シャドバ2始まりましたね。どうもゆっけです。リセマラの結果ララミアたくさん来たのでAFネメシスを使っていますが、初代シャドバで御旗ロイジだった自分としては相手の盤面に合わせてプレイングを細かく変えるのが難しくてなかなかグループが昇格していきません。ポケカやってても思いましたが、僕はゲーム中のプレイングが下手くそで、勝てる時は構築段階で考察が済んでて既に各対面の動きが決まっている場合だけだなあと感じます。それはそうと言われればそれまでだし、各対面の動きなんてのは対戦通じて学んでいけよというのもマジでそうなんですが、選択肢が多く、効かせられるアドリブの多さに強さが出るネメシスのようなデッキはマジで向いてないなあと思います。だからこそ、他のTCGと比較してゲーム中のプレイングより構築時点での考察が重要でかつドローという運要素もないガッシュカードにハマったのかもしれません。
ということで久々になりますが今回はガッシュカードの新魔本です。今回は結構納得いく構築にするまで時間がかかってしまいましたが、その分面白いものになったかなと思います。
コンセプト
今回のコンセプトのスタートは銀の魔本を入手したところです。
銀の魔本手に入ってがにさすほくほく pic.twitter.com/uqx07Jbnjs
— ゆっけ (@yukke_poke) 2024年12月20日
メルカリで割と安く売ってたので即購入してしまいました。レアな魔本かつ未開封品だったので使うにも使えずしばらく放置していましたが、せっかく買ったのに使わないのももったいないなということでついに開封。使うからにはこの魔本に合った良い構築を考えたい…ということで考察を始めました。銀の魔本を使うからには、やはりメインに据えたいのはゼオンです。また、ガッシュカードの魔本もこれで9冊目となり、構築の種類も既存の種類の多くを網羅してきました。しかしまだ触れていないジャンルも僅かですが存在します。その辺りも上手く盛り込めるような構築にするのも今回の目標の一つです。
ギミックの詳細
どのゼオンを使うのか
まずは数多く存在するゼオンのカードの中で、ギミックの中心となるゼオンを決定していきましょう。まず候補として目をつけたのが以前から何回か紹介したゼオンS《絶望へのスタート》です。
「場にある」効果で相手の耐性を無効にする非常に強力なカードです。魔物破壊との相性は抜群で、このゼオンがいれば問答無用で相手の魔物を捨て札にできます。相手視点このゼオンを無効にし続けるためには、ステイ効果による無効化を撃ち続けるか、ゼオンSのように「場にある」効果で無効にするしかなく、対策は難しいです。この点を評価して魔物破壊とゼオンSのコンボを軸に構築を考え始めました。
ただこの魔物破壊+ゼオンS、確かに強力ではあるのですが組んでみると色々問題が見えてきました。1番の問題はゼオンS単体で効果が完結していないという点です。魔物破壊を組み合わせて初めて本領を発揮する効果であるため、単体では効果を持たないに等しいです。効果自体は強力ですが、やはり場に出すだけで強いロックができたり、耐性を付与できる他の魔物と比較するとやや見劣りします。S魔物であるという点も大きなデメリットであり、効果で呼び出すことができず直接魔本から場に出す必要があるため、展開がやや困難です。また、ゼオンにはVS魔物が非常に多いのも厳しい点です。VS魔物による除去は場に出すだけでよく、アクションの隙もありません。そのためフライング・ビートの効果使用後VS魔物を出されれば、防ぐ間もなくゼオンが除去されてしまいます。S魔物はそのルール上捨て札から直接場に戻すことはできず、魔本を経由して場に戻さなければならないため、VS魔物が多いのはかなりのデメリットです。破壊されたゼオンSを再び盤面に戻すとなると、進化元のゼオンを再度用意してその上で再び魔本から直接ゼオンSを出さなければならず、かなり大変です。ウォンレイSやキャンチョメSが優秀なのは、S魔物でありながら場に出た瞬間から破壊耐性を持つ故だと再確認しました。
