するという案もありますが、魔物の効果、術の効果、イベントカードの効果と様々な形で飛んでくる石版状態付与をジャマーのみで対策するのはかなり困難です。しかし、ジャマーによって全ての石版状態をケアできるカードを発見しました。それはキャンチョメ《あいつは僕が倒す!》です。

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 このカードは面白い効果を持ち、魔物1体を対象とする効果を自身に処理しなおすというものです。「使用を宣言する→」効果なのでMP消費もありません。何より優秀なのはカードの種類を問わないという点です。大体ジャマー効果を持つカードはその対象をカードの種類によって限定されていますが、このキャンチョメは効果の内容が限定されている代わりにカードの種類を問いません。そのため《悪夢》、ディオガ・ゴルゴジオ、「石の呪縛」、どの種類の石版状態付与が飛んできても対応可能というわけです。それだけならキャンチョメSの方が優秀なのですが、キャンチョメSやウォンレイSでは防げない耐性貫通の除去をこのキャンチョメなら防ぐことも可能です。

 しかしこのキャンチョメ単体ではキャンチョメ自身が石版状態になることを防げません。ウォンレイSの効果が発揮されていればMPは減らないので自分のターンのエンドフェイズ時の処理でMPを払って健康状態に復活できますが、それでは前述の通り自ターン中の相手の「石の呪縛」による石板状態付与を防ぐことは不可能です。フォルゴレには優秀なカードが多く、その中でも《無敵の男》はキャンチョメが石版状態になることを防ぐことができ、この組み合わせで相手の石版状態付与を完全にシャットアウトできます。

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 ただ欠点を挙げるとすれば、他の優秀なフォルゴレを併用できないという点です。特にフォルゴレには相手の魔物とパートナーの効果を同時に無効化する当ブログではおなじみ《必死のフォルゴレ》がいるため、ぜひこのフォルゴレは使いたいところです。どうにかしてこのフォルゴレを使いつつ、石版状態からキャンチョメを復帰させたいところですがこの役割にぴったりのカードが存在します。それがバルカン三代目です。

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 改良前のブラゴビートダウンで採用していたカードですが、このカードはつけている魔物が石版状態であっても効果を発揮する珍しいカードで、エンドフェイズ時に健康状態になることができます。自ターンかどうかは問わない効果であるため、相手ターンのエンドフェイズ時に自動で復帰して自ターン中にウォンレイSを石版状態付与から守ることが可能です。ウォンレイSがいる限り基本的にはバルカン三代目も守ることができるのでそこも好相性です。《必死のフォルゴレ》と組み合わせることで相手のディオガ・ゴルゴジオ+《悪夢》による二重の石版状態付与コンボも防ぐことが可能になります。

 ②については、効果の無効化はおよそステイ効果であることが多いので、毎度おなじみチェリッシュが候補に上がります。チェリッシュの優秀な点は相手の効果に関わらずステイ効果を取り除けるところですが、「場にある」効果での無効化には無力です。無効化に対してほぼ全ての状況で対応可能なのは前回も紹介したレイラ《本物の力》です。ウォンレイS、レイラにパートナーがついている状況なら石版状態付与とゾフィス《偽りの言葉》以外の全ての状況に対応可能です。「場にある」効果なのでジャマーによる無効も考える必要がありません。またレイラは優秀な術であるミベルナ・マ・ミグロンも使用できるため終盤の殴り合いにとても強いです。

 チェリッシュとレイラを両採用できれば理想ですが魔物の枠は3体までなので、キャンチョメを採用する以上どちらかを不採用にする必要があります。ビートダウンに持ち込む以上、攻撃を通しやすい状況を作れるかというのも評価のポイントになりますが、その点ではやはりチェリッシュが優れていると言えます。攻撃を防ぐ手段として、術の使用そのものを封じたり、ターン中ダメージを受けない効果を使用したりする方法がありますがこれらはほぼステイ効果である場合が多く、チェリッシュによる解除が可能です。またチェリッシュのパートナーであるニコル《男装》が非常に優秀です。

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 任意のパートナーを呼び出して準備することができるため、前述の《必死のフォルゴレ》を好きなタイミングで使用することができます。レイラのミベルナ・マ・ミグロンも同様に相手の効果を封じることができますが、上級術であるため使えるのは終盤のみです。今回は攻撃時に相手の妨害を解除することができ、またニコルとフォルゴレの相性の良さを評価してチェリッシュを採用することにしました。ただ、やはり天敵となるゼオンS《絶望へのスタート》をレイラなら完全に超えることができるため、いずれウォンレイ+レイラの組み合わせも考えたいところですね。まあゴーレンとゼオンS、どっちと遭遇する確率が高いかと言われればおそらくその汎用性の高さからゴーレンであると思われるため、レイラの採用を見送りました。またありもしない環境のこと考えてるよこの人……。

 

 

構築

  ページ数   ページ数  
スタート     1 チェリッシュ
攻防 2 黒い覇道 3 キャンチョメ《あふれる希望》
攻防 4 ニコル《男装》 5 フライング・ビート
攻防 6 黒い覇道 7 魔界学校の校長
攻防・めくり 8 ゼオンVSガッシュ・ベル 9 パルコ・フォルゴレ《必死のフォルゴレ》
攻防・めくり 10 ウォンレイ《カンフーキック》 11 パルコ・フォルゴレ《もげ!》
攻撃 12 新たなる戦い 13 ウォンレイS《この笑顔を…》
防御 14 ゴウ・レルド 15 バルカン三代目
攻撃 16 共闘 17 パルコ・フォルゴレ《イタリアの英雄》
攻撃 18 ガンズ・バウレン 19 ガレ・コファル
防御 20 リィエン《罪滅ぼし》 21 バルカン四代目
攻撃 22 最後の抵抗 23 リィエン《姿見えずとも》
攻撃 24 ガンズ・バウレン 25 ガンズ・バウレン
防御 26 卵焼きで朝食を 27 パルコ・フォルゴレ《必死のフォルゴレ》
攻撃 28 わたしのブラを離しなさい 29 カードバトルforGBA
めくり 30 キャンチョメ《あいつは僕が倒す!》 31 モモン《逃げの一手》
攻防 32 ラオウ・ディバウレン    
各種カード解説

 既出のカードも多くありますが、久しぶりの採用も多いため解説していきます。

・ウォンレイ《カンフーキック》

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 ウォンレイSの利点のひとつとして進化元の効果も使えるという点があります。《愛のために》単体だと薄くなるような対面に強く出れるウォンレイを選びたいところですが、大体盤面が堅いデッキは格闘効果に弱い傾向があります。この弱点を補うために採用。「使用を宣言する→」効果なのでMP消費もなく、また自ターンかどうかも問わないため除去効果としては非常に優秀です。

・パルコ・フォルゴレ《もげ!》

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 捨て札にすることで相手のパートナーを除去できます。デュフォー《違う景色》よりも除去範囲は狭いですが、汎用性が高く優秀なカード。何よりニコルとの相性が良く、先にニコルの効果で場に裏側で出しておけば《必死のフォルゴレ》と併用できます。基本的に同名カードの効果はターン1制限があるため、例えば相手の場に展開を阻害するパートナーと別の魔物がいる場合《必死のフォルゴレ》1枚では対応が難しいです。しかしこのカードと組み合わせることで魔物の効果を封じつつ別のパートナーを除去するという立ち回りが可能です。また《必死のフォルゴレ》はステイ解除に弱いですがこのカードなら除去なので解除関係なく相手の妨害札を処理できます。相手が除去耐性を持っている場合は《必死のフォルゴレ》が有効になるため盤面に合わせて使い分けることが可能です。

・ゴウ・レルド

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 ウォンレイSによってビートダウンに持ち込むことができるため、相手との殴り合いには強くしたいです。イベントカードによって相手の攻撃を防ぐ方法も悪くないですが、相手のジャマーやそれこそチェリッシュのようなステイ解除に弱いです。防御術であればジャマーされることも少なく、また相手ターン中に術の使用を封じられることもほぼなく、封じられたとしてもチェリッシュで解除できるもしくは封じる効果自体をキャンチョメで吸える状況がほとんどなので、防御の手段としては非常に優秀です。ウォンレイSと組み合わせれば合計魔力は13000となり、最終ページの術を除けばほぼ全ての術を防ぐことができます(相手のアタッカーがガッシュやブラゴなど元々の魔力がそこまで高くない魔物なら最終ページの術も防げますが、ゾフィスやゼオンなど元々の魔力が高い上に術の魔力も高い魔物相手だとゴウ・レルドですら厳しくなります)。防御術あるあるですが魔力計算に勝てば相手の術の効果を無効にできるため、ディオガ・ゴルゴジオも無効にできる点が非常に優秀です。お互いに中級術であるためほぼタイミングを逃すこともなく、確実に石板状態付与を防ぐことが可能です。キャンチョメとフォルゴレも組み合わせれば、《悪夢》の効果をフォルゴレが、「石の呪縛」をキャンチョメが、ディオガ・ゴルゴジオをゴウ・レルドが無効化し、おそらく1ターンにできる最大回数である3回の石版状態付与を防げます(それでも相手のアクションの順番によっては通される時もあります)。後述するリィエン《姿見えずとも》との相性も非常に良く、確実に相手ターンでゴウ・レルドによる防御が可能です。

・共闘

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 見開きの術のダメージを+1する効果を持ちます。術による攻撃をする場合、かばうことができない状況にするか連続攻撃をするかのどちらかであることが多いです。今回は連続攻撃の方を選びましたが、この弱点として一発のダメージが少ないため相手に魔本で受ける選択肢を与えてしまい、1ダメージなら相手にとって有利なめくりになってしまう場合があります(前回紹介したガッシュ・ベルVSリオウも非常に強力ですがここが弱点と言えるでしょう)。この弱点をカバーするために採用。特に連続攻撃との相性は抜群であり、単発攻撃なら単にダメージ+1ですが、連続攻撃なら実質的に使用回数分ダメージが加算されることになり相手の盤面や魔本に相当の負荷を与えることができます。ダメージ加算はステイ効果であるため、相手の解除には注意が必要です。チェリッシュやリーヤVSザルチムは優秀ですがターン1の制限があるので、《必死のフォルゴレ》を先に使用しそちらをブラフにして「共闘」の効果を通すような立ち回りも必要かもしれません。

・ガンズ・バウレン

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 この魔本のメインとなる攻撃手段。前述の通り攻撃するならかばわせないか複数が必須であるこのガッシュカードにおいて、3回攻撃は非常に優秀です。術で押していく場合、障壁となるのが相手のバルカン四代目です。かばえない状況下でもかばうことができるためどんなにダメージの大きい術でも無条件で2回防がれてしまいます。ダメージの大きさではなく回数で勝負した方が相手のバルカン四代目に対しては有効です。

・ガレ・コファル

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 2コスト1ダメージ3回攻撃と性能だけなら完全にガンズ・バウレンの下位互換なので不採用になるカードですが、「共闘」の条件は使用する魔物の異なる術が見開きにあることなのでこれを満たすために採用。ガンズ・バウレンが優秀なだけで3回攻撃という点はそこそこ優秀です。「共闘」と組み合わせることで合計6コスト6ダメージとなり最低限のコストパフォーマンスになります。ガンズ・バウレンと組み合わせれば9コスト12ダメージなので悪くないコスパになります。MP消費が激しくなるページにはなりますが、相手のMP枯渇の効果を受けずコストを確保できるウォンレイなので取れる戦法でしょう。

・リィエン《罪滅ぼし》

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 これも以前のデッキで採用していたカードです。単体で見れば1:1交換なのでアドはそこまで大きくないですが、ガッシュカードにおいてイベント権を使わず、また対象をしていせずにサルベージできる効果はとても優秀です。バルカン四代目を再利用できる点も相手の攻撃に対して強く出れるようになるためグッド。再利用の対象としては《必死のフォルゴレ》も強力です。モモン《逃げの一手》を封じられた状態で捨てられたあらゆるカードもこのリィエンで回収できます。

・最後の抵抗

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 見開きのコスト3以下の術をノーコストで撃てるようになる便利カード。「共闘」のようにダメージアップの効果は無いですが、0コスト6回攻撃は破格のダメージ量です。コストを下げる効果はやはりステイ効果なので、解除には注意が必要です。

・リィエン《姿見えずとも》

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 ターン中にその前のページのウォンレイの術を使用できます。前述の通りゴウ・レルドとの相性は抜群。ウォンレイには攻撃術が多いためできればガンズ・バウレン以外の術を前のページに仕込んでガンズ・バウレンと共に撃ちたいところですが、どの攻撃術もいまひとつの性能であったので今回はほぼ任意のタイミングでゴウ・レルドを撃つための採用です。あと追加で1回だけガンズ・バウレンを撃ちます。

・モモン《逃げの一手》

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 ウォンレイで唯一守れない魔本の中のカードを守るために採用。盤面完成前にキーカードを落とされると厄介なので魔本破壊対策は必須です。他の候補としては「ティオのパンツ」があります。それぞれ差別化点はありますが、イベントカードである「ティオのパンツ」はジャマーを受けること、イベントカード対策に引っかかってしまうこと、1ターンに1回しか使えないこと、ピンポイントメタである「パンツが為に」での除去の可能性があることを考慮し、今回はモモンの採用に至りました。