つまりゼオンSを強く使おうとすると、破壊効果を持つカードの採用、ゼオンSを守るための耐性付与を盤面に置く必要があります。S魔物であるゼオンSを立てながらこの盤面を作るのはかなりハードルが高いです。破壊効果を持つカードも、魔物の効果であれば大体ゲーム中1回の制限があるため複数枚の採用はできません。VS魔物ならその制限こそありませんが、メタを外すと使えませんし、やはり魔物の枠を圧迫します。イベントカードで破壊を通そうとすると、コストの重さが気になります。術での破壊もありますが、このゲームにおいて術を撃つという行動は相手にアクション権を先に渡すことであり、その隙は大きいです。そこで、なんかいい破壊効果を持つ魔物いないかな〜と思ってカードリストを眺めていると、このカードと出会いました。
同じくゼオンであるためゼオンSとの共存はできませんが、性能自体は面白そうです。H(ハイド)魔物とは場に置ける3体の魔物のスペースとは別の場所に裏向きで起き、アクションによって表に返して魔物のスペースに出す魔物です。裏向きの際は場にはいないものとして扱うため、あらゆる効果を受けず、場の魔物の数にもカウントされません。このゼオンHの効果《ファウードへの誘い》の優秀な点は、表向きになったと同時に相手の魔物を破壊することができる点です。多くの破壊効果を持つ魔物は場に出す→効果発動で2アクション必要ですが、H魔物であるゼオンHは裏向きで場に出ている際はあらゆる効果を受けないため、実質1アクションで即座に効果を使うことができます。また、「場にある」効果であるためジャマーを受けないのも優秀です。
そして最も優秀な点は、この手の破壊効果にありがちなゲーム中1回の制限が無いということです。「は!?いやテキストには『ゲーム中に1回だけ使える』って書いてあるじゃん!」と思った方、実はガッシュカードにはゴールドリストと呼ばれるものがあります。ガッシュカードは途中から大幅なルール変更が行われ、旧ルールから真ルールへと移行しました。移行の際、旧ルールで刷られたカードテキストを真ルールへと対応させるため、このゴールドリストをもって読み替えとし、これが一番正しいものとして扱うというルールが存在します。なんとこのゴールドリストにおいて、ゼオンH実物のカードテキストにはあったゲーム中に1回だけ使えるという文言が消えているのです。ゴールドリストを一番正しいものとして扱うルールを遵守するなら《ファウードへの誘い》は制限無く何回も使えることになります。また、仮にゲーム中1回の制限が無いとすれば、この効果はターン中ですら何回も使うことができます。基本的にガッシュカードにおいては同ナンバーのカードで同ターン中に効果を複数回発動することはできません。しかし「場にある」効果は例外です。「場にある」効果で指定されたタイミングで発動するものについては、同ターン中でもそのタイミングさえ来ればその度に効果を発動できます。何らかの方法でゼオンHを複数回場に出すことができれば、その回数分相手の魔物を捨て札にできるということです。
つまりゴールドリスト上でゼオンHは、H魔物であるが故に裏向きの状態では全く効果を受けず、表向きになったと同時に相手の魔物を破壊でき、「場にある」効果であるためジャマーも受けず同ターン中に何回でも効果を使える、ということになります。明らかにぶっ壊れです。一応フォローを入れるとすれば、H魔物はS魔物同様効果で場に出すことはできないため、序盤から効果によって呼び出して使ったり、捨て札になった場合は一度魔本に戻してからでないと使えないデメリットがあります。また《ファウードへの誘い》の効果で相手の魔物を捨て札にした後、相手は新たに魔物を好きなページから出すことができるため場の魔物の数自体は変わらないことになります。これらのデメリットを考慮すればゲーム中1回の制限がついていると弱すぎるし無くなってもおかしくない…いやおかしいな…。