ラオウ・ディバウレン

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 ウォンレイの上級術の中では最も強力な効果を持つカード。かばった魔物を捨て札にし、かばわれたとしても2ダメージを貫通させることができます。捨て札にする効果は耐性によって無効化されることも多いですが、優秀な点は貫通ダメージです。終盤の2ダメージはとても重たく、またこの貫通ダメージはかばうことができないため、防御されなければほぼ確実に2ダメージ与えることができます。天敵となるのはバルカン四代目で、魔物ではないためかばっても捨て札にならず、貫通ダメージもかばうことができます。この術を通すためにも中盤以降でガンズ・バウレンでバルカン四代目には負荷をかけておきます。

 

想定するターンの動き

・1〜5ページ目

 チェリッシュ→キャンチョメ《あふれる希望》のいつもの展開です。正直これ以外思いつかなくなりました。アルベール《いくぜレイラ》やフォルゴレ《世界のスター》にキャンチョメを止められないように「黒い覇道」もキャンチョメと同じ見開きに配置します。キャンチョメを先に使うと当然「黒い覇道」が使えなくなるので相手のアクションを待って除去が必要か判断してから動きます。めくった先でニコルを出し、《必死のフォルゴレ》を出して準備しておきます。フライング・ビートは大体ゼオンVSガッシュ・ベルを呼び出すために使用し、展開阻害となるガッシュ・ベル《伝導のエレメント》の除去に使います。

・6〜7ページ目

 2枚目の「黒い覇道」で相手の妨害札を除去します。チェリッシュが除去されたとしても後々リィエン《罪滅ぼし》で回収できるためサルベージ手段としての魔界学校の校長は極力温存したいです。ウォンレイSの進化元である《カンフーキック》を除去されると厳しいため、基本校長はこのケアのために使用します。逆に次ターンでの展開阻害になる魔物に対しては積極的に使用したいです。

・8〜9ページ目

 基本的にはめくりページです。相手の妨害によってゼオンVSガッシュ・ベルを呼び出せなかった時、《伝導のエレメント》を早期に除去するためこのページに配置します。このデッキにおいてVSゼオンは天敵である相手のゼオンS《絶望へのスタート》を除去するという重要な役割があります。進化元のゼオンを処理するだけでは容易に復帰されるため可能ならゼオンSになってから処理したいところですが、ゼオンSが出てくる頃にはこちらの盤面も完成し埋まっている可能性が高いです。そのため、ゼオンSによる耐性貫通の除去を《あいつは僕が倒す!》で吸って場を空けた後、こちらのVSゼオンで除去するという立ち回りを狙っていきたいです。

・10〜11ページ目

 基本的にはめくりページです。後攻を取った場合は後攻1ターン目のめくりでここまでしかいけません。盤面で除去のケアができていれば敢えてこのページまでめくって《カンフーキック》を出し、次ターンの最初のアクションでウォンレイSを出すという立ち回りもいいかもしれません。盤面によっては《もげ!》で妨害札を除去します。

・12〜13ページ目

 展開のページです。「新たなる戦い」で盤面に残っている《あふれる希望》やゼオンVSガッシュ・ベルをどかしながら《あいつは僕が倒す!》、《カンフーキック》を場に出します。相手の盤面に展開を妨害するジャマーやアポロ《自由人》、ココ《膠着》などのカードがあれば《必死のフォルゴレ》で効果を封じたり《もげ!》で除去しておきます。経験上このタイミングでイベントカードによるジャマーが飛んでくることはそんなに無いですが、飛んできたら泣きましょう。《カンフーキック》を出した直後ウォンレイSに乗る前に石版状態になったとしてもウォンレイSに乗る際に回復できるため、敢えて石版状態付与を《あいつは僕が倒す!》で吸わずに《カンフーキック》で受けてからウォンレイSに乗るという立ち回りをします。

・14〜15ページ目

 相手の中級術に対応するため、ゴウ・レルドをこのページには配置します。ここまででまだ攻撃はしていないのでコストが減る効果は使えませんが、ここまでの展開でMPもあまり使っていないためそこまで問題にはならないです。ウォンレイSが場に出ており除去されないタイミングでバルカン三代目をキャンチョメにつけます。相手が「石の呪縛」を先にスタンバイさせている場合、アクションの順番によっては効果を通されるのでこの場合はバルカン三代目をウォンレイSにつけるべきかを検討します。

・16〜19ページ目

 「共闘」でたたみかけるターンです。MPを9消費することになるので残りMP次第で《イタリアの英雄》でMPを補充します。ここで相手のバルカン四代目を消費させることができればいい展開です。連続攻撃中はめくり先のページを使われる可能性があるためフォルゴレによる妨害は構えておきます。

・20〜21ページ目

 バルカン四代目を場に出して相手の攻撃に備えます。《罪滅ぼし》は盤面によって使うか検討が必要です。多くの場合《必死のフォルゴレ》の使い回しになると思います。ニコルによる呼び出しができれば《姿見えずとも》を呼び出してゴウ・レルドによる防御も可能です。先に《姿見えずとも》をつけるとこれは「場にある」効果なので《罪滅ぼし》が使えなくなります。ゴウ・レルドが必要な場合は先に《罪滅ぼし》を使ってサルベージしてからにします。

・22〜25ページ目

 「最後の抵抗」から0コストでガンズ・バウレンを撃つターンです。《姿見えずとも》も合わせて7回攻撃が可能です。

・26〜27ページ目

 次のターンMPが必要なので、「卵焼きで朝食を」でMPを補充します。厄介な相手の魔物やパートナーの効果は《必死のフォルゴレ》で止めます。相手の攻撃は《姿見えずとも》からのゴウ・レルドやバルカン四代目、場合によっては次ページの「カードバトルforGBA」で止めます。イベント権をどちらに切るかは残っているMPや相手の動きに合わせる必要があるので、相手のアクションを見てからこちらもアクションします。

・28〜29ページ目

 「わたしのブラを離しなさい」でガンズ・バウレンのページに戻ることで再び7回攻撃をしかけます。ページがこれ以降めくられてしまうと戻れなくなってしまうので、ゴウ・レルドやバルカン四代目で防ぎきれなかったダメージは「カードバトルforGBA」で防ぎます。

・30〜31ページ目

 呼び出しのためのページです。

・32ページ目

 ラオウ・ディバウレンを撃つ前に《姿見えずとも》からのガンズ・バウレンでこづきます。ラオウ・ディバウレンがかばえない貫通ダメージ持ちなので終盤の1ダメージはかなり重要です。

 

弱点およびそれに対するプレイングと改善点

・「場にある」効果での無効化

 チェリッシュによってステイ効果での無効化には耐性を持つことができていますが、「場にある」効果での無効化には弱いです。「場にある」で無効にしてくる魔物自体が貴重で、およそレイラ《堕ちたものね》、エルザドル《気高き目》、カルーラ《薔薇の戦士》、これらが挙げられます。レイラに対しては、単発の効果による負傷状態付与であれば《あいつは僕が倒す!》+バルカン三代目で防ぐことができ、《カンフーキック》の状態からならウォンレイSになることで負傷状態から復帰して効果を発揮できます。「すってんころりん!」を序盤に撃たれる分には、前述の通りバルカン三代目やウォンレイSになることでケアできます。エルザドルに対しては、《必死のフォルゴレ》で相手の盤面でのジャマーを封じつつチェリッシュで解除することでエルザドルへのバフを取り除きます。エルザドルのバフ1回ならウォンレイSは効果を問題なく使えるため、それ以上のバフを許さないように立ち回ります。カルーラへの対策が最も難しく、前者2体の魔物と異なり場に石版魔物が3体揃あだけで効果を発揮できます。《必死のフォルゴレ》でカルーラを止めつつ、連続攻撃で盤面に圧をかけていくしかありません。《必死のフォルゴレ》による妨害も、相手がパートナー除去に優れた石版魔物を採用していれば厳しい展開となるでしょう。除去も有効な対策手段になるので、魔界学校の校長も積極的に使用します。

ゼオンS《絶望へのスタート》

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 当記事でも既に何度か言及しましたが、破壊耐性を持つ盤面に対して強く出てくるカードです。「場にある」効果であるためジャマーも効かず、かといってこちらがずっとステイ効果でゼオンSの効果を封じ続けられるわけではないので苦しい立ち回りを強いられます。前項でも述べた通り、ゼオンSになったタイミングを狙って相手の魔物破壊をキャンチョメで吸いつつ、空いた盤面にVSゼオンを出して除去という流れが一番スムーズかなと思います。ゼオンが相手の盤面に見えた時はフライング・ビートからVSゼオンをいつでも呼び出せるように相手のビッグ・ボインやアポロ《自由人》は積極的に除去します。

・コルル《禁断の呪文》

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 コルループの際に紹介したコルルですが、MP枯渇とは違うアプローチでリソースに関与してくるカードです。以前から述べているように「n回使える術」と「n回ダメージを与える術」では1回の妨害では止まらない前者の方が基本的には優秀だと考えていますが、このコルル対面では話は別です。ガンズ・バウレンは1コストであるが故に優秀なのであって、コルルがいると9コスト3ダメージ、ガレ・コファルに至っては12コスト3ダメージと最悪のコスパになってしまいます。《必死のフォルゴレ》で効果を封じた上で術を使っていきたいですが、相手の場にステイ解除できるカードがあったり、他にも止める必要のあるカードがあった場合は苦しい展開になります。

・ダメージ軽減

 ガッシュカードの中には「ダメージを1減らす」「3ダメージ以下のダメージを受けない」といったダメージ軽減の効果を持つ魔物が存在します。ガンズ・バウレン、ガレ・コファルは共に3回攻撃の代わりに1ダメージであるため、これらの魔物の効果によって攻撃を無効にされてしまいます。コルルの時のように《必死のフォルゴレ》で無効にした上で攻撃していきたいですが、ステイ解除があるとやはり苦しいでしょう。

・ステイ解除

 上記の弱点ひとつだけならそこまで困ることはありませんが、妨害や攻撃をステイ効果に依存している以上そこを解除してくるカードも組み合わさってくると面倒になってきます。特にチェリッシュやリーヤVSザルチムといった無条件でステイ解除してくる魔物がいるとこちらの妨害や攻撃が通りにくくなるため厳しい展開になります。

 

 

おわりに

 実はキャンチョメ《あいつは僕が倒す!》はゴーレン《悪夢》と同じ弾にて初登場です。言われてみればこのキャンチョメ、千年前の魔物編でポルクを存分に活かして勝利した時のイラストなので収録時期が同じなのは納得なのですが、まさかゴーレンと同じ弾でメタとなるカードが収録されているとは思いませんでした。実際ストレージボックスに眠ってたカードなので、このカードを活かして構築を組めたのは嬉しいですね。とりあえず目標だった「ウォンレイSを使う」「石版状態付与や魔物破壊に屈しない」という点は達成することができたのではないでしょうか。

 石版魔物の構築も組みたいところですが、何回考えても第6回魔界王決定戦ミドルクラス優勝構築のカルーラ+ニンニン+レイラ&ビクトリームという組み合わせ以上に優秀な盤面を思いつくことができず、劣化の構築にしかならなさそうだな…ということであまり考察が進んでいません。最近気になっているのは今回の記事でも何回も言及したゼオンS《絶望へのスタート》と、今まで作ったことのないワンターンキルです。あと今回は採用を見送りましたがウォンレイ+レイラという組み合わせ自体は非常に強力なので、いつか形にしたいですね。多分次の更新はどれかの記事になりそうです。それでは〜〜〜〜〜。

 

 

【ガッシュTCB】マグネシド・デュランガループ

 

 ガッシュカード戦士の皆様、日々の考察お疲れ様です。最近僕の身の回りでもガッシュカードを対面でやってくれる方が増えて感無量です。次のシティもだいぶ先なので今回は6冊目となる新たな魔本の記事です。暇つぶしに読んでいってください。

 

 

 

 

コンセプト

 ガッシュカードの構築を考えるにあたって最も楽しい時、それはループのギミックを考えている時だと僕は思います。ポケモンカードにおいては昔のレギュであればポケモンカードでもループができましたが(ワザ「リソースマネジメント」のヤレユータンとか特性「きえさるつばさ」のピジョットVとか)、現在のレギュではあまり現実的ではありません。またできたとしても能動的にサイドを取る手段や山札を削る手段が無いものも多く、欠陥を抱えた構築も見られました。そんな中でガッシュカードはポケモンカードよりもループを作りやすく、また能動的に勝つ手段も用意しやすいため、この要素はかなり好みです。簡単かつ強力で有名なループとして以前も紹介した「やさしい王様」+「手をつないで…」がありますが、「やさしい王様」が入手困難なプロモカードであるため非現実的です。「やさしい王様」抜きでの再現性が高いループを構築したくなるのがデッキビルダーの性です。そうして生まれたのが以前紹介したジェム《大好きよ》+「人工呼吸」やコルループでした。

 しかしガッシュカードのループのシステムとして大きな問題となるのが、高嶺清麿《王になれ》を越えることができないという点です。「やさしい王様」+「手をつないで…」もジェム《大好きよ》+「人工呼吸」もコルループも、全て捨て札のカードを再利用するという点で共通しています。つまり捨て札利用を封じる《王になれ》を捨てられた時点でループが不可能になります。そのためループというギミックは決まれば強いですが、ギミックを構築する時点で相手の《王になれ》を諦めていると言っても過言ではありません。そのため今回は《王になれ》に屈しないループというコンセプトで構築を考え始めました。

 

 

ギミックの詳細

《王になれ》に屈しないループとは

 ということで新しいループのギミックを考えていきます。以前の記事でも紹介したように《王になれ》は対策が非常に難しいカードであり、対策できなくもないですが著しく汎用性を損なう方法しかありません。《王になれ》を対策するのではなく《王になれ》が無意味、つまり根幹のギミックに捨て札を利用しない方法を検討すべきです。ただ魔本もどしはそれだけでかなり強力な効果であるため、簡単に連打できないよう捨て札にしたり、ゲーム中1回しか使えない制限がある場合がほとんどです。なんとか捨て札を経由せず、ゲームを通して連打できるカードを探すと2枚の候補が見つかりました。それは「グルービー!」マグネシド・デュランガです。それぞれ紹介していきます。

・グルービー!

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 ダメージを与えるだけというかなり緩い条件で魔本もどしが可能です。そのためダメージを与えやすい連続攻撃の術や効果での攻撃(界隈では術ではない攻撃の効果を格闘効果と呼びます)と非常に相性が良いです。欠点があるとすればイベントカードであるため、ループする前提ならイベント権をこのカードに毎ターン切らなければならず対応力に乏しいという点です。魔本もどしの前提としてダメージを与える必要があり、そうなると「いも天に感謝」や「最強の意地」などの攻撃を封じる効果やシェリー《試練の成果》のような攻撃を無効化する効果にも弱いため、これらへの対策は必須であると言えるでしょう。その上でこのカードはイベントなので、相手が用意しているであろうイベント対策のジャマーもケアしなければいけません。またバルカン四代目でかばわれた場合は魔物か相手という対象から外れているため魔本をもどせません。

・マグネシド・デュランガ

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 こちらも魔力勝負に勝った時というかなり緩い条件で魔本もどしができます。実は地味に「魔力勝負に勝った時」と「ダメージを与えていれば」という条件には差があり、これは前者の方が優秀です。ガッシュカードには防御手段として「ダメージを受けない」という効果を持つカードがそこそこ存在し、これは「グルービー!」の妨害になり得ます。しかし条件が「魔力勝負に勝った時」ならばダメージの有無に関係なく魔本をもどすことができます。そもそもバトルの処理で魔力勝負の計算→ダメージという順番になっているため、より先に処理される「魔力勝負に勝った時」が優秀であるのはある意味自明であるとも言えます。また「グルービー!」と異なり術単体で魔本もどしが可能であるため、イベントカードがギミックに無い分ジャマーしにくくなっているのもやや優秀な点です。ただ術である以上、術者であるマエストロの採用が必須であるという点で自由度が下がっています。そして圧倒的なデメリットとして最後のページでなければ効果を発揮できないという点があります。最後のページであればコスト0で使用できますがそれ以上に背水の陣で闘い続けなければいけないというデメリットが大きすぎます。しかし、ガッシュカードには最後のページであれば強力な効果を発揮するカードが存在するため、それらと組み合わせる必要があるでしょう。

 

 両者とも面白い効果ですが、今回は「イベント権を使わない」「ほぼ同じ条件でありながら微妙にジャマーされにくく効果も通しやすい」ということでマグネシド・デュランガをギミックの中心に据えることにしました。

 

ループ時の盤面

 マグネシド・デュランガを使う前提であるのでマエストロの採用は必須です。そこで残りの2体の魔物について考えていきます。最後のページで構える以上、1発でももらえば負けてしまいます。そのため相手のあらゆる効果・攻撃に対して抗える盤面にしなくてはなりません。まず採用を決定したのはガッシュ・ベル《不屈の闘志》です。

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 前項で紹介した最後のページで強力な効果を発揮するカードのひとつです。「場にある」効果で相手のイベントとパートナーを封じることができます。無効にするのではなく使用そのものを封じることができるためロック性能としては最高峰です。ただマグネシド・デュランガを撃つと最後のページから30・31ページに戻ってしまい効果を失ってしまいます。しかしガッシュなので優秀なパートナーである高嶺清麿《俺の臨海学校》である程度ケアが可能です。エンドフェイズの処理で相手ターンではまた最後のページに戻るため再び効果を発揮して相手ターンをやり過ごすことができます。

 このガッシュによってイベントとパートナーの対策はある程度できていますが、魔物の効果や術による攻撃の対策はできていません。そこで採用したのがレイラ《堕ちたものね》です。

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 「場にある」効果で相手の魔物の効果を封じます。前回紹介したエルザドルに近い効果ですが条件が異なり、相手の魔物が負傷状態である必要があります。負傷状態にする方法は様々ありますが、レイラには強力な術があります。それがミベルナ・マ・ミグロンです。

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 前回紹介したミンフェイ・ミミルグと同様非バトルの術なのでバトル・インの確認を必要とせず、ジャマーもされにくい強力な術です。この術自体が魔物の効果を封じる効果を持っていますが、追加で相手を負傷状態にする効果、術の使用を封じる効果を持ちます。他のふたつの効果と異なり負傷状態にする効果はステイ効果ではないので解除が難しく、またダメージでもないのでかばうことはできません。そのため確実に相手の魔物の効果を封じることができます。アルベールが場にあれば3回まで使える術なので、術の使用を封じる効果も使って相手ターンを安全に凌ぐことも可能です。

 盤面はガッシュ、レイラ、マエストロで確定ですが、実はマエストロにも2種類のカードが存在してどちらを採用するかの検討が必要です。今回採用したのはエストロ《狭間へ》の方です。

ていうか誰?

 コストが4とやや重いですが、対象の魔物にパートナーをつけられないようにすることができます。マグネシド・デュランガで30・31ページに戻った際、イベントは《俺の臨海学校》で、魔物の効果は《堕ちたものね》でケアしていますがパートナーの効果だけはケアできていません。そこで《狭間へ》を使うことで擬似的にパートナーの効果をケアできるようになります。これで目指す盤面はマエストロ+ガッシュ+レイラで決定しました。

 

ループに至るまでの展開

 最後のページでしか効果を発揮できないガッシュはもちろん、マエストロも出すタイミングとして終盤で良く、序盤〜中盤での戦い方を検討する必要があります。最終盤面の一角を担うレイラはタイミング関係なく強いため、可能であれば序盤から出して相手をロックしていきたいです。そのためレイラの効果を活かす方法、つまり相手を負傷状態にする方法を考えていきます。

 相手の魔物を負傷状態にする方法といえば効果か戦闘のみです。効果で負傷状態にできるカードとして有名なのは、相手の魔物全てを負傷状態にする「すってんころりん」や捨て札にすることで相手の魔物1体を負傷状態にするゼオン《破滅への誘い》です。

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 効果によって負傷状態にする最大のメリットは、かばうことができないという点です。ダメージであれば当然かばうことができ、こちらが負傷状態にしたい魔物ではなく相手にとって必要性の低い魔物を壁にすることができてしまいます。しかし効果であればジャマー以外で防ぐことはできず、確実にこちらが狙った魔物を負傷状態にし、レイラによって効果を封じることが可能です。ただし効果も万能ではなく、やはりそれなりのデメリットがあります。「すってんころりん」はコスト5と序盤で撃つにはあまりに重く、基本的には「僕の王様」やナゾナゾ博士《賢者の謀》といった任意のイベントカードを撃てる効果と組み合わせて使う必要があります。ゼオン《破滅への誘い》であれば盤面の制限もなくコストも捨て札にするのみなのでかなりハードルは低いですが、基本的にターン1でしか使えないため相手の魔物の効果を全て封じるとすれば3ターンかかります。相手のターンでも使える点は優秀ですが、繰り返し使おうと思えば現物を複数用意するか「人工呼吸」などで再利用が前提となるでしょう。

 一方で戦闘で負傷状態にする方法は効果と比べて確実性に劣ります。バトル・インの確認が必要になるのでこちらの攻撃前にアクションされてしまい、攻撃を妨害されたり防御される可能性が高いです。また攻撃が通ったとしても相手には魔物でかばうか魔本で受けるかを選ぶことができ、かばう魔物も相手が選択できるためこちらとしては狙った魔物の効果を封じることができない場面も多数ありそうです。前述のゼオンと同じく、相手の複数体の魔物の効果を封じようと思えば当然1回の攻撃では効果が薄く、魔物か魔本で受けるかの択も相手にある以上複数回の攻撃が必須です。例えばリオル・レイスやロンド・ラドムのような自身の持つルールで複数回使える術や、魔本のページを使わず攻撃可能な格闘効果を持つ魔物を採用するべきでしょう。ただ術であればその分ページを術カードに割く必要があり、大体めくり効果+見開き術2枚みたいな感じで使うカードが固定化されがちです。格闘効果についても連打しようと思えば複数回攻撃できる魔物もしくは複数体並べる必要があります。

 以上の点からやはり現実的なのは効果による負傷状態付与のように思われます。ただもし連続攻撃までのハードルが低く、その上MP消費も少なく、相手に選択の余地すら与えないレベルの圧倒的な手数で攻撃できる効果を持つカードがあれば格闘軸も悪くないのですが…そんなカードいないよな〜〜〜〜〜〜。

 

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 いました。ガッシュ・ベルVSリオウです。あの4体分裂バオウ・ザケルガで有名なバトルをカード化した魔物です。個人的にはベストバウトトップ3に入る大好きな戦闘なのですがこの話始めたらそれだけで今回の記事終わるので性能だけ見ていきます。実は「グルービー!」を活かすにあたってこの魔物の採用を検討していました。なんといっても効果《素の力》が圧倒的で、「場にある」効果で場の魔物全員に格闘効果を付与します。さらに付与された格闘効果も優秀で、コスト0で使用できる上、防御にも使えます。毎ターン場の魔物の数だけノーコストで攻撃できるというのは、現存する格闘効果の中では最高峰です。ということでループを始めるまでにガッシュ・ベルVSリオウでダメージをばら撒いてレイラでロックするという方針に決定しました。

 

初手の展開

 実はガッシュカードには先攻1ターン目の攻撃制限がありません。最も理想的なのは先攻1ターン目からガッシュ・ベルVSリオウとレイラともう1体の魔物を並べ、初手から《素の力》で殴っていくことです。これを達成するためにケアすべき点を下記にまとめました。

①テッドやキースによるステイ効果によるロック

②アポロ《自由人》やココ《膠着》などの「場にある」効果での展開阻害

③魔物やパートナーの効果、イベントカードによるイベントのジャマー

 ①については定番ですがチェリッシュ《失われた笑顔》を採用。正直このカード以上の対策札は無いと思います。《素の力》を止めてくるステイ効果にも強いです。②と③を満たすため、またレイラも展開したいため以前も採用したキャンチョメ《あふれる希望》によってページをめくって使えるカードの枚数を増やします。このキャンチョメが今回の展開のキーになります。キャンチョメを採用することによってパートナーのフォルゴレも採用可能になります。フォルゴレは優秀なカードが多く今回は《必死のフォルゴレ》を採用。捨て札にすることで魔物とそのパートナーの効果をターン中無効化することができ、②と③のうち魔物とパートナーによるジャマーを封じることができます。肝心の展開については「エレメント束ねて」を採用。以前も紹介したこのカードですが相手ターンにも展開できる稀有なカードです。「ガッシュ」と名のつく魔物であれば何体でも場に出せるため、キャンチョメ→ガッシュ・ベル&キャンチョメ→ガッシュ・ベルVSリオウまで繋ぐことができます。相手の盤面にジャマーを撃ってきそうな魔物・パートナーがいればイベントカードによるジャマーが飛んでくる可能性は低いため、キャンチョメからガッシュ・ベルVSリオウまで繋げます。盤面にそのようなカードが無ければ、「バンザーイ」や「命令してんじゃねー‼︎」のようなイベントカードによるジャマーが飛んでくる可能性があります。「エレメント束ねて」をジャマーされるとその後の展開がかなり厳しくなるので、相手の盤面によってはキャンチョメからガッシュ・ベル&ブラゴ《相反する者》に繋ぎます。このカードによって攻撃・防御アイコンを持つイベントカードを封殺できるため、「エレメント束ねて」をジャマーから守ることができ、次のターン以降で安全にガッシュ・ベルVSリオウへ繋ぐことが可能です(ガッシュカードのジャマーはジャマー対象の効果処理を終えた後に効果の処理を始めるため、攻撃・防御アイコン両方を持つことの多いジャマー効果を持つイベントはガッシュ・ベル&ブラゴが既に場にあることによって使えなくなります)。ガッシュはVS魔物が多く除去として採用されやすいので、ガッシュ・ベル&ブラゴもVS魔物によって除去される可能性があります(ゼオンVSガッシュ・ベルなんかはこの典型例です)。ただここで直接ガッシュ・ベルVSリオウではなく敢えてガッシュ・ベル&ブラゴで留めておく利点が活き、相手のVSガッシュをこちらのガッシュ・ベルVSリオウで返すことができます。

 長々と書きましたが、簡単に言うとチェリッシュでステイ解除→レイラ・キャンチョメを出してめくり→フォルゴレで魔物・パートナーによるジャマー・妨害無効化→「エレメント束ねて」でガッシュ・ベルVSリオウを出す(相手の盤面によってはガッシュ・ベル&ブラゴで展開の確保)、という流れです。

 

 

構築

 

  ページ数   ページ数  
スタート     1 チェリッシュ
攻防 2 レイラ 3 キャンチョメ
攻防 4 パルコ・フォルゴレ 5 エレメント束ねて
攻防 6 アルベール《いくぜレイラ》 7 黒い覇道
攻防 8 再会 9 心束ねて
攻撃 10 ガッシュ・ベルVSリオウ 11 およしになっておとのさま
防御 12 高嶺ピヨ麿 13 ガッシュを信じて
めくり 14 ガッシュ・ベル&キャンチョメ 15 ガッシュ・ベル&ブラゴ
めくり 16 ガッシュ・ベル 17 エストロ
攻撃 18 およしになっておとのさま 19 高嶺清麿《俺の臨海学校》
防御 20 高嶺ピヨ麿 21 ガッシュを信じて
めくり 22 ティオのパンツ 23 狭間の世界へ
めくり 24 石の呪縛 25 新たなる戦い
攻撃 26 僕の王様 27 高嶺清麿《俺の臨海学校》
防御 28 人工呼吸 29 カードバトルforGBA
攻撃 30 僕の王様 31 ミベルナ・マ・ミグロン
攻防 32 マグネシド・デュランガ    