実はガッシュカードには、ゴールドリストの誤りが疑われるカードが数枚存在しており、このゼオンHもまたその1枚です。しかしこのカードゲーム、既にサービス終了しているためゴールドリストの誤植かどうかなんていうのはもう確認する術が無いのです(マジでどうなってんだこのカードゲーム)(どうかしているのはカードゲームではなくサ終したカードゲームでルールの穴を突こうとしている異常者ワイ)。ルール上は確かにデメリット効果が消えてるけど、明らかにおかしくね!?ということでタイトルに「脱法」がつきました。もし読んでくださっている方が実際に対戦する場合は対戦相手の方に確認してから使うようにしてください。以降はこの脱法が仮に通るとしたらという前提で考察を続けます。
目指す盤面
ゼオンHを強く使うにあたって組み合わせたい要素を以下に列挙します。
①ゼオンHの回収
②呼び出しを封じる効果
③高嶺清麿《王になれ》の採用
④破壊耐性の無効化
ゼオンHを繰り返し使う前提において、①の回収要素は必須です。まず候補に上がるのはバディオス《空輸》《回収》です。
MPを1払うことによって場の魔物を魔本に戻すことができます。ゼオンHを表向きに出した後、次の自アクションで《回収》を使い魔本に戻すことで、再び《ファウードへの誘い》を使ったりハイド状態でゼオンHを待機させることができます。ちなみに「飛行状態」というのは、相手の場に「飛行状態」の魔物がいない時、自分の「飛行状態」の魔物の効果はジャマーされないという状態のことです。お互いに「飛行状態」の魔物がいないとジャマーできないよ〜って感じです。バディオスは《空輸》によって自らを含めて「飛行状態」にできるので、確実に《回収》を通すことができます。他の候補としてはイベントカード「退くぞ!」が挙げられます。
イベント権を切る必要がありますが、バディオスと組み合わせることで複数体の魔物を捨て札にすることができます。細かい差ですが、仮にゼオンHが効果発動の隙を狙われて石板状態にされた場合、石板状態の魔物を効果によって選択できないので《回収》で戻すことができません。しかし「退くぞ!」は対象を場の魔物としているのではなく、場のカードを対象としているため石板状態になった魔物でも魔本に戻すことができるメリットがあります。
ゼオンHで魔物を捨て札にしても、自身の効果で更なる魔物を展開されては場の魔物の数は減っていきません。②の項目はゼオンHを強く使うなら組み合わせたい要素です。呼び出しを防ぐという行為は、効果発動後の隙を狙われてVS魔物でゼオンHが処理される展開も防ぐことができるため、ゼオンHを守ることにも繋がります。まず候補に上がるのは以前からちょいちょい紹介しているアポロ《自由人》でしょう。
「場にある」効果で相手の他ページ利用を封じることができます。ロップス《かう!》によってステイ・スタンバイ効果解除もできるため優秀なコンビです。また、その他の候補としてはイベントカード「仲村マリ子」があります。
イベントカードである点、同ターン中のみのステイ効果である点でアポロに劣りますが、0コストで撃つことができ、ジャマーも受けない点が優秀です。魔物の枠も圧迫しないので、他のカードとの組み合わせを検討しどちらを採用するか決めるべきでしょう。
魔物破壊を軸にするデッキなら③の《王になれ》との組み合わせは必須レベルです。《王になれ》をどう捨て札にするかについては、手駒ループ魔物破壊の記事でも考察しましたが、今回の候補はガッシュ・ベル/ゼオンとガッシュ・ベル《出会い》です。
前者のメリットはキース《歓喜の歌》対面でも、《王になれ》をつけることができればほぼ確実に後攻1ターン目のスタートフェイズに《王になれ》を捨て札にすることができる点です。デメリットとしては置き物としては効果が強くない点、ゼオンと場に共存はできないため退かす手段が必要な点(ここはバディオスの《回収》でもいいかもしれません)です。