 

各種カード解説

 初出のカードを紹介していきます。

・アルベール《いくぜレイラ》

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 前述のミベルナ・マ・ミグロンはアルベールがついている時に3回使用できます。そのためアルベールの採用は必須です。アルベールには他にも強いカードがありますが今回はこちらを採用。場に出たターンの魔物の効果を封じることでデモルト《咆哮》などの不意打ち的な魔物破壊やゴーレン《悪夢》による石板状態付与を防ぎます。

・再会

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 W魔物、VS魔物を戦術の軸にする場合は採用筆頭候補のカードです。VS魔物による除去であれば単なる蘇生カードでも良いのですがそれ以外の効果による除去の場合、蘇生時にVS魔物の元となる魔物が場に存在せず困ることがあります。その状況を無視して蘇生できる優秀なカードです。このカードの存在を知ってからビブリオコントロールにも入れました。

ガッシュ・ベル&キャンチョメ《負けるもんか》

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 完全にキャンチョメからガッシュ・ベル&リオウへの経由地としての採用ですが、一応効果に採用理由があります。マグネシド・デュランガの最大の弱点は最終ページでの術の撃ち合いです。合計魔力が12000と決して高いわけではないので、術の効果を通さなければ負けてしまいます。相手の魔本のページがわかっていて、かつ《俺の臨海学校》でイベントカードの対策ができていれば、敢えて《不屈の闘志》ではなく「再会」「人工呼吸」で捨て札にあるこちらのガッシュ・ベル&キャンチョメを出せばそもそも撃ち合いにもさせずにこちらの術のみを通すことができます。(追記:3月19日)

ガッシュを信じて

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 場に3体のトークンを出すガッシュカードにおいては珍しいカードです。デッキにおける8体の魔物制限を無視して枠を増やすことができ、これによってティオ、キャンチョメ、ウマゴンの術やパートナーをいきなり使うことができます。しかし今回の肝はそこにはなく、最も重要なのは魔物の数が3体一気に増えることです。なんとこのトークンにも《素の力》によって格闘効果が付与されるため、こちらに既に魔物が3体いれば次のターンノーコスト6回攻撃とかいうバケモンじみたムーブが可能になります。

・狭間の世界へ

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 《王になれ》のピンポイント対策札入れないんじゃねえのかよ!と言われればぐうの音も出ませんが、やはりなんだかんだ出されると辛いため採用。ループには確かに《王になれ》は介入できませんが、シンプルに蘇生や回収ができないのがやはり辛いです。ミベルナ・マ・ミグロンを3回撃つためのアルベールや、30・31ページでのイベントを防ぐための《俺の臨海学校》を「人工呼吸」で回収するために、あらかじめこのカードで除外します。普通の構築であればこんなカードの採用はありえませんが、今回は最終ページでループし、また最終ページに辿り着くことがアドになる(≒魔本をめくられることが大きなデメリットにならない)という性質上めくりのページを多めにすることができています。そのめくりページに色々なイベントカードを仕込むことで「僕の王様」からどんな状況でも対応できるようになっているため、このカードが採用できたと言っても良いでしょう。

 

想定するターンの動き

 前項で述べた通り、最終ページでループする以上魔本をめくられることが大きなデメリットにはなりません。大前提の立ち回りとして、ダメージを受ける際はこのままめくられた場合ループに入れるかというのを盤面と自分の魔本を見て確認した上で、問題ないと判断すれば敢えてダメージを受け入れるのも視野に入れてプレイングします。

・1〜5ページ目

 前項で述べた通り展開します。

・6〜7ページ目

 アルベールを展開して魔物破壊、石板状態付与を防ぎます。相手の厄介なパートナー、MJ12、バルカンカードは「黒い覇道」で除去します。

・8〜9ページ目

 前のターンでガッシュ・ベル&ブラゴもしくはガッシュ・ベル&リオウがVSガッシュ以外の魔物で除去された場合このページを使い、「再会」で捨て札になったガッシュを蘇生させます。展開に余裕があれば「心束ねて」で守りを固めます。今回重要なのは最終ページでのループ中に効果によるめくりと石板状態を防ぐことです。ロックが決まっていれば基本的に効果によるめくりはまあありませんが、マエストロが石板状態になり術を撃てないとループすらできません。「石の呪縛」があるとはいえ守りを「心束ねて」に任せることができれば「石の呪縛」は厄介な相手の魔物の対策に使うことができます。

・10〜11ページ目

 「エレメント束ねて」で出していなかった場合はこのターンでガッシュ・ベルVSリオウを出します。「およしになっておとのさま」で相手の盤面の攻撃を妨害してくるカードを無効化し、《素の力》による格闘効果で攻撃します。

・12〜13ページ目

 「ガッシュを信じて」でトークンを3体出し、次のターンの攻撃に備えます。相手のチェリッシュ以外の魔物によるステイ解除に対してはピヨ麿でジャマーし、次ターンの初手のアクションで「およしになっておとのさま」を使うことでトークンを場に残します。

・14〜15、16〜17ページ目

 めくりページなので使いません。

・18〜19ページ目

 「およしになっておとのさま」で場のカードを、《俺の臨海学校》で相手のイベントカードを妨害しながら、トークン込みの6回攻撃でたたみかけます。

・20〜21ページ目

 12〜13ページ目と同じです。

・22〜23、24〜25ページ目

 めくりページなので基本使いませんが、石の呪縛は状況に応じて使う可能性があります。

・26〜27ページ目

 「僕の王様」から任意のイベントを撃って格闘効果で攻撃します。厄介な魔物・パートナーがいる場合は「石の呪縛」を、《王になれ》が捨て札にある場合は「狭間の世界へ」をこのタイミングで撃ちます。次の攻撃ページは「新たなる戦い」で確定なので妨害を撃つならこのページでしょう。相手の盤面にもよりますが盤面にイベントをジャマーできるカードが無い場合、相手のイベントによるジャマーや「おおーーっ!!」などによる「僕の王様」のスタンバイ効果解除を防ぐために初手のアクションで《俺の臨海学校》を置きます。

・28〜29ページ目

 次のページからはループに入るためこのページは以降の動きを守るためのページになります。ループのページを貫通されると負けてしまうため絶対防御の「カードバトルforGBA」でめくられるのを防ぎます。またループ時の盤面の一角を担うレイラが落とされた場合は「人工呼吸」で蘇生させます。

・30〜31、32ページ目

 ミベルナ・マ・ミグロンで負傷状態にし損ねた魔物を負傷状態にしつつ《素の力》の格闘効果で殴ります。その後「僕の王様」→「新たなる戦い」でレイラを残してガッシュ・ベル《不屈の闘志》とマエストロを場に出します。最後のページで裏目になるのは相手の術による攻撃なので、ミベルナの効果をアタッカーに使って術を封じて32ページ目を迎えても良いと思います。マグネシド・デュランガの魔本もどしは強制効果なので、下手に防御すると32ページ目を離れてしまい《不屈の闘志》によるロックが解除されます。格闘効果で相手の魔物を負傷状態にできている場合はミベルナの回数が余るので、余った分は相手のアタッカーの術封じに使います。自分のターンになった場合はめくらずマグネシド・デュランガから入り、30・31ページに戻った後は状況に応じて「僕の王様」から任意のイベントを撃ちつつ、ミベルナで術を封じてターンを返します。以降、相手ターンは32ページ目でのロックで粘り、自分ターンはマグネシド・デュランガで魔本もどしで回復…をループします。

 

弱点及びそれに対するプレイングと改善点

・ウォンレイ《カンフーキック》

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 格闘効果を持つ魔物を無条件で捨て札にするため、《素の力》による格闘効果付与が完全に裏目になるカード。ある意味最悪なのはガッシュ・ベルVSリオウを最初に取られるのではなく、《素の力》が効いている間に他の魔物を一体ずつ処理されてしまうことです。ウォンレイの効果を封じるのは厳しいので、格闘による戦法は捨てて早めにループに入るよう立ち回ります。

・ステイ解除

 「およしになっておとのさま」「ガッシュを信じて…」はステイ効果なので解除に弱いです。特にチェリッシュは効果に関わらずステイを解除してくるため苦しいです。ループのギミックにはステイ効果を使わないので最終的にはそこまで大きな問題ではありませんが、トークンがいなければその分攻撃回数も減るため相手を負傷状態に追い込むのが難しくなります。格闘効果で負傷状態にできなかった魔物はミベルナ・マ・ミグロンで直接負傷状態にします。

・アポロ《自由人》

 序盤の展開時は《必死のフォルゴレ》でケアできていますが、後半の「僕の王様」を封じてくるのが厄介です。「新たなる戦い」を封じられるとループ時の盤面が作れず詰んでしまいます。終盤に再展開する構築であることがバレていなければロップスでかばってくれる可能性があります。その場合はレイラの効果でロップスによるスタンバイ効果の解除ができなくなるため「石の呪縛」で石板状態にした隙に展開を狙います(もしくはピヨ麿でジャマーの準備をするのも良いと思います)。

・ゴーレン

 なんだかんだ辛い。格闘効果をガッシュ・ベルVSリオウに依存しているため、ここを石版にされると序盤〜中盤で相手を負傷状態にする手段が無くなります。格闘効果の弱点ではありますがバトル・インの確認が必要であるため、先にゴーレンを負傷状態にして効果を封じるという方法も取れません。一応対策としてアルベールを採用してはいますが結局先に除去されれば辛いのは変わりません。最悪無くなったとしてもレイラが術を撃てる状態で30・31ページを迎えればミベルナ・マ・ミグロンを撃つことでなんとかならなくはないです。ただそのレイラも石板状態になっているとやや辛いです。「僕の王様」→「石の呪縛」でなんとか回復させて術を撃つ必要があるでしょう。

・レイラ《本物の力》、レイラS《魂の解放》

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 《本物の力》はパートナーがついている魔物の効果を、《魂の解放》はパートナーの効果を、効果が使えない時にも使用可能にする効果を持ちます。つまりこちらのロックを貫通してきます。これらのカードがある限りループの盤面に辿り着いても相手は問題なく効果を使うことができてしまいます。「石の呪縛」で一時的に効果を封じることはできますが、石板状態に特化したデッキでもないため割と簡単に復帰されてしまいます。ロックしてループするという戦術はこのレイラに対しては有効ではなく、このレイラがいるデッキは盤面を固めてくる構築である可能性が高いです。盤面の堅さで戦ってくる構築は大抵格闘効果に弱いので、「ガッシュを信じて」を合わせて手数の多さで攻めます。

・現物によるトークン展開

 これはやられて初めて気づきましたが、「ガッシュを信じて」のように効果によって出されるトークンではなく、魔物の枠を使って採用されたトークンを並べられると面倒です。例えばクロガネがいる時に場の魔物の枠を超えて出せるハザマの兵士や、ディマ・ブルクで展開できるキャンチョメ(分身体)などです。これらのトークンは「ガッシュを信じて」のようにステイ効果で存在するのではなく現物なのでこちらのチェリッシュで解除するといったことはもちろんできません。相手のトークンまで含めた魔物全てを負傷状態にすることは、こちらの格闘効果や最終的なミベルナ・マ・ミグロンを以てしてもほぼ不可能です。大体この手のトークンを並べるデッキはこちらと同じように《素の力》で殴ってきますし、ハザマの兵士は自身が格闘効果を持つため、こちらのループ盤面にはガッシュ・ベルVSリオウがいなくなる関係で防御もしづらくループも崩されて負けてしまいます。

 

 

おわりに

 初手の展開、非バトル術の使用、捨て札を経由しないループとこれまでの構築で思いついた点を採用できて楽しい構築にはなったと思いますが、強いかと言われるとまたそれは別の話なのがカードゲームの悲しいところですね。ビブリオコントロールのように後半盤面を入れ替える構築はそこが弱みだと思います。僕はどちらかというと堅い盤面の構築が好きだし実際強いと思うので、やはり最初から強い盤面作ってそれを維持して戦っていく方がいいのかな…といった感じです。ただ堅い盤面の構築は今回のような格闘効果が辛いという一面もあります。

 これでついに6冊目にはなりますが、大会レベルのデッキであるかと言われると微妙ですね。強いデッキでいくとガッシュコントロールとブラゴビートダウンになるのかなと思います。3冊目以降は良くも悪くもおもしろデッキに落ち着いちゃってるような気もするので、ここらでもう一回ガチガチのデッキを組んでみたいですね。

 毒フライゴンがぼちぼちまとまってきたのと、ACGの冬眠コントロールがようやく手に入ったので次はそのどっちかの更新になりそうです。ウルトラマンカードゲームも面白くなくは無いんですけど、やっぱ妨害あるカードゲームの方が面白いんでなかなかモチベが湧かないですね…あとやっぱ確定サーチ無くて縦引きだけなのも性に合いません。ガイア出たし強いデッキ組みたいけど、他のカードゲームのモチベが尽きたらやろうかなと思います。それでは〜〜〜〜〜。

 

【ポケカ】フライゴンex③

 

 CL福岡お疲れ様でした、どうもゆっけです。シティリーグシーズン3、また僕にとっては4年ぶりになるCL参戦が終わりました。前回のCL福岡はフライゴンGXと共に参戦し、ひっでえプレミかまして1-3ドロップでした。今回はシティ3-3、CL福岡2-3ドロップでした。フライゴンGXの時の成績を超えれたこと自体は良かったですが、CLのDay2参加までのハードルが5勝と今までと比べかなり下がったので目標とし、少なくとも勝ち越しはしたいと思っていただけに今回の結果は不甲斐ない形になってしまいました。レギュ落ちからCL福岡までの経緯をまとめたので、暇つぶしに読んでいってください。

 

 

 

 

 

レギュレーション変更

 レギュレーション変更に伴い、ピジョット軸のデッキからロトムV森の封印石が無くなりました。無くなった枚数こそ少ないですがこの2枚は序盤の展開を支えた2枚なので、これらを失ったのはかなり辛いです。特にピジョットを立てることがより困難になったように思います。そのため大きな構築の変更が必要だと考えました。試したことのないタイプとして毒フライゴンがあるというのは知っていましたが強さが全然わからん、自分としては盤面にシステムがいる構築の方がわかりやすくて好みであったので、前回試したヨルノズクをアップデートする形で戦うことにしました。

 

シティリーグ使用構築

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 前回紹介したヨルノズク軸から変わった点について紹介します。

フライゴンexライン…2-1-2

 ついにナックラーが2枚となり人間のリストではなくなりました。一応序盤はスピンロトムが、終盤はガチグマが代打のアタッカーになるので使うフライゴンはほぼ1体です。そのためゲームを通して1体立てば良く、序盤で必須というわけではないのでナックラーは最低限の枚数に留めました。

ヨルノズク-ホーホー…3-3

 前回の反省を活かし、ラインを削ってピジョットに枠を譲りました。3-3でも足りないと感じたことは無かったので4-4は過剰だったかなと思います。

ピジョットexライン…1-1-1

 依然として強力なので続投。グッズロックが厳しいのと、スピンロトムの特性「ファンコール」から呼べること、エヴォリューションを強く使いたいことからピジョンも採用しました。立てれるなら絶対立てたいですが、必須までいくかと言われると枠も厳しいためそれぞれ1枚での採用に留めました。枠があればポッポとピジョットは増やしたい。

・ハイパーボール…4→2

 コストが無いため枠を減らしました。後述するジニアが似た役割を果たしてくれています。とはいえ序盤に使いすぎると終盤のヨルノズクとしての当たりが減ることになるのでゲーム中枚数は気にして動きます。

・ゴージャスマント

 ベラカスを使う中で一番厳しい点は、せっかく進化したのにボムで取られてしまうというところです。フライゴンピジョットを立てながらベラカスまで立てるというのはそれなりに労力がかかるのですが、それをボムで簡単に取られると立て直しも難しくなります。じゃあボムで死ななきゃ良いんじゃね?ってことで採用。ゴジャマン付きのベラカスはヨノワールのボムを耐えることができるためボス要求することができます。ゴジャマン付きベラカスをボスで取られるとサイドが進んでしまいますが、逆に言うとその間ベンチにダメカンが乗っておらずドラパへの削りができているということになるので手札干渉とデヴォリューションで捲る展開を狙えます。極力ベラカスになってからゴジャマンをつけた方が効果的で、ボムをシガロコに吐かせた後回収して再度ベラカスにする時にゴジャマンをつけるとドラパ視点面倒だと思います。多分。ついでに対面によってはミミッキュに貼ってスピンロトムのとつげきランディングを耐えたりできるのでそこも優秀です。

・ジニア

 進化ポケモンを2枚呼ぶことができる非常に優秀なカード。盤面ができていればヨルノズクピジョットを持ってきて、「ほうせきさがし」からピジョットの進化まで容易に繋がります。またグッズロック下でも進化できる点も優秀です。このカードが無ければヨルノズクピジョットを持ってくるに当たってハイパーボールを切る必要があるのでその後の展開も苦しくなりますが、2枚は過剰と考えて採用は1枚にしました。

 

シティリーグ当日のマッチアップ

 先攻後攻とじゃんけん勝ち負けはあんまり覚えてません。スボミーに対してはスピンロトムで返すつもりだったので、じゃんけん勝ったら基本は先攻を取るようにしていました。

・1戦目 ウガツホムラ 負け

 ウガツホムラexはともかく、ブーエナがついた非ルールコライドンがキツすぎる対面。まけんきハチマキをつけたとしてもコライドンを倒すには2回の攻撃が必要になってしまいます。その上こちらの展開もやや噛み合わず順当に敗北。

・2戦目 ソウブレイズ 勝ち

 お相手の盤面にシステムが並ばなかったため、アンフェアから攻撃に入ります。この対面ではまけんきハチマキをフライゴンに貼るかガチグマに貼るかかなり迷います。今回はお相手の盤面が弱かったため、ハチマキをガチグマに温存し敢えてフライゴンでソウブレイズを倒さずデヴォリューションで後から一気に取る立ち回りではなく、フライゴンで普通に殴るプランを取りました。最終的にはボスを引かれるかどうかのところで引かれずそのまま勝利。スボミーのおかげでこの手のデッキにポケモンキャッチャーが入らなくなったのがフライゴンにとってはかなり追い風だなあと感じました。

・3戦目 ドラパ 負け

 お相手のむずむずかふんがやはり厳しく、こちらの盤面が弱いまま一方でお相手は着々とファントムダイブの準備を整えます。シガロコをベンチに置くこと自体はできていましたがなかなか進化できず、序盤の盤面の差をひっくり返せずに敗北。手札干渉でハンドを減らすところまではいけましたが、バトル場の60点乗ったゴジャマン付きミミッキュに対し初手のドロー込み3枚の手札でサマヨール2枚素引きでボム×2+むずむずかふんで残り2枚取り切られた時は泡吹いて倒れました。

・4戦目 ノココッチリザ 勝ち

 ノココッチとリッチエネルギーでブン回すタイプのサナやリザがいること自体は知っていましたが対戦自体は初めてでした。こちらも展開自体はできていたため手札干渉を重ねながらミミッキュ、闘ガポンを押し付けていきますが縦引きでどんどん手札が増えていきます。しかし有効札をなかなか引けなかったようで、サイドを取られないターンが数ターンあり、その差で勝利。

・5戦目 サナ 勝ち

 お相手の展開がかなり渋く、そこにつけ込む形で徹底してラルトスを処理。サイド差的にもほぼ勝ちの盤面でしたが重力玉+サケブシッポとかで捲られないように盤面を作り勝利。

・6戦目 大空洞ライコ 負け

 お相手の構築はボムを採用したライコ。サイド先行されますがこちらもアンフェア+クレッフィで捲っていきます。正直あんまり展開は覚えてないんですが、大空洞をジャミングタワーで割られたせいで終盤ガチグマを出すためのベンチスペースが無かったり、緊急ボードのみでは逃げられなくなってしまいました。ただお相手も自身のジャミングタワーに苦しむ展開になったようで(何で?って感じですが理由は覚えてません。感想戦でジャミングがキツかったことが判明したのは覚えてます)、こちらのミミッキュを突破できずお互いサイドを取りきれず両負け。こちらの盤面にキチキギスが既にいたのでガチグマを事前に置いていたとしてもあまりサイドレース的には関係なかったですし、手札干渉等を見越して置いておくべきでした。ガチグマ先置きは取られたりするリスクばかりを考えてしまい、後からやっぱ置いとけば良かった〜となることが多いので気をつけたいプレイングです。

 

問題点

①グッズロックがキツすぎる

 マーーーージでしんどい。いつの間にかポケカ歴もそこそこ長くなってしまいましたが、ここまでグッズロックが蔓延る環境は初めてです。それもこれもスボミーが何故かエネなしでワザ撃てるせいでどのデッキにも入り得るのが悪い…。中間進化がシステムにならない2進化はスボミーのせいで厳しくなったと思います。それを裏付けるかのように最近発表された中間進化のマグマラシとかガバイトはちゃんと特性持ってるし…。

②ベラカスが対策になってるか怪しい

 もちろん立てば強いベラカスですが、グッズロックとボムが蔓延る環境では進化させるのもかなりしんどいです。進化デッキにおいて進化のラインがひとつ増えるだけでかなりの負担がかかります。一応エヴォリューションから乗れはしますが結局呼ばれて倒されてしまうとマナフィと違って進化ポケモンであるが故に復帰がかなり難しいです。ベラカスを処理された後ファントムダイブでの複数取りを防げないことが課題であると感じました。

 

 

CL福岡使用構築

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シティリーグ時からの変更点

 シティでの問題点を踏まえ、まずシガロコ、ベラカス、ゴージャスマントの3枚をスボミーマシマシラ、悪エネルギーに変更しました。

 スボミーに関してはやられて嫌なことをやるのがカードゲームということで採用。序盤からグッズロックで妨害することでこちらの展開の時間を作ります。HP30で簡単に処理されるのが逆に強く、スボミーが気絶したのをきっかけにアンフェア、「さかてにとる」、カウンターキャッチャーなどを効果的に使えるようになるのが良いです。グッズロックを強く使うためには撃たれる前に撃てということでじゃんけんに勝った際は後攻を取るように変更。スボミーでむずむずかふんを使えなかったとしても、スピンロトムのとつげきランディングやナックラーのなかまをよぶ、エヴォリューションなど撃ちたいワザはそこそこあるためどれかを目指してプレイします。

 ドラパのダメカンばら撒きに対してはマシマシラで対抗することにしました。ベラカスに乗れる時はピジョンビブラーバにも乗れるため、それならばわざわざベラカスを立てなくてもピジョンビブラーバに乗るべきと考え、ダメカンを返せるマシマシラで負け筋を潰していく方向にシフトしました。闘ガポンやキチキギスはHP210で簡単にファントムダイブの圏内に入ってしまいますし、ピジョットも30点乗ればサマヨールの50点と合わせて圏内に入ってしまいます。これらの負け筋を「アドレナブレイン」で返すことで潰せる上、フライゴンやガチグマの打点アップにも繋がります。

 マシマシラを採用するにあたって悪エネルギーが必要になるため、元々4枚採用だった基本闘エネルギーのうち2枚をルミナスエネルギーに変更。悪エネルギーとしての当たりを増やしつつフライゴンの攻撃に使うためのエネルギーを減らさないようにしました。単純にこれで1枚エネの当たりが増えたことになるのでエヴォリューションまでの繋がりやすさが僅かですが高まったのも良いと思います。ペリドットソニックを撃つ気だった初期の構築の頃のように、ミミッキュのゴーストアイを使えるようになったのも良い点だと思います。

 また序盤から強く手札干渉できるようにジャッジマンを採用しました。アンフェアはこちらのポケモンがきぜつしていないと使えない上、グッズロックにも弱いです。盤面ができた後は意外とサポートを選ぶ余裕があるため、ジャッジマンで相手の要求を増やしつつ戦います。

 

環境デッキに対する立ち回り

・ドラパ

 正直強すぎて勝ち筋が見つかりませんが、つけいる隙があるとすればドラパの2体目はなかなか立たないという点です。エネなしのドラメシヤからファントムダイブを撃つためにはアカマツふしぎなアメが必要です。最近のリストはドロンチに重きを置き、アメはヨノワールに使う前提でアメの枚数が2枚であることも少なくありません。そのため削ったドラパルトをデヴォリューションで処理しながら裏のドロンチも退化させ、アンフェアで手札干渉まで行うことで、次のターンからの攻撃の要求を上げて勝つことを目指します。ドロンチにとドラパルトは手札に戻りますが、この動きが決まれば盤面に残るドラメシヤはおおよそ2体程度で、手札干渉から復帰するためにドロンチになればドラパルトになることができず、かと言ってドラパルトのためにドラメシヤを温存すれば手札が増えないという状況に追い込むことができます(フーディンexの時の対サナのような立ち回りです)。この勝ち筋を通すためには当然こちらのフライゴンが立たなければいけないため、相手をこちらのスボミーで妨害しつつ最速でフライゴンを育てます。相手によるグッズロック下でもジニア+エヴォリューションによってアメが無くとも1ターンでナックラーからフライゴンになることができます。こちらが攻撃に転じる場合相手もファントムダイブを撃ってくる可能性が高く、ヨノワール+ファントムダイブでフライゴンを処理されるとかなり苦しい展開になるので極力ヨマワルもしくはサマヨールから処理するとフライゴンが生き残りやすいです。ファントムダイブに対してはマシマシラを用意して負け筋を潰していきます。ファントムダイブの60点のせいで基本的に2体目のフライゴンは立ちません。1体目が処理される前になんとかサイドを稼ぎ、最終的にはガチグマでドラパルトにつっこみます。お相手のグッズロックをかいくぐりフライゴンを立てることができればようやく勝負になりますが、まあ実際には上手くいかないことの方が多いです。

・大空洞ライコ

 レギュ落ち前と異なりシステムとしてヨルノズクが追加で入ってきたため、やや止めにくくなりました。しかしヨルノズク軸は手札干渉に弱いことは変わりなく、クレッフィでたねのポケモンexの特性を止めれば相手は復帰が困難になります。サイドを2枚ほど先行されたとしても妨害が決まれば逆転は可能なので序盤はスボミーもしくはクレッフィで妨害しつつこちらも盤面を整えます。序盤はミミッキュを出さずにサイドを取らせることでナンジャモを強く使えるようにします。まけんきハチマキは基本的にフライゴンに使い、お守りがついたライコを確実に2パンできるようにします。残りサイド2枚はガチグマで取ります。