後者のメリットは先攻を取れた場合、《王になれ》を巻き込んで捨て札になりながら展開もできる点です。先攻1ターン目からデモルト《咆哮》や魔界学校の校長に繋いで魔物破壊も可能です。また、《出会い》の効果は「捨て札にして好きなページの魔物を出す」ではなく、「捨て札にする」と「好きなページの魔物を出す」がそれぞれ独立しているため、どちらか片方を選んで使えるのも地味に優秀な点です。相手が《王になれ》を採用していそうな場合は最速でガッシュ諸共捨て札にすべきですが、そうでない場合は純粋に展開要員として使えます。デメリットとしては相手に先攻を取られた場合、先攻1ターン目で効果が腐ってしまうという点です。しかし、《出会い》採用で後攻を取った場合は《王になれ》が捨て札に行くのは後攻のバトルフェイズ、ガッシュ・ベル/ゼオンで《王になれ》を捨て札に送る場合は後攻のスタートフェイズで、正直ほぼほぼ捨てるタイミングは変わりません。一方で先攻を取れた場合、展開も可能な《出会い》の方が遥かに優秀です。ということで今回は《出会い》を採用することにしました。
ここまでお膳立てしても、相手の場にウォンレイ《愛のために》やキャンチョメSがいればゼオンHの破壊効果は通りません。そこで④で示したように何らかの方法で相手の耐性を突破する必要があります。最も手っ取り早いのは効果の無効化ですが、まず候補として上がるのはステイ効果による無効化です。これについては種類が豊富で最も手軽に使えるのは「およしになっておとのさま」でしょう。しかしステイ効果はチェリッシュやリーヤVSザルチムを代表としたステイ解除にどうしても弱いです。ステイ解除と耐性持ちが場に並ぶと、どう頑張ってもステイ効果では相手の耐性を突破できません(だからこそゼオンSは強いのですが)。ステイ解除まで考慮するなら「場にある」効果で無効化したいのですが、ここで候補に挙がるのがカルーラ《薔薇の戦士》とマレーネ・ヤネンツ《カルーラのクグツ》です。
以前ビブリオコントロールの記事でも紹介したカードですが、レイラ《堕ちたものね》やエルザドル《気高き目》のように「場にある」効果で相手の「場にある」効果を封じられる強力なカードです。このカードによって相手の「場にある」効果での耐性を無効にすることができます(魔物の効果のみなので注意が必要ですが)。耐性を使ってこない相手に対してもこのロック効果は強力です(実はH魔物の効果は全て「場にある」効果なのでミラーにも強いです)。通常なら石板魔物3体を場に並べる必要がありますが、マレーネと組み合わせることで石板魔物2体でもカルーラの効果を使うことがでが、ゼオンHとの共存が可能になります。2体目の石板魔物はどうするの?という疑問をお持ちの方もいるかもしれませんが、実はバディオスが石板魔物なのでその2体目になります。
以上に示した候補の中から使えそうな組み合わせで盤面を作ります。カルーラはバディオスとしか共存できないため、必然的にバディオス+「仲村マリ子」+カルーラか、もしくはバディオス+アポロ+「およしになっておとのさま」の2択になります。前述の通りステイ解除+耐性持ちが盤面に並ぶと、こちらのステイ効果による無効化は通りません。「仲村マリ子」もステイ効果ではありますが、こちらが解除される分にはまだマシで、確実に通したいのは破壊効果の方です。ということで相手の耐性を確実に無効にしやすいバディオス+「仲村マリ子」+カルーラの組み合わせの採用にしました。
構築
序盤は《王になれ》を捨て札にしつつ、テッド《ファイティングポーズ》やキース《歓喜の歌》、ガッシュ・ベル《伝導のエレメント》に屈しない展開をできるようページを組みました。ゼオンHを出すページ以降はバディオスで現在のページに戻して繰り返し出す都合上ページを開ける必要があるため、場に出すカードを見開きに必ず1枚は入れています。
ページ数 | ページ数 | |||
---|---|---|---|---|
スタート | 1 | ガッシュ・ベル《出会い》 | ||
攻防 | 2 | アース《修正する力》 | 3 | 高嶺清麿《コンボ》 |
攻防 | 4 | ロード《悪しき力》 | 5 | 高嶺清麿《王になれ》 |
防御 | 6 | 魔界学校の校長 | 7 | ココ《旧友の叫び》 |
攻撃 | 8 | 1人拷問ゴッコ | 9 | バディオス《空輸》《回収》 |
攻撃 | 10 | カルーラ《薔薇の戦士》 | 11 | マレーネ・ヤネンツ《カルーラのクグツ》 |
防御 | 12 | ゼオンH《ファウードへの誘い》 | 13 | カードバトルforGBA |
攻防・めくり | 14 | 人工呼吸 | 15 | マレーネ・ヤネンツ《カルーラのクグツ》 |
攻防 | 16 | 仲村マリ子 | 17 | トイバルカン |
攻防 | 18 | 仲村マリ子 | 19 | バルカン三代目 |
攻防 | 20 | 仲村マリ子 | 21 | ビッグ・ボイン |
攻撃 | 22 | 僕の王様 | 23 | フライング・ビート |
防御 | 24 | ティオのパンツ | 25 | バルカン四代目 |
攻撃 | 26 | 僕の王様 | 27 | ツー・ライティング・アイ |
防御 | 28 | およしになっておとのさま | 29 | ツー・ライティング・アイ |
めくり | 30 | 手をつないで… | 31 | デモルト《咆哮》 |
攻防 | 32 | ゼオ・ザケルガ |
各種カード解説
前項で紹介しなかった採用カードについて解説します。
・ロード《悪しき力》
《王になれ》を最速で捨て札にするべくガッシュを序盤から採用していますが、ガッシュを序盤に採用する上で最も困るのは相手のスタートが《伝導のエレメント》だった時です。こちらが先攻ならば《出会い》からデモルトで処理可能ですが問題は後攻の場合です。《出会い》でガッシュが自主退場できないため、伝導対策としては定番となるフライング・ビートなどからのVSガッシュでの伝導処理ができません。VSガッシュ以外で伝導を処理する方法として手っ取り早いのはゴーレン《悪夢》による石板状態付与ですがこれも後攻では使えません。後攻でも伝導に対応する駒としてこのロードを採用しました。相手のターン中でも使えるのがとても優秀です。無効化をゲーム中ステイさせるため、後攻を取ったとしても伝導を無効にすることでこちらの後攻1ターン目も問題無く展開できます。
・ココ《旧友の叫び》
序盤の除去効果としては範囲も広く、イベントカードであるためアクションの隙もない「黒い覇道」の方が基本的には優秀です。しかし、ロードやカルーラで封じられるのは魔物の効果のみなので、ウォンレイ《愛のために》と一緒に採用されがちなリィエン《呪いの床》が場に出てしまうと、《呪いの床》自体がパートナーのついている魔物やそのパートナーが捨て札にならない効果を持っているためこちらの破壊効果が通らなくなってしまいます。《旧友の叫び》は相手の耐性を貫通してパートナーを除去できるため相手の《呪いの床》も除去可能です。他の除去効果と違って対象がパートナー限定ですが、序盤で除去したい対象が明確に決まっているためあまり問題ではありません。もちろん場に出すアクション後に相手の「黒い覇道」などによって《旧友の叫び》が除去されるリスクもありますが、それを差し引いても優秀であるため採用に至りました。
・トイバルカン
完成後のこちらの盤面の弱点はマレーネです。パートナーカードであるが故に除去されやすく、除去されればカルーラによるロックも解除されてしまいます。除去の対策としてシンプルなのは回収手段を用意する、現物を複数枚採用することです。しかしゼオンHを繰り返し使う都合上展開後は極力魔本のスペースを毎ページ作る必要があります。片方のページは「仲村マリ子」が埋めているため、回収手段はイベントカードであることが多いので噛み合わず、現物の場合は除去されなかった時にページが空かず困ってしまいます。ということでページを空けつつマレーネを守れるトイバルカンを採用しました。
・ビッグ・ボイン