・サフゴ

 立ち回り自体はレギュ落ち前とほぼ変わりません。純サーフゴーの場合は闘ガポンを押しつけていく立ち回りになりますが最近はドラパと組んでいることも多いため、ルミナスエネルギーは極力マシマシラのために温存したいです。最終的にはまけんきハチマキ+ブラッドムーンでサーフゴーを取りたいのでハチマキも温存して立ち回ります。

・リザ

 環境全体を見ても宝石型のシェアがかなり増えました。システムをピジョットだけにする構築だとスボミーがやはりかなりしんどいためかと思われます(めっちゃわかる)。基本的には闘ガポンを押しつけていけば良いため展開のハードルはやや低いです。宝石型である場合闘ガポンの返しとしてテラパゴスを動かしてくる可能性がありますが、これに対してはフライゴンで容易に返すことができます。テラパゴスを差し出してくれれば大体後から出てくるキチキギスと合わせて4枚はサイドを稼ぐことができ、ボムを使ってくれれば更に6枚取り切るまでのハードルが下がります。盤面にダメカンが残ることはそんなにないですが、残った場合は「アドレナブレイン」+まけんきハチマキ+ブラッドムーンでピジョットexまで届くので一応頭に入れてプレイします。フーディンexの頃からの勝ち筋であるデヴォリューションによる一掃は依然として狙うべきですが、盤面にテラパゴスが残っている状況でのデヴォリューションはむしろ相手にとってアドになってしまうためまずテラパゴスを処理してからデヴォを撃ちます。手札干渉と組み合わせればリザやピジョットを処理できなかったとしてもターンをもらえる可能性が高まるため、捲る場合は見えているアメの枚数やピジョンリザードから進化しているか等を確認した上で狙いたいプレイングです。

・ピッピオーガポン

 CL直前で数を増やしてきたデッキですが、気をつけるべきはやはり水オーガポンです。逃げロックによる妨害とベンチ狙撃が強力な上、後攻を取りたいデッキが多い環境な中自ら先攻で強い動きを持ちます。グッズロック下でも1ターン目に手張りさえできていればアカマツからげきりゅうポンプまで容易に繋がります。何の妨害もなければげきりゅうポンプ3回で負けてしまうため、序盤はクレッフィもしくはスボミーで妨害しつつこちらも盤面を整えます。げきりゅうポンプは強力なワザではありますが、げっこうしゅりけんやトライフロストと違いバトル場へのダメージは確定なのでミミッキュを押しつけることでサイド2枚取りは防ぐことができます。ライコ同様ヨルノズクと草ガポンで回すデッキなので、手札干渉とクレッフィを合わせて止めにいきます。ただ妨害後も水ガポンの逃げロックでこちらも動きを止められてしまう可能性があるので、ポケモンいれかえは極力温存します。サイド2枚まで詰めたら最後はガチグマで勝ちにいきます。

ゾロアーク

 新しいアーキタイプの中では最も数の多いデッキだと思います。特性「とりひき」によって手札干渉が効きづらいのがこちらにとって苦しい点ですが、付け入る隙があるとすれば火力の低さです。ゾロアークの瞬間最大打点はレシラムのイノセントフレイム170点なのでフライゴンは最低限行動が許されます。この対面で下手にフライゴンにまけんきハチマキをつけるとレシラムのパワーレイジが320点になりフライゴンが処理されてしまいます。敢えて130点に留めておけばフライゴンはもちろんピジョットまで守ることができるため、2回目の攻撃で「アドレナブレイン」やまけんきハチマキをつけて倒します。サイドを先行するとヒヒダルマがリバーサルエネルギーと共にベンチ狙撃してくる上、そのヒヒダルマのHPが140であることからフライゴン単体での処理がやや困難になってしまいます。極力サイドは先行させる形を取りデヴォリューションで一掃するか、盤面にダメカンが残りやすいためマシマシラが用意できていれば「アドレナブレイン」と合わせて処理していくルートを取ります。

・サナ

 何でこいつ普通にまだ環境にいるんだ…とはいえレギュ落ち前よりは確実に数を減らしてはいるため当たったら諦め寄りの対面です。システムとなる「リファイン」を失っているため、手札干渉を多めに撃って動きが止まるのを願います。理想はクレッフィで相手のマシマシラを止めつつサナにダメージを与え、手札干渉+デヴォリューションでサナを処理しつつ妨害します。

オーダイル

 ジーランスの特性「きおくにもぐる」とオーダイルの特性「トレントハート」をによってアリゲイツのワザぎゃくふんしゃを150点で使うことができます。つまりフライゴンの完全上位互換です。このデッキを見た時、「俺はオーダイルアリゲイツの部分だけで戦ってたのか…」と絶望しました。強力なデッキではありますが(優勝したし)、先述の中核を担うのはのジーランスとマシマシラです。つまりクレッフィが刺さります。またオーダイルに対しては闘ガポンが刺さるため展開のハードルが低いのもありがたいです。ワニノコのワザかじりつくで時間を稼がれる可能性があるため、ポケモンいれかえは温存して立ち回ります。

ヤドキング

 レジドラゴです。ルールを持たないヤドキングが殴ってくるため本家よりも強くなってるかもしれません。ベラカスを抜いた関係でトライフロストががかなり厳しいです。理想はトライフロストを撃たれる前に盤面を完成させることですが、相手も大体スボミーを使ってくるため大体1回は撃たれます。トライフロスト後はバトル場にエネなしで逃げエネ3のヤドキングが棒立ちすることになるため、この隙をついて捲ります。アンフェアで手札を減らしてネイティオの「アカシックセンス」を使わせないもしくは処理できればかなり上出来です。実はヤドキングが抵抗でフライゴンの攻撃を耐えてくるため、まけんきハチマキを使える状況で殴り出すとアタッカーの処理が容易になり相手に時間を与えない立ち回りができます。2体目を育ててから殴ってくる場合はヤドキングを相手にしているとテンポロスになるので、ネイティオを取って後半の手札干渉が効きやすいようにします。

 

CL当日のマッチアップ

・1戦目 ハピナスバレット 先攻 負け

 こちらホーホースタートで展開できずドロー直後に番を返します。お相手はバトル場のハピナスエナジーターボをつけて裏の闘ガポンにエネ供給。こちらは手札がサポで詰まっていたのでナンジャモを撃つとアンフェアとエネ数枚とナックラーと闘ガポンという引き。ターンを返してホーホーが取られ、アンフェアを撃つもここでのドローも貧弱。序盤の遅れを取り戻せずにズルズルと敗北。プレミがあるとすれば、お相手のミロカロスをガチグマで処理できる場面があったのですが、闘ガポンの処理の方が最終的には困難になると判断し闘ガポンに削りを入れていたらミロカロスヒーローマントを貼られて処理できなくなりました。ACE SPECはポケバイタルAと予測しておりそれならば下手に削りを入れる必要は無くまけんきハチマキ+ブラッドムーンで一撃で処理するプランを取ってもよく、お相手にアカマツが見えていたため先にガチグマを動かすと闘ガポンにアカマツでエネをつけられて負けてしまうと判断した上でのプレイでしたが裏目に出ました。回っていれば悪くない勝負できた対面だけに無念…。

・2戦目 リククラゲ 先攻 勝ち

 初戦の負けをなんとか切り替えようと対戦準備を進める中マリガンでお相手のデッキがリククラゲexとわかり絶望。リククラゲはエネがつけばファントムダイブの60点も防ぐことができるし、たねのポケモンexなら一撃で処理可能な火力を出せるし、リザとゾロアークは弱点をつけるので確かに良い選択だな…ほな負けか…と半ば諦めながら対戦スタート。ただこちらのアンフェア+クレッフィが刺さり、お相手はミミッキュの処理にも困っていたようで最終的にはガチグマでオーガポンを取って勝利。

・3戦目 大空洞ライコ 後攻 負け

 ようやくじゃんけん勝って後攻を取れたので、むずむずかふんからのスタートを考えていましたが展開がやや弱めに。ナックラースボミーも出せなかったので後々ミミッキュへの要求を微妙に上げれそうかということでとつげきランディングでスピンロトムを処理。次ターンピジョットを立てナックラーを2面展開することができましたが、返しのターンでピジョットを取られてしまいます。手札の枚数と盤面のホーホーの枚数が少なく、フライゴンを育てる要求値を満たすことができませんでした。そのまま逆転できず敗北。

・4戦目 ピッピオーガポン 後攻 勝ち

 じゃんけん負けましたが後攻を取ることができました。お相手はバトル場ホーホー、ベンチに水ガポン、スピンロトム、ホーホーと展開してきましたがエネがつかず。4戦目にしてこちらの手札はようやくまともな当たりになり、こちらは展開を充分にした後ナンジャモで相手のヨルノズクを流しつつむずむずかふんで番を返します。グッズロックが刺さりホーホーのさんどづきで番が返ってきます。この隙に展開しピジョットフライゴンを立ててサイド先行します。展開させないためにクレッフィをバトル場に送りますが、グッズロックから解放されたお相手は展開に成功しげきりゅうポンプでサイドを稼いできます。サイド2-2-2で進むと負けてしまうため、ミミッキュスピンロトムに取らせる形で攻撃回数を重ねさせつつ手札干渉で更に攻撃されないターンをつくるプランを取ることに。アンフェアによる妨害が刺さったのと、お相手のキチキギスを取れたのが幸いし、最終的にはガチグマがオーガポンに突っ込んで勝利。多分この試合が一番ポケモンカードできてたと思います。

・5戦目 ドラパ 先攻 負け

 じゃんけん負けて先攻を取らされます。スタートがお互いスボミーで苦笑い。ポフィンとハイパーボールで展開しつつヨルノズクを抱えた状態で番を返します。ナンジャモを撃たれなかったのは幸いでしたがお相手のむずむずかふんがやはり辛く、ジニアでビブラーバになることには成功しましたがフライゴンになる前にグッズロック下で普通にサマヨール→ヨノワールと進化されビブラーバが処理されてしまいます。むずむずかふんの撃ち合いではこちらが負けるため裏のボードもエネもついていないドロンチを呼び出してむずむずかふんを撃ち続けます。お相手はエネがなかなかつかずこちらがグッズロックから抜けた隙に再展開しナックラーを場に出すことができましたがフライゴンになることができず、結局先にファントムダイブを撃たれてしまいます。こうなると完全に負けパターンです。なんとか抗うためにガチグマを動かすプランを取ろうとしますが、ガチグマがサイドに落ちており回収することができずそのまま敗北。

 

おわりに

 シティの6戦はそれなりにポケモンカードできていただけに、CLの初戦の展開の悪さにメンタルを引きずられてしまった点があったと思います。ドラパにマジレスされる前に、ハピナスバレットと大空洞ライコという割と勝てそうな対面に負けてしまったのが全てかなと…。ハンドの弱さばかりに意識が行きそうになりますが、デッキリストが4行にもなるとやはり事故ってしまうのは自明の理です。タコ負けした後に読むワールドトリガー28巻キツすぎました。シーズン1からずっとコントロール寄りのフライゴンを使っており、このスタイルがベストだとは思っていますが結局目標は達成できていないので、抜本的な構築の改革が必要なのかなと思います。とりあえず一旦毒軸で組んでみるか…。

 ガッシュカードもCLまでは一旦封印していたので再開しようと思います。構築の案もあるので早く形にしたいです。次回はシティ後かガッシュカードの新しい記事になると思います。それでは〜〜〜〜〜。

 

 

【ガッシュTCB】エルザドル+コルループ


 あけましておめでとうございます。隔年で年末年始体調崩す男ことゆっけです。今年も年末無事インフルになりました。みなさんも体調にはくれぐれもお気をつけください。ポケカのスタン落ちも発表されたところで、とりあえず環境がガラッと変わるレギュレーション変更まではポケカは休む予定です(はよルギアとサナスタン落ちしてくれ)。新しいガッシュのデッキがまとまったのでそちらを先に更新します。暇つぶしに読んでいってください。

 

 

 

 

コンセプト

 前回、前々回のブラゴビートダウン改、ビブリオコントロールは共に「場にある」効果+ステイ解除は強いということで盤面形成していました。盤面さえ出来上がればロックや防御としてはかなり堅固になり、相手からはなかなか突破されません。特にステイ解除要員としてチェリッシュを採用している場合、相手の効果に関わらず解除が可能なのでかなり強いです。以前も紹介しましたがこのチェリッシュを継続的に止める方法は存在せず、止めるとすればチェリッシュの効果発動宣言時にジャマー効果で無効にし続けるしかありません。ジャマーし続ける側を想像するとかなり非現実的だと思っていましたが、いざこちらがチェリッシュを使う立場になると意外とこのジャマーが苦しく、相手のステイ効果に苦しめられることがわかりました。そこで今回は「場にある」効果+ステイ解除を超えるべく、ステイ効果+ジャマーを主体とした構築を考えることにしました。

 チェリッシュ収録後は全てのステイ効果が過去になりましたが、それでもステイ効果自体には強力なものが多いです。今回ステイ効果を使って戦うにあたって以前から注目していたカードであるエルザドル《気高き目》を使用することにしました。

実は原作の設定と体色が違います。本当はアシュロンがこの色

 「場にある」効果で相手の魔物の効果全てを無効化できるバケモンカードです。魔物の効果による無効化は大体ターンや対象の制限があるのですが、エルザドルには制限がありません。効果が通りさえすれば最強に近いのですが、その代わりちゃんと条件があります。相手の魔物の魔力がエルザドルの半分以下である場合でしか無効化できません。エルザドルの魔力は7000なので3500以下の魔物しか無効化できないということになります。正直3500以下でも十分強いのですが、せっかくならもっと高い魔力の魔物に対しても無効化を発揮したいところです。ガッシュカードには魔力を上げるカードが多数存在しており、その多くがステイ効果です。そのためチェリッシュに非常に弱い戦法ではあったのですが、そのチェリッシュをジャマー効果でガンメタすることによってエルザドルのバフを維持し続け、相手の魔物の効果をロックして戦おうというのが今回の大きなコンセプトです。

 

 

ギミックの詳細

エルザドルの効果を通すためには

 ということで相方となる魔物の検討から入りますがその前にエルザドルを使うにあたって対策したい要素を考えていきます。

①チェリッシュ、リーヤVSザルチムの効果を無視したステイ解除

②イベントカードによるステイ解除

③ステイ効果による効果の無効化

④エルザドルの魔力が上がらない序盤での魔物破壊と石版ロック

 ①については前述の通り魔物の効果をジャマーできる魔物を採用することで対策できます。②についてはイベントカードをジャマーもしくは使わせないカードの採用が必要でしょう。③については魔物、パートナー、イベントカードとそれぞれステイ効果で無効化にしてくるカードが存在します。①②で魔物とイベントカードの対策はできている前提で、こちらもステイ解除のカードを採用すると安心かと思います。④については、これが最もやられると厳しいムーブではあります。魔物の効果であればジャマーでケアができるため、エルザドルからヘイトを逸らすこともできなくはないですがいずれにせよ苦しい展開にはなってしまいます。ということで④はとりあえず置いといて、①②③について考えていきます。

 盤面がエルザドルは確定で残り2枠なので何とか少ない枠で確実にジャマーできる魔物を採用したいところです。ここで魔物の効果とイベントカードをジャマーできる魔物を見つけました。それはウマゴン《吼えよウマゴン》ウマゴン(ディオエムル・シュドルク形態)《灼熱の炎》です。

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 《吼えよウマゴン》は効果でイベントカードを、《灼熱の炎》は効果で魔物の効果をそれぞれジャマーすることができます。また《灼熱の炎》は進化元となったウマゴンが魔力3000以下ならその効果も使えるので、1体で魔物の効果とイベントカードどちらもジャマーできることになります。魔物の枠ひとつでどちらもジャマーできるカードはそうありません。一応ガッシュならパートナーである高嶺清麿《俺の臨海学校》と高嶺ピヨ麿《ピヨ麿って呼ぶなー‼︎》でイベントカードと魔物の効果両方を一枠でジャマーできます。しかしウマゴンの優秀なところは使い切りのピヨ麿・清麿と違い場に残って効果を使い続けられる点です。ディオエムル・シュドルクを使わないと場に出せないというデメリットを差し引いても、このウマゴンを採用する価値は高いです。ということで盤面はエルザドル+ウマゴンでいくことに決定しました。

 

コルル+「変身」によるループ

 実は今回もうひとつ組み込みたいギミックがありまして、それがコルル(変身後)《魔物の涙》とイベントカード「変身」によるループです。

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 《魔物の涙》は捨て札になった時変身元のコルルを場に残すことができ、その上で魔本を1ページ戻すことができます。バトルによって捨て札にする受動的な発動もまあ無くはないですが今回は「変身」によって捨て札にします。「変身」の対象をコルル(変身後)に取ることで魔本のページを戻しつつ、「変身」の効果でさっき捨て札にしたコルル(変身後)を再び場に戻すことができます。似たような効果にゾフィス《手駒》が存在しますが、《手駒》では捨て札にしたカード自体を再び場に戻すことができず、同じカードを戻せるというのが「変身」の強みです。コスト0で撃てるのもループに向いています。

 つまり、「変身」でコルル(変身後)を捨て札にする→変身元のコルルを場に残す→1ページ戻す→「変身」の処理で捨て札からコルル(変身後)を場に戻す→エンドフェイズの処理で1枚めくって「変身」のページに戻る→次の自分のターンのスタートフェイズではめくらずに「変身」を撃つ…でループが可能です。

 実はこのコルルによるループ=コルループを使うにあたってこれまで採用したカードとの相性の良さも理由のひとつになっています。前項で紹介した《吼えよウマゴン》は相手のターンでしか使用できず、自分のターンではイベントカードを防げません。そこでコルルのパートナーであるしおり《忌まわしい事件》を採用しました。

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 「場にある」効果で自分のターン中相手のイベントカードの使用を封じることができます。ジャマーではなく使用そのものを封じることができるため「およしになっておとのさま」などの無効化系のイベントも防ぐことができ、また「場にある」効果なのでジャマーも効きません。「変身」の効果でパートナーは場に残るため継続して自分のターンでのイベントカードを封じることができます。この《吼えよウマゴン》と《忌まわしい事件》で相手のイベントカードはほぼ対策できているため、ケアが必要なのは相手ターンでのステイ効果による無効化のみです。そこは「おおーーっ‼︎」などこちらのステイ解除でケアができます。

 

序盤の展開

 ということで目指す盤面は決まりましたので序盤の展開方法を検討していきます。エルザドルを序盤から出して妨害と強化を重ねたいので、確実に展開できる方法が望ましいです。今まで採用した展開方法はテッド+イベントカードや、キース、チェリッシュ+キャンチョメなどがあります。どの方法にもそれぞれの良さがあり、またそれぞれの裏目があります。イベントカードによる展開はジャマーや相手のキースが裏目となり、キースは相手のチェリッシュが裏目となり、チェリッシュ+キャンチョメは盤面の狭さが気になります。欲しい要素としては「ジャマーされにくい」「キース対面でも撃てる」「盤面を埋めないor空けることができる」、このあたりですがここで注目したカードがミンフェイ・ミミルグです。

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 効果だけ見れば「スカイダイビング」と同じですが、このカード最大のメリットは非バトルの術であるという点です。相手にダメージを与える術は使用前にバトル・インの確認が必要です。そのため確認後に相手の行動を許してしまいます。しかしバトルを行わない非バトルの術はバトル・インの確認が必要ありません。したがって相手の行動を許さず使用することができます。また魔物の効果やイベントカードと異なり非バトルの術をジャマーするカードは非常に少なく、万能のジャマーである「命令してんじゃねー‼︎」も術の効果には対応していません。非バトルの術をジャマーできるのはラウシン・モー《スキンヘッド》のみです。初手で術の使用を封じる効果を撃たれさえしなければ、ほぼ確実に術の効果を通して展開できます。展開後は術を撃ったモモンが場に残るため邪魔になってしまいますが、なんとこいつはしっかり自主退場技のアムロを持っています。

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 この術でモモン自身を魔本に戻すことで盤面を空けることができます。この術もミンフェイ・ミミルグと同様非バトルの術であるためほぼジャマーされることもありません。また以前も紹介したモモン《逃げの一手》は魔本の中でも効果を発揮できる珍しい効果を持ち、まさに術を撃って魔本に戻るためにあるかのようなテキストになっています。展開の確実性を評価し、今回はこれらのカードで序盤から盤面形成していくことに決めました。

 

 

構築

 ということで前項で解説した要素を盛り込みつつ組んだ構築がこちら。

 

  ページ数   ページ数  
スタート     1 モモン《逃げの一手》
攻防 2 バンザーイ 3 ビッグ・ボイン
攻防 4 アース《修正する力》 5 ミンフェイ・ミミルグ
攻防 6 およしになっておとのさま 7 ミンフェイ・ミミルグ
攻防 8 ゴメンネ 9 ウマゴン《吼えよウマゴン》
攻撃 10 アムロ 11 ルシカ
攻撃 12 ディオエムル・シュドルク 13 ウマゴン(ディオエムル・シュドルク形態)《灼熱の炎》
防御 14 一族の期待 15 コルル《お願いね》
めくり 16 エルザドル 17 赤い魔本
攻撃 18 不器用な友情 19 コルル《禁断の呪文》
防御 20 おおーーっ‼︎ 21 バルカン四代目
攻撃 22 ディガル・クロウ 23 しおり《忌まわしい事件》
防御 24 コルル(変身後)《魔物の涙》 25 カフカ・サンビーム《たのもしい方》
攻撃 26 ブン投げろー! 27 ディガル・クロウ
攻防 28 変身 29 最強の意地
攻防 30 わたしのブラを離しなさい 31 カードバトルforGBA
攻撃 32 炎の分身    
各種カード解説

 今までの構築と比較してもルール改訂後に収録されたカードが多い構築になりました。初出のカードを解説していきます。

・バンザーイ

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 2コストでイベントカードをジャマーできる汎用妨害カード。ミンフェイ・ミミルグを確実に撃つために初手モモンにしており、テッドやキースのように相手の行動をロックすることができません。後攻を取った場合相手の先攻1ターン目のイベントカードによる展開を妨害するために採用しました。「命令してんじゃねー‼︎」よりジャマー対象は当然限られていますが、その分2コストなので見開きのページからでも撃つことができます。

・ルシカ

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 後述する「ディオエムル・シュドルク」は中級術であり《灼熱の炎》を場に出すため一刻も早く中級ページに辿り着く必要があります。スタートフェイズのめくりでも悪くないですが、それでは使えるカードの枚数も少なくなってしまいます。そのため魔本めくりとMPチャージの効果を併せ持つこのカードを採用。効果によってターン中にめくることで使えるカードの枚数を増やしつつ、増えるMPも3なので単にスタートフェイズにめくるよりもお得です。ちなみに旧テキストでは「術を使えない」というデメリットでしたがルール改訂により「攻撃できない」というテキストに変更されたため、後述の非バトルの術であるディオエムル・シュドルクは使用可能です。

・ディオエムル・シュドルク

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 この術にはいくつか種類がありますが今回はこちらのカードを採用しました。他の種類では魔本の好きなページからウマゴンを呼び出すことができます。ただ呼び出しの効果はアポロ《自由人》にひっかかるというデメリットも存在します。今回採用した種類では魔本の見開きにディオエムル・シュドルクと《灼熱の炎》を配置しなければならないという制限こそありますが、その制限故に《自由人》の対象にならず、ほぼ確実に《灼熱の炎》を展開できる上、相手の魔本をめくることも可能です。ちなみにこの術もミンフェイ・ミミルグやアムロンと同様非バトルの術であるためほぼジャマーされません。

・一族の期待

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 バフカードその①。3コストとやや高めですがゲーム中魔力を+2000することができます。魔力増強をするなら外せないカードでしょう。

・コルル《お願いね》

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 バフカードその②。捨て札にすることでゲーム中魔力を+2000できます。場を埋めずに強化できる点がとても優秀。

・赤い魔本

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 MP枯渇対策で採用。ウマゴンがジャマーのためにMPを消費するのでMP枯渇されるとかなり苦しくなります。魔本に刺すだけでこちらのリソースを守ってくれるため非常に優秀。ただしイベントカードなので一度「赤い魔本」を使うと他のイベントカードが使えなくなったり、その逆もまた然りです。使うターン中に撃つべきイベントカードをきちんと検討して使います。他のページの効果を封じるザルチム《千里眼》や条件に当てはまったイベントカードの使用自体を封じるガッシュ・ベル&ブラゴ《相反する者》、ティオ《守りの陣》に対してはエルザドルの魔力を上げて効果を封じることで対策します。

・不器用な友情

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 バフカードその③。対象の魔物2体を選んでその2体の魔力をゲーム中+2000します。エルザドルは当然として、コルル(変身後)を捨て札にして使い回す都合上、必然的にもう1体はウマゴンを選びます。

・コルル《禁断の呪文》

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 コルル(変身後)の進化元となるカード。これまでの構築でも採用していた1ターンに複数使える術を主体に攻めてくる相手に刺さります。MPを減らす効果ではないので相手のMP枯渇対策をすり抜けて妨害が可能です。後述するディガル・クロウのMP枯渇効果ともちょっと相性が良いです。

・ディガル・クロウ

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 MPを2減らさなければかばうことができないという珍しい効果を持ちます。ダメージも2とそこそこ馬鹿にならないのでこの術を連打できれば相手はじわじわとMPが減っていきます。ちなみにこの「相手は、相手自身のMPを2へらさなければ」という効果が相手自身のMP枯渇対策に引っかかるかどうかは裁定が出ていません。引っかかるのだとすれば相手はMPを減らせないためかばうことができず、コスト扱いとなり引っかからなければ相手はかばう選択肢を取ることができます。このカードゲームこんなんばっかやな…。

カフカ・サンビーム《たのもしい方》

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 魔物破壊やそれ以外の除去をジャマーできるカード。ジャマーなので「捨て札にならない」効果を無効にするゼオンS《絶望へのスタート》を無視して場のカードを守ることができます。しかし前回の記事でも説明したようにジャマー効果はジャマー対象の効果処理後に処理されるため、魔物破壊や除去をウマゴンやこのカード自体に発動されるとその効果をジャマーできません。このカードの役割はエルザドルで無効化しづらい高魔力の魔物の効果による破壊なので、ヘイトがウマゴンに向いている時点で一応役割は果たしています。ウマゴンがやられた場合は「ゴメンネ」で回収します。

・ブン投げろー!