有名なのは他のMJ12の効果を封じる方のビッグ・ボインですが、今回はそちらではなく他のMJ12を除去する方を採用しました。MJ12は簡単に場に出せるため空きページを作るカードとしては最適です。こちらのMJ12を場に出すだけでなく効果を通すため、相手のビッグ・ボインをこのカードで除去します。ビッグ・ボインが封じられるMJ12はビッグ・ボイン以外なので、このカードの効果は問題無く通ります。除去効果は「黒い覇道」やパートナーの効果によるものが多いですが展開後は構築の都合上それもできないため、MJ12でありながら相手のビッグ・ボインを除去できるこのカードは今回の構築においては優秀です。
・ツー・ライティング・アイ
遥か昔、初めて作ったデッキに採用したカードです。今回は簡単に空きページを作ることができるカードとして採用しました。初めて採用した時は気づきませんでしたが、このカードの地味に優秀な点は相手のターンでも攻撃ができるところです。ターンの初手アクションで使うことで相手の魔本や盤面に圧をかけることができます。MP消費も無いのでお手軽です。
・ティオのパンツ
ゼオンHを場に出す前に魔本破壊で除去されると、上級ページに行くまでゼオンHが使えません。これを防ぐために採用。理想はモモン《逃げの一手》ですが魔物の枠が無かったためこちらの採用に。
・手をつないで…
「人工呼吸」ではゼオンHを回収できないので、アクションの隙を狙われてゼオンHが捨て札に行った時のケアのため採用。上手く使えば相手の除去の後再びゼオンHで魔物破壊ができます。
・ゼオ・ザケルガ
最終ページの術を撃つアタッカーになれるのがゼオンだけなので、必然的に採用。ゼオンには作中最大術であるジガディラス・ウル・ザケルガもあり実際カード化されているのですが、かばえない効果を評価してこちらの方を採用。原作では改心するまではバオウをガッシュが引き継いだことを恨み、研鑽を重ねてジガディラスを習得したというのに、カードではバオウに酷似した存在しない術を持たされ、しかも性能としてはジガディラスより有用という、あまりに尊厳破壊すぎるカードです。しかしあくまで性能をもって採用を判断するのがカードゲームの定めなので…。
想定するターンの動き
・1〜3ページ目
後攻を取った時、相手の初手が《歓喜の歌》もしくは《伝導のエレメント》の場合使うページです。《ファイティングポーズ》や《歓喜の歌》などのステイ効果はアース《修正する力》で解除します。解除後に高嶺清麿《コンボ》でページをめくって4〜5ページ目に向かいます。実は相手ターンでもページをめくって展開できるカードは地味に珍しいです。
・4〜5ページ目
先攻の場合は基本的にめくってこのページからスタートします。《王になれ》は場に出さえすれば後は捨て札に行くだけ(魔物をバウンスされる場合、魔物は魔本に戻りますがついているカードは捨て札になるため、どの行動を取られても基本的には捨て札に行きます)なので、場に出すことが何よりも重要です。初手アクションで《王になれ》を場に出します。相手もまた《王になれ》を使ってきそうなら、《出会い》によって展開し先に《王になれ》を捨て札にします。相手の場に厄介な魔物がいる時も早めに展開してデモルトや校長で除去します。優先的に除去したいのはチェリッシュやリーヤVSザルチムを始めとしたステイ解除効果を持つ魔物、パートナーであるココ《膠着》でこちらの展開を阻害してくるゾフィスなどです。
・6〜7ページ目
先攻を取った場合の後攻1ターン目想定のページです。相手の展開を校長や《旧友の叫び》で妨害します。ここであまり展開しすぎると次のページ以降で魔物を退かせずに展開できなくなるので、校長はタイミングを見て出します。
・8〜9、10〜11ページ目
「1人拷問ゴッコ」で展開するページです。あまり無いパターンですがロードの効果が使わずに余った場合はバディオスで回収し、効果を使い終わったデモルトは「1人拷問ゴッコ」の捨て札にする効果で場を空けながらめくり、カルーラとマレーネを展開します。
・12〜13ページ目