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 前回紹介したバウンス手段のひとつです。使用条件である「相手のどの魔物の魔力より5000以上上回っている」状態をエルザドルは満たしやすいです。自ターンにしか打てない、対象を選べないというデメリットがあるので、コスト0である点を活かしてループしつつ攻撃と加えて連打することで相手の盤面を崩壊させます。一応コマンドなのでシュナイダー《命名ウマゴン》の術を封じる仕様(名前を「ウマゴン」に変えられた魔物は元の魔物が持つ術を使えないという効果。正確には名前をウマゴンに変えるところまでが効果で、術が使えないのは「正しい術者でないと術が使えない」というゲーム上のルール)から抜けられるというメリットもあります。

・最強の意地

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 盤面の魔物1体にダメージを与えることでこのターン相手の攻撃全てを防ぐことができます。攻撃1つを対象にするのではなくターン中攻撃不能にするため、連続攻撃に強いところも優秀です。ステイ解除に対してはウマゴンがいるのでステイ効果による防御は強力です。場の魔物にダメージを与えるという効果も、コルル(変身後)にダメージを与えれば全くデメリットにはなりません。どうせ次のターン捨て札にするので。競合カードとして「いも天に感謝」がありますが、あちらはバトルを行わずにダメージを与えられる効果も防げる一方でMPが「最強の意地」と比べて1高いです。ループの中に組み込むカードなのでコストは極力少ない方が良いと判断し、またデメリットであるダメージも実質デメリットにならない点から「最強の意地」の方を採用しました。

・炎の分身

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 正直この枠は何でも良いです。盤面に並ぶのがエルザドル・ウマゴン・コルルなので最終ページに相応しい術がありません。そもそも攻撃・防御どちらでも使える術が少なすぎる上、攻撃と防御両方で使える術の中で最大魔力はコルルのラージア・ゼルセンですが魔力も+5000とコルル(変身後)と合わせても9500しかなく、攻撃でも防御でも心許ないです。それならば最も攻撃を通せる確率の高い術を採用するべくこの術になりました。候補としては同じくウマゴンのコマンドである炎の槍があり、この術は追加効果でかばうを無効にするか相手の防御術の魔力を0にすることができます。一見攻撃を通しやすいようには見えますが、仮に最終ページで術を撃ち合う場合、相手視点かばうを無効にされた場合は普通に術で防御すれば良いし、防御術の魔力を0にされたらかばえば良いという別に困らない状況になるだけです。ただ正直炎の分身もかばいさえすれば連続攻撃の効果は発動しないので、ぶっちゃけ本当に何でも良いです。ただ炎の槍は普通の術の割に改訂後であることもあってか入手しようとするとそこそこ高いため今回は採用を見送りました。

 

採用検討カード

・ティオ《信頼できる仲間》

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 「場にある」効果で場の魔物の魔力を+1000します。「場にある」効果なのでアクションを必要としない時点で強力ですが、この+1000というのもかなりいぶし銀です。エルザドルの魔力は7000で前項で紹介したバフ2回では11000にしか届きませんが、このティオが場にいると12000にまで届きます。つまり魔力6000までの魔物の効果を無効化できますが、この魔力6000というのが重要でこれはゴーレン《悪夢》の魔力です。ティオなしだとゴーレンの効果を防ぐためにはバフが3回必要になります。この1000の差がかなり大きいため採用を検討していました。しかし採用するとすればコルルもしくはウマゴンを不採用にする必要があります。ウマゴンを不採用にすれば相手のイベントカードや魔物の効果によるステイ解除が厳しく、盤面の形成に時間を使ってしまう以上ループが無ければ攻撃回数やこちらのページ数が足りないためコルルを不採用にするのも厳しいです。今回は盤面の狭さ故に不採用としました。

・僕は、みんなを助けるんだ‼︎

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 ステイ解除の効果を実質1回無効にするようなステイ効果を付与するイベントカードです。ロップス《かう!》や「おおーーっ‼︎」のようにステイ効果をまとめて解除してくる効果に対して強くなるので相性はとても良いです。しかしシンプルに魔本に枠がなかったのと、ステイ解除に対してはウマゴンで対応するということで今回は不採用に。

 

想定するターンの動き

・1〜3ページ目

 後攻の時を想定したページです。相手がイベントカードで展開してくる場合は即「バンザーイ」で妨害します。フライング・ビートによって展開されたりVS魔物やデモルト《咆哮》によって除去される展開を防ぐため、ビッグ・ボインもこのターンに置きます。

・4〜5ページ目

 先攻を取った場合、めくってこのページからスタートします。初アクションからミンフェイ・ミミルグを撃つためほぼ妨害されず通ります。キース対面では術を使うアクションが取れないため、アース《修正する力》の効果で《歓喜の歌》を解除してミンフェイ・ミミルグを撃ちます。ここで出す3体の選択ですが、エルザドルは確定で残り2枠が選択になります。基本的にはウマゴン《吼えよウマゴン》とカフカ・サンビーム《たのもしい方》を出し、相手のイベントカードと魔物破壊に備える盤面を作ります。例外としてガッシュ・ベル《伝導のエレメント》対面です。放置していると今後の展開にかなり支障をきたすため、早めにコルル《お願いね》を出しエルザドルの魔力を9000にします。伝導の魔力が4500なのでバフを維持できれば伝導を無視し続けることができます。伝導対策で除去を取る場合は多いですが、大体相手も除去のケアはしているため無効化によって伝導を対策できる点がエルザドルは非常に優秀です。

・6〜7ページ目

 キース+アポロ《自由人》という盤面を作られた場合、このページを使います。キースの効果を解除しながらアポロも無効化もしくは除去してミンフェイ・ミミルグを撃つのはほぼ不可能です。そのため《歓喜の歌》が解除される2ターン目以降で撃つことになります。「およしになっておとのさま」でアポロやその他妨害の効果をまとめて無効化し、ミンフェイ・ミミルグで展開します。アポロを避けたいなら「およしになっておとのさま」は「黒い覇道」でも良いのですが、展開後の盤面を相手にしないといけないためピンポイントの除去よりは盤面全てを止めることができる「およとの」を採用しました。

・8〜9ページ目

 前述の通りサンビームの効果はウマゴンや自身を守ることはできず、サンビームを止めたりウマゴンを除去した上でならエルザドルは除去されてしまいます。除去されたウマゴンやエルザドルを盤面に戻すため「ゴメンネ」はこのページに配置しておきます。伝導対面でウマゴンでなくコルルを優先して出した場合はこのターンでウマゴンを出します。

・10〜11ページ目

 アムロンで場を空け、「ルシカ」で展開します。先に「ルシカ」を撃つとアムロンで場を空けられなくなるためそこだけ注意します。テキストは「2枚まで」なのでモモン1枚のみを選んで魔本に戻します。

・12〜13ページ目

 ディオエムル・シュドルクで展開するページです。ここはあんまり考えることはないです。

・14〜15ページ目

 「一族の期待」とコルル《お願いね》でエルザドルを強化するターンです。相手の盤面に効果でイベントや魔物の効果をジャマーする魔物がいれば、先にジャマーされない方を使ってエルザドルにバフをかけて逆に相手の魔物の効果を封じてからもう片方のバフを使います。

・16〜17ページ目

 めくりページなのでここは使いません。

・18〜19ページ目

 「不器用な友情」でさらにバフをかけます。アムロンで盤面に空きができているのでここでコルル《禁断の呪文》を置いて相手の攻撃に負担をかけます。

・20〜21ページ目

 相手の攻撃に対応するためバルカン四代目を場に置きます。盤面の効果を止めるようなステイ効果に対しては「おおーーっ‼︎」で解除します。次のターンから攻撃予定なので、それを止めてくるステイ効果に対しても「おおーーっ‼︎」は有効です。

・22〜23ページ目

 しおり《忌まわしい事件》を先に場に置いて相手のイベントカードを封じた上でディガル・クロウを撃ちます。相手の場にバルカン四代目がいる場合は攻撃が通りませんが、ループの中で早めにバルカン四代目を除去できるようにこの段階から負荷をかけておきます。

・24〜25ページ目

 サンビームは初手のミンフェイ・ミミルグで呼び出している予定なので基本ここは盤面で戦うターンです。相手のアクションが無いことを確認してから次ターンのループのためにコルル(変身後)を出します。

・26〜27、28〜29ページ目

 これらのページはループで繰り返し使うためまとめて解説します。まず26〜27ページ目はめくり、28〜29ページ目からスタートします。前述の通り「変身」を使い26〜27ページ目に戻ります。戻った後はまずブン投げろー!から使い相手の盤面の魔物の数を減らした上でディガル・クロウを撃ちます。エンドフェイズで28〜29ページに戻った後、相手ターンは盤面のジャマーと「最強の意地」で凌ぎます。自ターンのスタートフェイズ時はめくらず「変身」から入りループして戦います。

・30〜31ページ目

 ループ中に妨害を超えられページをめくられた時のケアのため「カードバトルforGBA」を配置しています。前ページで「最強の意地」を使っていると同じターンに「カードバトルforGBA」を使えず敗北してしまうため、ここは見極めが重要です。このページまで進んでしまうとこちらの攻撃手段がないため、「わたしのブラを離しなさい」で26〜27ページに戻ることでコルループに戻ることができます。

・32ページ目

 ほぼ使いません。

 

弱点及びそれに対するプレイングと改善点

・魔本めくり

 中級カードを多数採用していたり、バフのカードを見開きに置いている関係上それらのページを飛ばされるとかなりキツくなります。ディオエムル・シュドルクのページを飛ばされるとウマゴン(ディオエムル・シュドルク形態)を出せなかったり、バフのページを飛ばされるとエルザドルの強化が中途半端に終わってしまいます。こればかりはタイミング次第でケアは難しいです。バフについてはページを散らすことである程度の対策はできますが、ページが散る分ロックが効き始めるのも遅くなってしまうので悩みどころです。ステイ解除に強くしているのでどこかのページを「心束ねて」にすればめくりとついでに石版ロックにも強くなるのでいいかもしれません。

・パートナー効果でのロック

 ウマゴン、しおりで魔物とイベントカード、コルルで間接的に術への対策はできていますがパートナーには何の対策もできていません。こちらが使っているしおりも相手に使われるとかなり苦しいです。パートナーの中でもココ《膠着》と高嶺清麿《王になれ》は相当苦しいです。ココは捨て札にするアクションを封じてくるため、コルル《お願いね》によるバフや「変身」によるループも防がれてしまいます。高嶺清麿についてもループをロックしてくる上対策方法がほぼ無いので詰んでいます。

・石版ロック+MP枯渇

 石版ロックに対しては一応ウマゴンが避雷針になり、MP枯渇に対しては「赤い魔本」を採用しているため無抵抗というわけではないですがそれでもやはり苦しいです。ゴーレンだけでなくディオガ・ゴルゴジオと組み合わせられるとエルザドルとウマゴン両方石版状態になり復帰がかなり厳しくなります。とはいえ単発的な対策札はあまり意味をなさないため、なんとか「赤い魔本」でMPだけは守りつつエルザドルを復活させてバフをかけることでゴーレンの使い回しはさせないようにします。

・チェリッシュ

 一応対策としてウマゴンを採用してはいますが、常に毎ターンジャマー用のMPを要求されているようなものなので苦しいです。ただ相手視点も毎ターンチェリッシュによるステイ解除のためMPを要求されているようなもので、一応コストの差でこちらが有利です。ターンが続けばコストの差がじわじわ広がっていき、またこちらのディガル・クロウで相手のMPはどんどん減っていきます。長期戦に持ち込むことで優位に立ち回ります。

・捨て札ロック

 ガッシュコントロールの記事でも紹介しましたが、ループのギミックには捨て札利用は欠かせません。そのループのギミックの根幹を揺るがしてくる前述にもあった高嶺清麿《王になれ》などは非常に苦しいです。ループができなければ攻撃回数も足りない可能性があるため、エルザドルでロックしつつ「わたしのブラを離しなさい」込みでのディガル・クロウ3回とブン投げろー!2回、炎の分身で削り切る必要がありますがまあ厳しいでしょう。

・ロデュウVSレイン

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 このカードは最近知ったんですが、ループする魔本全てに対してクリティカルな効果を持ちます。「『魔物の効果を使えない』ときにも使える」というテキストのせいでエルザドルによるロックもできないため完全にループが止まります。石版ロックや魔物破壊も採用していないため出されるとほぼ無理です。

 

 

おわりに

 当初はエルザドルとマルス《裏切り者》で構築を考えていましたが、コストの問題やマルス自身やパートナーであるレンブラントにイベントカードを対策できる効果が無いことから構築が行き詰まっていました。しかしDiscordでの対戦を通してウマゴンが強力かつ求めている性能を持っていることや、コルループの実効性を知ることができ、今回の構築に至ることができました。個人的には優しい王様でもなく人工呼吸+ジェムでもない新しいループのギミックを魔本に組み込めたのが嬉しいですね。また対戦で非バトルの術の強さを知ることができたのも大きかったです。やはり構築に行き詰まった時は対戦すべしということで、いつも対戦してくださる方々には感謝しかありません。

 ついにガッシュカードの構築も5個目となり、既にポケカの所持デッキ数を大きく上回っているのですがいよいよアイデアが底をつき始めました。次組むとしたら石版魔物構築かなと思います。前回のビブリオコントロールで挫折したので。

 ウルトラマンカードゲームでは僕が最も好きなウルトラマンであるところのガイアとアグルが中心となるブースターも発売され、またクラファンを逃したアニマルカードゲームでは2月にいよいよ一般発売が決定し、僕の30代最初の年はまだまだカードゲームで忙しくなりそうです。ポケカはまあレギュ落ちしてマシな環境になったらやろうかな…一応シティも応募してるし、CL福岡もあるので…。次の記事も読んでくださると嬉しいです。それでは〜〜〜〜。