ここをめくられるとゼオンHを場に出すことができず負けてしまいます。ほぼ全ての攻撃とめくり効果を止められる「カードバトルforGBA」をゼオンHと同じページに配置し、確実にゼオンHを出せるようにします。ゼオンHさえ出せればこのページのやりたいことは完遂です。
・14〜15ページ目
ここまでのターンでバディオスやカルーラを除去された時のためのページです。「人工呼吸」で捨て札から回収します。カルーラを除去されている場合は同時にマレーネも除去されているので、同じページにマレーネを置くことで再び盤面を作ります。マレーネを出すことができればページが空くので盤面によってはゼオンHを使ってもいいかもしれません。どこも除去されていなければスタートフェイズでめくります。
・16〜17、18〜19、20〜21ページ目
怒涛の「仲村マリ子」連打ページです。やることはシンプルですが、アクションの順番が大事です。《ファウードの誘い》と《回収》は連続でアクションしたいため、あらかじめ見開きのカードは場に出してページを空けます。《ファウードの誘い》は同一アクション内で破壊→呼び出しの効果が発生するため、ゼオンH使用前に「仲村マリ子」は使います。見開きのカードか「仲村マリ子」どちらを先に使うかは盤面次第ですが、マレーネを除去されると厳しいのでトイバルカンだけは初手アクションで出した方がいいかもしれません。
・22ページ目以降
基本的には16ページ以降と立ち回りは変わりませんが、ここから上級ページなので「僕の王様」が使えるようになります。バディオスやマレーネが除去された場合は「人工呼吸」を、ゼオンHが除去された場合は「手をつないで…」を、相手の場に厄介な魔物がいれば「およしになっておとのさま」を、それ以外の場合は「仲村マリ子」を、というような感じで「僕の王様」からイベントを撃ち分けます。
弱点およびそれに対するプレイングと改善点
・魔本めくり
繰り返すようですがH魔物は効果で場に出せないので、ページを飛ばされてしまうと場に出せずコンセプト崩壊します。「カードバトルforGBA」のページでは安心ですが、問題はそれ以降です。《回収》で魔本に戻した直後のアクションでめくられた場合、魔本をもどすためのカードは入れていないので負けになります。盤面にめくり効果を持つ魔物やパートナーがいれば、ゼオンHでそれを除去すれば問題ありません。しかしめくり効果を持つイベントカードはほぼ対策のしようがありません。本気で対策するなら、そもそも魔本をめくるイベントカードは攻撃ターンしか使えないことが多いので、相手の攻撃ターンにはゼオンHを魔本に戻さないプレイングが求められます。ただ防御ターンでもめくれるカードはわずかながら存在する(例:「怖いのは一緒」)ため、これも完全な対策とは言えません。正直ウォンレイ《愛のために》が存在する環境で、効果によってめくる行為自体があまり強くないのであまり考慮する必要も無いと言えば無いです。わざわざイベント権使って1枚めくるくらいなら普通にかばえなくしたり連続で攻撃した方が遥かに強いので…。とはいえモモン《エロザル》などの魔本めくりを匂わすカードが出てきた場合はイベントカードによるめくりを警戒して《回収》を使うタイミングは考えた方がいいかもしれません。
・無効化
ステイ解除を採用していないため相手のステイ効果による無効化がやや厳しいです。耐性持ちとステイ効果による無効化が並ぶと、カルーラの効果が止まれば相手の耐性も復活するので面倒です。ただこちらの魔本破壊は毎ターンやろうと思えばできるため相手視点毎ターン止め続ける必要があります。一応それができるカードも存在はします(ゼオン《泰然自若》、マルス《裏切り》など)。ただ消費するMPも馬鹿にならないので相手がいつかは息切れします。また盤面でアクションによって発動する無効化はやはり場に出た瞬間が最も大きい隙なので、そこを逃さず除去できれば《王になれ》で蓋もできるのでこれを目指します。「僕の王様」から撃てるステイ解除効果を持つイベントカード(「ベリーメロン」「おおーーっ!!」など)を採用しても良かったのですが、今回は枠の都合で不採用にしました。
・ワンキル
前回ワンキルを作ってみたところ、思ったより決まるということが判明したため仮想敵として考慮する必要が出てきました。相手に先攻を取られた場合、ワンキルを止める手段があるとすればロード《悪しき力》のみです。相手の術の使用自体を止めることはできないので、ワンキルのギミックを看破してピンポイントでクリティカルな部分をロードで止める必要があります。例えばバベルガワンキルならかばうを封じるブラゴ《容赦なし!》の効果を封じれば、相手の4回攻撃を場の魔物でかばい切ることができます。また前回紹介したペンダラム・ファルガワンキルならパティ《涙のリグレット》を封じれば5回攻撃を盤面で捌くことができます。大体の場合かばうを封じてくる効果をロードで封じれば盤面で受け切れることが多いですが、逆にロードが封じられればほぼ負けです(ワンキルに採用されやすいキャンチョメ《あふれる希望》にはパートナーとして当ブログ準レギュラーの《必死のフォルゴレ》がいます)。早めにロードを出してしまっては相手の効果でロードの効果を封じられたり、逆に待ちのプレイングをするとアクションの順番によってはロードによる無効化も機を逸してしまうことがあります。確実にロードの無効化を通すためには、プレイングの精度が要求されるでしょう。
・レイラ《本物の力》
ロックが強いガッシュカードにおいて、「相手の効果にかかわらず使うことができる」もしくは「『魔物の効果を使えない』ときにも使える」効果はかなり強いです。前者はチェリッシュ、後者は今回も採用しているアースが例に挙げられますが、このレイラも後者に属するカードです。全てのロック効果を無視して効果を使えるため、耐性持ちと並ぶとゼオンHの効果が通りません。ひとたび盤面が完成すると石板状態付与以外で突破する手段はないので、盤面が完成する前に除去を通す必要があります。
おわりに
H魔物、石板魔物とこれまで使ってこなかったギミックを一同に使える構築に仕上がったので個人的には満足です。特にガッシュスタートで伝導、テッド、キース対面をどうケアするかを考えるのが今回非常に悩みましたが、それなりの形に収まったのも悪くないかなと思います。正直初手の展開はチェリッシュ+《あふれる希望》以上のものは無いだろうと思っていたので、それと張り合える展開にできたのは嬉しいですね。
これでいよいよガッシュカードも本格的にネタが尽きてきました。あと組むとしたら何回も言ってますがウォンレイ+レイラの構築かなあ。ファウード魔本や、MJ12+ナゾナゾ博士の12枚めくり魔本も手を出していないジャンルとしては存在しますが、あまりにロマン砲すぎて再現性も強さも無いので組む気がしません。最近対戦もできていないのでインスピレーションも無いです。かの羂索も「私から生まれるモノは私の可能性の域を出ない」と言っていますし、やはり自分で考察を深めるだけでは限界がありますね。ということで誰か対戦してくれ…頼むよ…。
ちなみにポケモンカードですが、サーナイトブルンゲルとかいうデッキが出てきたせいでモチベが地に堕ちました。それがなければフライゴン+アーボックは結構味してたのでもうちょっと擦ってたと思います。いつまで強いねんサーナイトはよおらんなってくれや。ガッシュカードのデメリットはサ終したこと、それ故にプレイヤーも入手可能カードも少ないことだけだと思ってましたが、やりこんでいくとドローに左右される他のTCGがアホらしくなってくるのも大きなデメリットですね…。ボス2連打とか、オーキス2連打やられるとどうしても2度とやらんわこんなクソゲーになっちゃいます。この辺を上振れとして割り切れたり、逆に原因追及にモチベを振れる人がTCGには向いてるんでしょう。
次の記事は新しいガッシュカードの記事か、ポケモンカードか、棚の奥にしまいこんでるアニマルカードゲームの記事になるんじゃないかと思います。ここまで読んでくださってありがとうございました、それでは〜〜〜〜〜。